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GOLGOのひとりごと

能力不足で社員をクビにできるか?

2018.08.20

日本の労働法は、戦後の「長期雇用」「年功序列」「家族主義」という会社組織における価値観の影響を多分に受けています。能力がないからといって簡単に解雇できないようになっています。

 

証拠を集める必要がある

従業員を能力不足により解雇しようとする場合、会社は

 

1、 従業員に労働契約の前提となる能力が不足していること

2、 能力不足がひどいので労働契約の目的を果たすことができないこと

3、 あるいは能力不足が著しく、社内の連携を乱すなどの事情があること

 

これらのことを説明できるだけの証拠を揃えなければなりません。前述したように、長期雇用を前提とした日本の価値観に基づくと、「能力がない社員に教育をし、教えて育てること」が求められます。

 

ただし、対象者の置かれている状況によっても違うでしょう。

例えば、学卒の若者の場合は、「最初のうちはある程度社会常識や能力が高くないことを予見できた」中で採用したわけですから、能力不足解雇は容易でないでしょう。逆に高い報酬で、高い能力を見込んで採用した中途社員であれば、能力不足を客観的に証明することもできやすいでしょう。

 

専門職社員などの場合も、その職務を遂行するために必要な一定の能力、経験、スキルが「最初の約束=雇用契約と比べて」明確に欠けている場合には、労働契約の債務不履行となり、能力不足による解雇が認められる可能性が高くなるでしょう。

 

能力不足で解雇をするならば、求めている能力が何なのかを客観的に証明できる(定量化できる)指標で示し、試用期間などを用いてパフォーマンスを計測するくらいの周到さが必要であると思ってください。

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