GOLGOのひとりごと
【採用・教育・社員力強化】記事一覧
- 2023.09.26
- MG for Students大府市 開催報告
- 2023.03.14
- アイデア募集する側に求められる配慮とは?
- 2022.07.04
- 配慮すべき個人情報とは
- 2022.03.02
- 採用!採用!採用!
- 2021.01.26
- 緊急事態宣言下ですがゴルゴMG開催しました
- 2020.02.18
- 中小企業の人材獲得戦略
- 2019.01.28
- 「会社側の」面接
- 2017.09.23
- 能力不足の社員を辞めさせることはできるか?
- 2017.07.09
- 募集時に性別を限定しても良いか?
- 2017.07.02
- 経歴詐称について
- 2017.06.24
- 採用面接時に聞いてはいけないこと
- 2017.02.21
- 上長の指示に従わない社員への対応
- 2017.02.14
- 無断欠勤!無断遅刻!
- 2017.01.17
- 試用期間に問題社員を解雇する場合
- 2016.12.06
- 始末書の取扱い
- 2016.08.15
- 数学の勉強の仕方
- 2016.08.15
- 社内教育の在り方について
- 2016.03.29
- 内定辞退者への損害賠償請求
- 2015.08.02
- 会社が負担した外部研修費用の返還請求
- 2014.10.19
- 採用選考時に病歴を尋ねてもよいか
- 2014.06.20
- 学生をアルバイトに雇う時の注意点
- 2013.03.20
- 目的ある「OJT」の設計
- 2013.03.15
- 「パワハラ」と「熱血指導」の境界線とは
- 2012.12.29
- 人材の選び方
- 2012.12.28
- 採用に役立つ適性診断を活用していますか?
- 2012.11.28
- 最初のひとりを雇う時
MG for Students大府市 開催報告
MG for Students in大府市を開催しました。
今回は風邪でお休みされた方がいたりして少人数の開催でしたが、その分しっかりと5期まで学んで頂くことができました。
そして前回決算で苦労した得永君も元気に参加してくれました。
それだけでなく、あれだけ苦手だった決算もスラスラこなして、ゲームでもジュニアルールながらしっかり利益を出して最優秀経営者賞を獲得してくれました。
最初はうまくいかなくても、MGを繰り返し学ぶことで確実に力が付き、成長を実感できる時が来ます。
彼の感想文は相変わらず短文でしたが(笑)100期を目指す!と書いてくれました。
なんだか私も苦労が報われた気がしました。
参加者の方には苦労も味わってほしいけれど、それがあるからこそ味わえる貴重な達成感も味わってほしいと思っています。
次回は東海市で11月に開催予定です。
アイデア募集する側に求められる配慮とは?
以前に家族で休みにどこか行こうということになり、当時中高生くらいだった子供たちにアイデアを募ったことがある。その時に全然意見がまとまらなくて困ってしまった。
これが子供たちがまだ小学生くらいで、あまり分別を持っておらず、大人の決めたことに従ってくれるうちは何とかなるのだが、中高生くらいになるとそれなりに理屈も言うし意見もある。それら様々な意見を限られた予算と時間的制約の中でまとめるのは非常に難しい。出された案の中にはやむを得ず却下しなくてはならないものもある。ところがそういうことが続くと、案を却下された人間は「そんな風にするんだったら最初から自分で決めればいい。考えるだけ時間の無駄だ!」という気分になってしまう。実際、そういう指摘を子供から受けた。
実は私も最近逆の立場でそれと同じ経験をした。
登山の時にテント内で食べる食事のメニューを考えることになったのだが、私はビーフシチューを予め煮込んで冷凍して持っていくという案を考えた。ところがリーダーから、今回の合宿ではグループ内で協力して調理をするということも経験してほしいから、現場で作れるメニューにしてほしいと言われてしまった。
ビーフシチューは煮込みに時間が掛かるし、食材の運搬なども考えると、例えば缶入りのトマトとかワインとかを使うのだが、それらの包装材などのゴミも出てしまう。そうしたもろもろの事を考えると、山のテント内という限られた条件の中では事前調理してシップ袋に入れ冷凍し、現場でコッヘルで解凍して食べるというのが最も合理的なのだが、リーダーからの後出しジャンケンのせいでこのアイデアは台無しになってしまった。現場で素材から煮込んで作ることは理屈としては不可能ではないが、テントの中で小さなガスと小さなコッヘルを使って作ったとしても、当初私が意図していた「美味しいビーフシチュー」は到底できっこない。共同調理の体験という条件が後出しで出されたことによって、私の「美味しいビーフシチューを食べてもらいたい」という思いは、ゴミ箱に捨てられてしまったも同然だった。
まさに家族にアイデアを募ったときとは逆の立場を経験したわけであるが、実に不愉快な気分を味わった。
なぜ不愉快か?
時間のムダ、労力のムダ、それは確かに不愉快だが、それ以上に残念に思ったのは、「美味しいものを食べてもらいたい」という善意を受け取ってもらえなかったことにある。
これが仕事であれば割り切りやすいのかもしれない。クライアントの要求には機械的に従えばいいと考えれば済む。合理性だけで判断すればいい。それもひとつのプロフェッショナルだ。そうではなく、遊びであるからこそ、何とかして楽しくしたい、どうせやるならいいものを!という善意がそこに生まれる。
そして善意が却下されると人間は心が折れる。
単なる時間のムダであれば、仕方ないとやり直すこともできるが、善意というものはそんなに簡単に代替できるものではないからだ。
私が家族にどっか行こう!とアイデアを求めた時も、彼らは同じ時を一緒に過ごしたいという善意を持って一生懸命考えてくれたに違いない。
それを「前もって聞かされていない理由」で却下されたらやる気が無くなるのも理解できる。
つまり「善意=思い」と「合理性」とはまったく違うものだということだ。
こうした前提で考えると、アイデアを求める側はどんな配慮をすべきだったのだろうか?
