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GOLGOのひとりごと

業務上のミスで発生した損害を折半することを約束した労働条件は無効か

2020.11.12

【損害賠償を予め明示することについて】

労働基準法16条によれば、会社は労働契約の不履行について違約金もしくは、損害賠償額を実害の有無にかかわらず一定金額を定めることを禁止しています。

5割と一津に定めてしまうと、16条に抵触する恐れが非常に高いといえるでしょう。

 

もっとも、現実に損害が発生した場合について、損害賠償を従業員にさせること自体を禁止しているわけではありません。

したがって、労働者に入社の際、業務上のミスによっては損害賠償を求める場合があることを伝えた場合にただちに違法とはなりません。(就業規則等にも定めておきましょう)

※折半することを決定事項とせず、あくまでも「損害賠償を請求する場合がある」にとどめておくことが重要です。

 

【損害賠償の程度】

実損害額を労働者に負担させることがただちに違法ではないことは上述の通りですが、その賠償責任の程度には留意が必要です。

民法の基本理念において「損害の公平な分担」が挙げられますが、その観点からしますと、労働者の業務遂行時に発生することが予測されるようなミス、気を付けていても防げないようなミス、労働環境に起因するようなミス等での損害の場合は、「会社が負担すべき損害」と認められる場合がございます。

仮に労働者に大きな過失が認められたとしても、全額負担は難しいでしょう。過去におきましても4分の1を限度として示した判例もでております。

 

実際の運用についても、安易に損害額を決定せず、都度、労働者の過失の割合を吟味したうえで慎重に決するべきであり、予め労働条件として組み込むことはしないようにしましょう。

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