まず、アイデアを出すという行為には善意が詰まっており、出てきたアイデアを否定することは相手の善意をも否定することになってしまうという覚悟を持つ必要がある。
そうなると安易にアイデアを求めるという行為は慎むべきである。
それでもせっかくみんなで過ごすのだから、アイデアを出し合っていいものにしたいという思いがある場合、まずは自分の思いをしっかりと相手に伝え、隠された前提などが無いように注意を払う必要がある。登山の例で言うならば、どのくらいの調理スペースや機材、時間、予算などが確保されているか、そしてどのような目的でメニューを考えるか、といったことを事前に伝えておくこと。それをしっかりやっておかないと、アイデアを出す側がやる気を失うことになってしまう。
メンバーにやる気がある時は特に、せっかくのやる気を無駄にしない配慮がリーダーには求められる。
配慮すべき個人情報とは
要配慮個人情報の定義と規制の概要
「要配慮個人情報」とは、「本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報」をいいます(改正個人情報保護法2条3項)。
個人情報取扱事業者は、法令に基づく場合等一定の例外を除き、あらかじめ本人の同意を得ないで、要配慮個人情報を取得してはなりません。
具体例
(1)人種
「在日○○人」、「○○地区・○○部落出身」、「日系○世」などの人種や民族・種族に関する情報
(2)信条
信仰する宗教、政治的・倫理的な思想など
(3)社会的身分
「非嫡出子(法律上で婚姻関係を結んでいない男女の間に生まれた子供)」や「被差別部落の出身」など
(4)病歴
「うつ病で通院していた」「癌になった」など。
(5)犯罪の経歴
前科や刑務所に収容された事実など
(6)犯罪により害を被った事実
「詐欺被害に遭った」「婦女暴行の被害者だった」など
(7)身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の個人情報保護委員会規則で定める心身の機能の障害があること
(8)本人に対して医師その他医療に関連する職務に従事する者(次号において「医師等」という)により行われた疾病の予防及び早期発見のための健康診断その他の検査(同号において「健康診断等」という)の結果
(9)健康診断の結果に基づき、又は疾病、負傷その他の心身の変化を理由として、本人に対して医師等により心身の状態の改善のための指導又は診療若しくは調剤が行われたこと
これらの個人情報に配慮することでその人が自由に生きたり、幸福を追求したりする権利を侵害しないようにすることが目的です。
経営者や総務など、社員の個人情報を取り扱う者は、これらの情報を業務上必要な場合に個人から取得することがありますが、当人に対し機密の保持を約束すると共に情報の漏洩を防ぐ必要があります。
採用!採用!採用!
そこを考えるのがマーケティングです。
緊急事態宣言下ですがゴルゴMG開催しました
1/20~21に10名の参加者でゴルゴMGを開催させていただきました。
・マスク着用
・1ゲームごとに手洗い、消毒
・換気の実施
・夜8時までに終了し、懇親会は開催しない
以上の対策を講じた上で予定通り研修を行わせて頂きました。
もちろん、参加者の皆様も十分にご理解を頂いており、ご協力頂けました。
最優秀経営者賞は経験期数85期の鈴木さんでした。
強豪企業が集まるA卓の中で、あえて少ない青チップでの戦略を実行されました。
MGでは特にですが、比較優位な戦略は誰でも真似することが可能ですので、一見不利な戦略に見えても真似されにくいやり方の方が有利になるということがあります。
こうした逆転の発想ができるというのもMGの面白いところですね。
中小企業の人材獲得戦略
常識をアップデートするスピードは人それぞれ。
例えば、MGで海外市場の16円の材料に手を出すことに躊躇する人は案外多い。東京市場の15円と1円しか違わないにも関わらずだ。
そのスキに、分かっている経験者はまんまと材料を買い占めてしまう。
開業当初の私も、メリットの大きな助成金の成功報酬を常識外れの30%(当時の助成金の報酬の相場は10~20%)で事業化し、数年間、県内の予算の9割以上を受注していたことがある。最初はどう思われるかとビクビクしながら提案したが、相手にとってはメリットの方が大きかったため、誰一人断る人はいなかった。もちろん私も潤った。
そういう点では、今、中小企業にとって最も深刻な課題である人材獲得競争についても常識のアップデートが必要だと思う。
大企業と同じ土俵で戦えないのは明らかなのだから、人材獲得においても中小企業は接近戦、ゲリラ戦で戦うしかない。要するに縁故採用。リファーラル求人なら中小企業にも勝ち目はある。
社員に対して人材紹介の奨励金を支給する会社はよくあるが、奨励金の相場はわずか数万円。これでは社員も本気になって友達や後輩に声を掛けようとは思わないのではなかろうか。
求人媒体に何十万、いや年間100万以上の投資をしている会社も少なくはないはず。
通常のMGの採用費は5円だが、私の主催しているCFMG(キャッシュフローマネジメントゲーム)の採用費は15円と3倍に設定してある。それでも背に腹は代えられず、ほとんどのプレイヤーは大枚はたいて人材を採用する。人材のコマの総数も少子化時代に合わせて減らしてあるのでむしろ取り合いだ。
中小企業にとって社員からの人材紹介は最強の最終手段なのだから、当てにならない媒体に払う予算があるならば、もっと社員への奨励金を手厚くしたり、学生と社会人の交流の場を作るなどしてリファーラル採用に本腰を入れてみてはどうかと思う。
当然のことながら、常識のアップデートには先行者利益があるはずだ。
今後のCFMGの予定
2020/2/23-24
2020/5/5-6
2020/7/11-12
「会社側の」面接
労働市場は大きく「売り手市場=応募者が優位にたつ状態」に舵を切っています。採用コストは今後ますます上がっていく事が予想されます。
そんな状況下では、せっかく面接の約束を取り付けた応募者にはいい印象を持ってもらう必要があります。最近では、面接官の態度や雰囲気で入社を決める事もあるようです。
会社側の面接マナーとはどのようなものでしょうか、整理してみましょう。
1 心構え
まず、応募者と面接官の、立場は対等なものであることを意識しましょう。
必要以上に横柄になってもダメですし、極端にへりくだるのもよくありません。そして、候補者には誠実、公平に接し、たとえ「全然ダメな候補者」が応募してきても丁寧に対応しましょう。
2 注意点
・威圧感や緊張感を与えても、企業イメージを損ねるだけです。ストレス耐性をチェックするにしても、過去のストレスに対する対処法を聞くなどの方法が良いでしょう。
・面接官に先入観と固定観念があると、こちらの主張ばかりを言ってしまいます。できるだけ相手の話を引き出し、傾聴するようにしましょう。
・説教はしないようにしましょう。
・プライバシーや基本的人権に関わる質問はしないようにしましょう。
【質問すべきでない事項】
・本人の本籍地、出生地、生い立ち等
・家族の職業、勤務先、収入、地位、学歴、人柄、続柄等
・家庭の資産状況、住居状況、家の所在地や環境等
・思想、信条、宗教、支持政党、尊敬する人物、愛読書(新聞、雑誌等含む)
・障害者差別、性差別、部落差別、外国人差別につながるもの
・本人の容姿、スタイル、服装
・その他面接とは明らかに関係のない私的な事項
能力不足の社員を辞めさせることはできるか?
経営者・マネージャーの目から見て能力の低い社員がいたとしても、一旦雇用した従業員を簡単に辞めさせることはできません。
日本の労働基準法その他判例では解雇に対して大変高いハードルがあり、「あれこれ手を尽くしたけれど、解雇以外の方法がない」という場合でなければ解雇は認められない事情があるからです。
さらにその解雇が合理的だったとしても、30日以上前の予告または解雇予告手当が必要であるなどの付随する企業負担があるため、「解雇はできるだけ避けたほうがよい」という意識を持った方がよいと考えます。
この前提を踏まえた上で、能力不足社員をやめさせたい場合、実務的には最低限、次のステップを踏むことが必要です。
「就業規則の解雇の事由」に、能力不足についての解雇が記載されていること能力向上のために、そのような教育的指導を複数回にわたって行ったこと配置転換、出向等を何度か行い、本人に見合った職種に就かせるよう努力したこと降格、減給などの措置を並行して、退職勧奨を行ない、状況に応じて退職加算金も考慮すること指導実績や配置転換措置などに関する事実(企業の解雇回避努力)を文書で記録・保管しておくこと
能力不足が採用後に発覚した場合、このように膨大な労力がかかります。ということは、採用時にできるだけ能力不足を見抜く必要があると言えます。能力不足を見抜くためには、「自社にとって必要不可欠な能力は何か、どのようにその能力を測ることができるか」を採用時に定義し、採用活動に当たることが必要でしょう。
募集時に性別を限定しても良いか?
美容室などでは、男性美容師を嫌がるお客様のために女性のみを募集したいというところもあるでしょう。
現在、男女雇用機会均等法は,「法の下の平等を保障する日本国憲法 の理念にのっとり雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図る」こと等を趣旨とし(1条),第5条(性別を理由とする差別の禁止)で,「事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。 」と規定しています。これは,採用について男性のみに限定する場合にのみならず,女性に限定することをも禁止しているものです。
募集または採用に当たって,男女のいずれかを表す職種の名称を用い,または「男性歓迎」,「女性向きの職種」等の表示を行うことも禁止されています(平成18年10月11日厚生労働省告示614号)。ただし,芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請から男女のいずれかのみに従事させることが必要な職務等(俳優など)については,その募集または採用に当たって性別により異なる措置を講じたとしても,男女雇用機会均等法違反にはならないケースもあるようです(上記告示)。また,防犯のための守衛・警備員を男性に限定して募集するのは差し支えないとされています(上記告示)。
上記の観点で言うと「男性美容師が嫌な人のために」女性のみを募集するというのは,男女雇用機会均等法の趣旨からは合理的な理由があるとはされないでしょう。ただ、男女雇用機会均等法では法5条に違反しても罰則はありません。
どうしても女性に多く応募してもらいたいのであれば、応募条件に性別を入れず、店のPRで「女性スタッフのみのお店です」としてみていかがでしょうか。
経歴詐称について
中途採用において、採用されたい一心で応募者が経歴を詐称していた、というケースは少なからずあるようです。早めの段階で見抜くことができればよいですが、採用してしばらく経ってから発覚した場合のダメージは少なくありません。
応募者に求められる姿勢
労働契約は、入社してから退職するまでの長い期間にわたり継続しますから、会社と社員との間には信頼関係があることが前提です。このことから、応募する側は、労働契約を結ぶ際には信義則上真実を伝える義務を負っていると考えられます。
採用する側ができる予防策
各種資料や面接での質問を組み合わせながら、応募書類だけに頼らない選考を行いましょう。例えば、学歴が給与の査定において重要視されるのであれば、卒業証明書等を事前に用意するよう応募者へ伝えることができます。職務上の地位(管理職経験の有無等)については、前職の退職証明書を用意させたうえで、業務上の経験を詳しく質問することで、自ずとその人物について判断できるでしょう。
賞罰欄については、詐称があると会社にも大きな影響が出かねません。面接の際、「賞罰欄には何も書いてありませんが、前科等は特にありませんか」等の質問により、相手の発言を促す、自社の応募フォームで、「賞罰等」がない場合は「ない」と記入させる等も有効な方法です。
経歴詐称に対する対応策
入社前に発覚したのであれば、経歴詐称があっても採用を断れば事足ります。
内定後、入社後に経歴詐称が発覚した場合には解雇できるとは限りません。業務や給与体系との関連性で重大な経歴詐称(もし真実の経歴を伝えていたら、会社側としては採用しなかったといえるくらい重大な詐称)に当たるかどうか、個別に判断されます。
内定前、入社前の段階で、経歴詐称を見抜き、採用を防止するのが最善な手段といえるでしょう。
採用面接時に聞いてはいけないこと
会社が従業員に健康で長く勤めてもらいたいと考えるのは当然であり、応募者の健康状態は採用時に確認しておきたいことの1つです。近年では、うつ病等のメンタル不調による長期休職や頻繁に欠勤を繰り返す等、思うように勤務できないケースも増えてきていますので、ますます関心が高まるところでしょう。
健康状態や病歴は聞いても良い
結論から述べると、応募者に健康状態や病歴について聞くことは、違法ではありません。職業安定法第5条4では「社員を募集するにあたって、業務の目的の達成に必要な範囲内で個人情報を収集することができる」と定めてあり、健康状態も必要な情報の一部とされます。
個人情報保護法との関係
応募者に健康状態を聞く事は個人情報保護法という法律に抵触しそうでが、これは収集した個人情報を「どのように管理するか」を制限する法律で、情報を収集する行為に制約をつけるものではありません。ただし、「プライバシーだから答えたくない」という回答や書面に記入してもらえなかった場合、「記入しないと不採用にするぞ」といった回答を強制する発言や行為はトラブル防止の観点から避けた方が賢明です。
メンタル面での病歴について
メンタル面での病歴は、慎重な聞き方をする必要があります。通常の健康診断結果だけではメンタル面の不調を読み取ることは難しいので、過去数年の間に通院したことがあるか、ある場合には疾病名を記入してもらう等、補助的な確認書類の提出を求めて把握しましょう。
応募者の健康状態を聞く事は心理的に抵抗があるかもしれませんが、聞くことそのものは違法でないので、その結果も踏まえたうえで会社にとって求める人材を採用しましょう。
上長の指示に従わない社員への対応
上司からの指示に従わない社員に対する対処の仕方
上司からの業務指示に従わない社員がいた場合、会社はどのように対応すればよいでしょうか。
この問題については、以下の3つのポイントに注意しましょう。
1、業務指示の妥当性を確認する
まずはその業務指示の内容および方法が、社会の一般常識から考えて妥当なものであるかを確認しましょう。大声をあげたり暴力を伴ったりすると業務指示というよりパワハラとみなされてしまう可能性が高くなりますし、指示の「発信者」と「受け手」が噛み合っていない場合(割り当てられていない仕事に対する指示や、本来の命令系統と違うボスからの指示の場合など)も妥当性が問題になってくるでしょう。
2、業務指示をした記録、および業務指示を聞くように指導したという記録を残す
業務指示が妥当なものであると会社が判断した場合、その指示を「いつ、だれが、誰に対して、なんのために」行ったかをメモや日報などに記録しておきましょう。同時に、業務の指示に従わない社員からも「始末書」を書かせる等の方法で「業務指示をまもらないことについて指導をしたという実績」を記録しておきましょう。
3、段階的にペナルティを与えていくか、異動を検討する
最初は始末書などの軽いペナルティーですが、何度も業務指示を守らない場合はペナルティの度合いを強めていくことも検討しましょう。もしくは、そもそも合わない上司と部下を引き話すために異動を考えてもよいかもしれません。
指示に従わないからと言ってすぐに解雇をしたり左遷したりするのは乱暴で、後々のトラブルにつながりますから、上記のポイントを参考にしながら慎重に進めてください。
無断欠勤!無断遅刻!
社員が無断で遅刻したり、欠勤したりする場合、会社はどのように対処すればよいでしょうか。
前提:遅刻欠勤は労働契約上の違反
無断で遅刻したり欠勤したりということは、労働契約上の労働者としての義務を果たしていない、つまり債務不履行をしていることになります。労働者は会社に対して「決められた条件で働く」という義務を負っていますし、会社は労働者に対して「決められた賃金を支払う」義務があります。
ポイント1 事実と理由の確認
まずは無断遅刻・欠勤の事実があったか、ならびにその理由を確認しましょう。遅刻または欠勤の連絡が誰に対してもなかったのか、連絡すべき相手にしていなかったが何らかの連絡をしているのかを事実確認してください。
また、理由が止むを得ない理由であるかどうか、本人から申し開きの機会を与えるとよいでしょう。
ポイント2 遅刻・欠勤に対するルール確認
会社としてのルールがあいまいで「なあなあ」になっていないかを確認してください。
実態として遅刻欠勤に対する罰がなされていない場合や、人によって罰を与えたり与えなかったりという場合であれば、会社としても無断遅刻や無断欠勤を咎める根拠が弱くなります。
遅刻や欠勤については始業時刻の○分前までに電話(またはメール)で××課長に連絡をいれること、などのルールを決め、就業規則などに明記してください。
ポイント3 賃金の減額
約束の時間を働いていないことにより、その時間分の賃金を差し引くことは、原則としては「ノーワーク・ノーペイ」のルールにより可能です。そのほか罰を与えたい場合は、就業規則などにペナルティについて規定し、指導目的で懲戒処分を検討してください。
試用期間に問題社員を解雇する場合
多くの会社では、本採用前に試用期間を設けています。試用期間は文字通り「試しに使用する」期間ですから、その間に会社への適性や能力、健康状態などをみるために設けられます。
では、その「試しの使用期間」内に能力が足りない、意欲が足りない、会社の文化や習慣と合わなさそうだ、などが分かった場合、会社は自由に解雇ができるでしょうか。
答えは「No」で、会社が自由に解雇できると考えるのは間違いです。ただし、自社の社員としてふさわしくないと判断された場合は、本採用後よりは解雇が認められやすい(裁量の範囲は広い)傾向はあります。
法的には、試用期間中は「解雇権を一定程度留保した雇用契約が成立している」状態となります。適性がなかった場合解雇の可能性があることを示唆している状態ですから、試用期間中の解雇は通常の解雇よりも自由度が比較的高いと言えるでしょう。
だからといって「反抗的だ」とか「ただ単に気に入らない」などの理由で解雇できるものではありません。労使トラブルを防ぐためには以下の点に注意して運用するとよいでしょう。
1、試用期間であることを明言し、雇用契約書などにも明記しておく
2、本採用するか否かの判断基準をできるだけ明確に示しておく(本採用の筆記試験で合格すること、パソコンスキルチェックのための社内テストに合格することなど、合否が判定しやすい条件が望ましい)
3、特に雇入れ14日以内に適性を細かく見ること
上記の3について、試みの期間中であり、且つ採用から14日以内の人を解雇する場合、「解雇予告(30日以上前に解雇を予告すること)が不要となります。逆に言うと14日経過後は、たとえ試用期間であっても解雇の予告が必要になります。
始末書の取扱い
社員がミスをして会社に何らかの損害を与えた場合、ペナルティー(懲戒)の一環として始末書を提出させることがあります。
この始末書の意義と、作成のポイントについて考えてみましょう。
始末書の意義
始末書は、本人に自らの態度を振り返り「勤務態度を改善して欲しい」がために書いてもらうものですが、「正当な懲戒処分であるという証拠」という意味も持ちます。
遅刻や欠勤など度重なる事実があったとしても、それがどの程度あったのか?本人はどのように反省しているのか?会社としては改善のために手を尽しているのか?そうした客観的な証拠、記録をする点で意義があります。
作成のポイント
前述の意義から考えると、作成を促す際には以下のポイントに注意しましょう。
・ミスの具体的事実が書かれてあること(5W1H=誰が、いつ、どこで、何を、どんなふうに、なぜ起きたかが明らかになっていること)
・改善策、再発防止のアイデアが具体的に書かれていること(例えば遅刻が多いというミスの場合、通勤電車の乗車時間を15分早めるなど)
・再発防止のアイデアについて、直属の上司のアドバイスを受けること(再発防止の方法について、上司とも話し合ったという状態を作り、改善に巻き込む)
始末書の保管方法
始末書は人事関連の書類、特に当人の履歴書や労働者名簿などの属人情報と一緒に、あるいは人事考課関係の書類と一緒に保管しておくとよいでしょう。
始末書はあくまでも同じミスを繰り返させないために書かせるものですから、会社はその意義をしっかり伝えていくことが肝心です。
数学の勉強の仕方
子供から数学の問題を教えてと言われました。
ただの連立方程式です。
見ると小さなB5の方眼ノートに鉛筆で計算してあります。
私は無意識に仕事場にあるA4のコピー用紙を取り、ボールペンで計算してゆきます。
大抵の場合、問題の内容以前に道具とか環境のチョイスで間違っていることが多いものです。
数学の計算なんて、大事にノートに書いて保存したところで、後から見ることは殆どありません。白紙でも十分。
それよりも大き目の紙で一覧性があった方がいいと思うのです。
鉛筆よりもボールペンで間違えないように書くことが大事だし、一か所くらい間違えても二重線で消せばいいのですから。
・・・と、今だから当たり前のことに気付けるわけですが、私も子供の頃は気付いてなかったし、計算間違いもよくしていたので、大きなことは言えません。
社内教育の在り方について
同業での事務経験のある方を最近雇用したのですが、ウチの方が「仕事がやりやすい」と言ってもらえました。
話を聞いてみると、どうやら同じ社労士事務所でも事務員さんが求められることには結構差があることが分かってきました。
うちの場合は「どうするか」をあまり教えず、「どう考えるか」を教える傾向が強いようです。
例えば電話の出方を「◯◯と言って出なさい」と指示するのと、「電話してくる相手はこういう方で、その人は当事務所にこういう用件があり、当事務所のことをこういう風に思ってくれている人です。その相手に対して窓口であるあなたはどういう電話の出方をするのが一番良いと思いますか?」と言って考えてもらうのとの違いです。
雇う側からすれば、この方が長い目で見て効率がいいからそうしているのですが、働く側からしても、正しい考え方を身に付けて自分で判断できるようになって仕事をする方が気持ちがいいとのことです。
以前の職場では、常に目の前の生産性を求められ、分からないことは先生が代わりにやるから分かることだけやって頂戴!という感じだったそうです。
目の前の生産性を取るか?
長い目で見た生産性を取るか?
長く勤めてくれると信じることができれば、後者の方がメリットが大きい気がします。
内定辞退者への損害賠償請求
内定辞退は会社にとって困ったことですが、内定辞退について学生に損害賠償請求ができるかというと、厳しいのが実情です。
内定は「解約権を留保した始期付雇用契約」という法的な性格があります。
入社日(例えば4月1日)から働くという『始期』と、従業員として不適格であると入社日前に分かった場合には、会社が内定を取り消すことができる『解約権』が含まれています。つまり内定は、期限や会社の解約権などの条件が付いた雇用契約であると言われています。
したがって内定辞退についても普通の雇用契約の対象と同じように考えることができます。
雇用契約終了は2週間前に言えばよい
契約期間が決まっていない労働契約では、2週間前に会社を辞めることを伝えれば、会社を辞めることができます。
従って、内定した場合でも、学生は入社の2週間に入社を辞めることを会社に伝えれば入社を取りやめることができます。この場合、学生の会社に対する損害賠償は発生しないでしょう。逆に2週間前という期限を守らず、突然内定を辞退して、会社に損害を与えてしまった場合、会社に対して損害賠償を支払わなければならない可能性があります。ただ、まだ働いていない入社前の学生が内定を辞退したからといって、すぐに会社に大きな損害が出る可能性は低いです。なので、学生に対して損害賠償が命じられることは珍しいと考えられます。
学生が入社直前に内定を辞退したとしても、会社に損害賠償しなければならない場合は珍しいですが、社会の常識からいって、できるだけ早く会社に辞退の旨を伝えるにこしたことはないでしょう。
会社が負担した外部研修費用の返還請求
研修費用(資格取得費用や、留学などの費用)を会社が負担した社員が、業績などで会社に貢献する前に自己都合で退職した場合、会社側としてはその費用を返還してほしいところです。この返還請求の法的な正当性は、研修費用の定義によって異なります。
(1)「研修など受講後○年以内に辞めた場合は返還せよ」は違法
この場合は労働基準法における強制労働に該当するというのが一般的な見解です。この定義によると、定められた期間は自由に辞めにくいため、結果的には強制労働を強いているに等しいということになってしまうわけです。
(2)・研修への参加は自由意志(不参加を不利益取り扱いしない)
・研修費用は本人の希望に基づき受講費用を貸し付ける制度がある
・研修終了後、一定期間勤務によって返済を免除(あるいは返済額相当を給与に上乗せ)
とした場合は概ね合法
この場合、当事者の自由な意思により「研修費用の貸し借りをした」に過ぎないため、不当に社員を拘束するものではないとされます。
ポイントは、「研修への参加並びに受講費用の借受けに自由意思があること」です。
研修費用の貸付についてはきちんと契約書を取り交わすなどの書類整備も必要でしょう。「参加自由の研修について本人が希望して受講した」「研修費用を貸し付ける社内制度があるが、それを借りるかどうかは本人の自由」という仕組みであることがわかるような書類の整備を専門家に意見を聞きながら進めてください。
採用選考時に病歴を尋ねてもよいか
採用で労働力の提供を受ける以上、応募者の健康状態は会社側にとって重大な関心ごとです。
健康状態や通院歴を尋ねることはプライバシーの観点から気が引けることもあります。
しかし、そもそも会社は「健康に働けること」を前提にして雇い入れ時の賃金を設定しているはずですから、本来は会社が「健康な人を雇う」という条件を付することには何ら問題ないはずです。
例えば、日本との寒暖差が激しい海外での勤務が想定される場合には、それなりの体力と健康状態が求められるでしょうし、車を運転する業務であれば、発作を発症する病気を持っている場合は勤務にふさわしいとは言えないでしょう。
つまり、自社で求める働き方にふさわしい健康状態であるか否かは選考の際に確認しても原則としては問題になりません。
ただし、メンタル面での病歴については慎重な聞き方をする必要があります。健康診断結果だけではメンタル面の不調は必ずしもわかりませんので、「過去○年間に通院したことがありますか?ある場合は疾病名を記入してください」など補助的な確認書類の提出を求めて、精神疾患も含めた過去の病歴を確認してはいかがでしょうか。
ちなみに、職業安定法第5条4では、「社員を募集するにあたって、業務の目的の達成に必要な範囲内で個人情報を収集することができる」と定めてあり、健康状態も必要な情報の一部と解されます。
また、個人情報保護法は、収集した個人情報を「どのように管理するか」を制限する法律ですので、情報を収集する行為に対する制約をつけるものではありません。
就職差別にならないように気を付けつつ、会社が求める健康状態に適う人材採用をしましょう。
学生をアルバイトに雇う時の注意点
20歳未満では、未成年ということで両親や行政が関係する部分もあり、年齢区分ごとに(高校生と大学生の年齢による区分)特別の規制がありあす。
高校生ですと18歳未満で年少者となり、大学生は、20歳未満者で未成年者となります。
高校生のアルバイトについての制限:
高校生のアルバイトでは、
1、年少者の「年齢証明」の備付義務があります。
2、残業(時間外・休日労働)、深夜業(午後10時~翌朝5時)をさせることが原則としてできません。
3、一定の危険有害業務(重量物や安全・衛生上危険な業務)をさせることができません。
労働社会保険について:
また、学生の雇用保険と社会保険についてですが、「学生で、親の扶養に入っているのだからいずれも入らなくてよい」という訳ではありません。
学生アルバイトでも下記の条件を満たしていたら保険加入となります。
・雇用保険
夜間学生で、週20時間以上、31日以上の雇用見込みがある場合は加入します。
※ただし、昼間学生は、原則対象外となります。
・社会保険
通常勤務する正社員の労働時間、労働日数の4分の3を超えていること。
扶養家族の認定基準は収130万円未満なので、その金額を超えていること。
以上の場合は社会保険に加入しなければなりません。
・労災保険
また、学生アルバイトでも労災保険の対象になります。労災保険は保険料の個人負担はありませんが、労働保険年同更新時の労災賃金総額に学生アルバイトの賃金も加える必要があります。
目的ある「OJT」の設計
【目に見えにくい教育コスト】
OJTとは「On The Job Training=仕事を進めながら上司が部下に行う教育」を指します。日本では、先輩が後輩に教える文化が自然に組織に浸透していることが多く、OJTには費用が掛からないと思われがちです。
しかし実際には、教育担当者が自らの作業を止めて教えている時間には「生産性のロス」という「教育コスト」がかかっていることになりますので、注意が必要です。
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例えば、1時間で60個の製品を作る作業の場合、細切れの教育時間の累計が1時間あたり10分であったとすると、指導担当者個人の1時間当たりの生産量は50個に減少し、生産性が16.6%低下しているという見方もできます。
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目的のないOJTは、コストの存在を意識せずに行っている点で問題があることがわかります。
【目的あるOJTの設計方法】
では、効果的なOJTの設計はどのように行えば良いのでしょうか。設計のポイントとして次の3つが挙げられます。
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1. マニュアル化
2. 教育担当者の指導方法の標準化
3. 共有
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1. マニュアル化
マニュアル作成は、教育時間の短縮という効果だけでなく、OJTの目的の明確化にも繋がります。
<マニュアル作成の例>
- OJT中に頻繁に出る疑問・質問をあらかじめ集計し、回答を一覧表にしておく
- 作業工程をフロー図にする ミス防止のチェックシートを作る
- 電話応対のトークスクリプトを作成しておく
「マニュアルに書かれた事項の習得」が、「OJTの目標作業レベル到達」に近くになるように、OJTとリンクしたマニュアル設計が重要です。
2. 教育担当者の指導方法の標準化
教育担当者が複数人いる場合、その指導方法や作業の評価方法を標準化し、人によって教え方にばらつきがないような仕組み作りをします。
<教育担当者の指導方法の標準化の例>
- OJT教育担当者向けの教育マニュアルを作成する
- 教育担当者をローテーションさせ、特定の上司の指導のクセがつかないようにする
もちろん個体差を無視して指導の全てを均一にすることが最善とは限らないため、標準化の対象となる事柄をあらかじめ検討するようにしましょう。
3. 共有
さらには、OJTを通じて学んだことを共有する機会を設けることが重要です。共有の場は、「習得レベルの差を縮めること」、「お互いに教え合う風土を作ること」を目的としています。
「パワハラ」と「熱血指導」の境界線とは
【パワハラの定義】
パワハラの定義厚生労働省は、職場のパワーハラスメントを以下のとおり定義付けています。
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同じ職場で働く者に対し、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、
業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為
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優位性とは職場における役職の上下関係のことではなく、当人の作業環境における立場や能力のことです。つまり、部下や同僚であっても相手に対して何らかの優位性を持っていると客観的に認められる場合は、パワハラの行為者・加害者になり得るのです。
[パワハラ行為の具体例]
(1)身体的な攻撃(暴行・傷害)
(2)精神的な攻撃(脅迫・暴言等)
(3)人間関係からの切り離し(隔離・仲間外れ・無視)
(4)過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可 能なことの強制、仕事の妨害)
(5)過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
(6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)など
この定義によると、パワハラを巡る労働問題は、特に以下の2つが重要な争点となります。
1. 争点とすべき事実の有無と程度
2. 業務の適正な範囲を超えているか否か
「パワハラ」と「熱血指導」の境界線過去に、「お前はバカか」「給料泥棒」「目障りだ」などの上司の暴言を要因とした労働者の自殺が、パワハラとして労災認定されたケースがありました。しかし、だからといって「暴言は一切してはいけない」ということなのでしょうか。異なるシチュエーションにおける比較をしてみましょう。
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【ケース ①】
昼休み明けの5分の遅刻昼休みから帰ってくるのが5分遅れたということで、
「お前はバカか!」と上司が執拗に叱責した。
【ケース ②】
重要な商談への5分の遅刻重要な取引先との商談に5分遅れたということで、
「お前はバカか!」と上司が執拗に叱責した。
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上記のケースはいずれも「ささいな遅刻」という労働者の行為に対する暴言ですが、その業務上の重要度に差があります。仮に裁判でパワハラ行為について争うことになった場合、ケース①よりもケース②のほうが上司の暴言に業務上の合理性があると見なされると予想できます(もちろん暴言そのものが肯定されるという意味ではありません)。
つまり、言葉の内容よりも状況が大切だということです。
近年は、「パワハラ行為だと糾弾されることを恐れるあまり、消極的で実のない指導しかできない」という現場の上司の声もあります。パワハラ問題は、どちらかに偏ることなく、状況を踏まえたバランスある判断をすることが必要です。
人材の選び方
●ジャック・ウェルチの人材観
価値観が悪い | ||
価値観が良い |
その人の能力が高いことが会社の益になるのは、価値観(心)がきちんとできている場合に限られます。価値観が会社に合っていない場合には、その人の能力が高ければ高いほど会社に及ぼす害が大きくなるだけです。
●稲森和夫の成果の方程式
成果=考え方(▲100~100)×熱意(0~100)×能力(0~100)
例えば、考え方が100で熱意と能力が100なら、最高の成果となります。
これに対し、同じ熱意と能力の持ち主でも、考え方が▲100(マイナス100)の人では、最悪の結果が待っています。
例えば、同じように現場を統括している有能なナンバー2でも、考え方が100というのは、その会社を発展させるために全力を尽くしてくれる後継者候補であり、考え方が▲100というのは、その会社を乗っ取ろうとする人のことです。
熱意や能力は育てて伸ばすことが可能ですが、考え方(価値観)は変えられません。
考え方が社長と一致しないような人材は、有能であればあるほど、会社に害を及ぼします。
人事(採用~昇進~退職)を考える時、常にこのような人材の特質を考慮して行う必要が有ります。
部下としては有能な人材でも、絶対に管理職にしてはいけないタイプの人材がいます。逆に、最初は能力が低かった人材でも、そういう人が努力して育った場合には、会社の屋台骨を支えることができる貴重な戦力になる場合が少なくありません。
人材を選ぶとき、その人の行動(熱意や能力)を見るべきか、それともその人の価値観(心)を見るべきか、もうお解り頂けると思います。
採用に役立つ適性診断を活用していますか?
人員を採用してしまってから、後悔したことはありませんか?
面接だけでその人の隠れた問題点まで見抜けるとは限りません。
TA(交流分析)の手法を用いた性格診断テストの導入をお勧めいたします。
会社にとって本当にいい人だけを確実に選考することができたらどんなに経営効率が上がるでしょう?
TA(交流分析)では、わずか10分で答えられる4択式の問題をやってもらうだけで、その人の大まかな性格をタイプ分けすることができます。
例えば、
・職人さんに向いた人
・看護婦さんに向いた人
・営業マンに向いた人
・作業員に向いた人
・事務員に向いた人
・社長に向く人
人間の性格に優劣は存在しません。
ただ、職種によって向く人と向かない人があります。
人なつこくても、おっちょこちょいな人には看護婦さんは任せられません。
薬を間違えたりしたら患者さんの命に関わりますから。
でも、もしかしたらその人は優秀な営業マンになるかもしれません。
当事務所では、(株)ヒューマンスキル開発センターと提携し、ネットにつながるパソコンさえあれば、テスト~診断結果の受診までをほとんど一瞬でアウトプットできるIDとパスワードをお手頃な価格で販売しております。
採用に失敗した時のことを考えれば、ほとんど比較にならないわずかなコストで導入が可能です。
サンプルとして、所長の診断結果をご覧下さい。
ちなみに、このようなタイプは、新規事業の立ち上げや新規顧客の営業開拓には向いておりますが、組織の一員としてチームワークを重視して行動するのには適していないとのことです。
最初のひとりを雇う時
所長の木村もそうでしたが、最初のひとりを雇う時は悩みました。
何しろ、それまで一度も人を雇ったことが無いのですから。
最低賃金のパートさんでも、一日4時間でも、6万円くらいの給与は発生します。
それまでは、自分ひとりでやってきて、最初のうちは赤字で、最近ようやく赤字にならなくなった・・・という段階で雇用のタイミングがやってきます。
「このまま我慢して雇わなければ、稼ぎは全額自分で取れる」
という囁きが聞こえてきます。
「誰かを雇ってみたとして、もしも売上が伸びなかったら解雇しなくてはならなくなる。そんなカッコ悪いことしたくない・・・」
こんな囁きも聞こえます。
「雇ったとしても、最初のうちは仕事を教えなくてはならないので、却ってひとりでやってる時より忙しくなってしまう」
「雇ったとしても、本当にちゃんと働いてくれるのだろうか? ちっとも生産性が上がらなかったら丸損だ」
「自分と性格が合わなかったら余計なストレスを抱え込むことになるのではないか?」
ネガティブな声は尽きません。
でも、従業員はコストやリスク以外のことももたらします。
「信用」
「相談相手」
「第三者の目」
これらは従業員というマンパワーにくっついてくるオマケのようなものです。
目的はマンパワーなのかも知れませんが、ひとりの人間が事業に加わるということには色々なオマケも同時に手に入るのです。
人材がうまく稼働しはじめると、オマケの部分がとても効いてきます。
特に信用は、事業にレバレッジを効かせる効果があります。
私も最初は迷いましたが、今では従業員が居なければ会社は回らないことを理解しました。
あと、非常に重要なポイントとして、人にはそれぞれ特性があり、人間何かひとつは社長の持っていない能力を持っていたりするものです(例えばイラストが描けるとか、記憶力がいいとか、細かい文字でも苦にせず読めるとか・・・)。
組織の強みが会社を何倍もパワーアップしてくれることは珍しくありません。
最初のひとりを雇う時は、きっと迷われると思いますが、思い切って雇うことをオススメいたします。
最悪、経営が立ちゆかないとなれば、解雇も簡単にできます(そのへんはお任せください)。