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GOLGOのひとりごと

10年後の仕事図鑑

2018.04.16

10年後の仕事図鑑

有名な人が書いている本なので、細かいことは紹介しなくていいだろう。

大事なのは何が書いてあるか?だ。

AIをはじめとするテクノロジーによって未来が劇的に変化するということが数年前から盛んに取り沙汰されるようになり、そうした社会の中で人はどう働くべきか? どう生きるべきか? ということが本書のテーマだ。その割にはいかにもありふれたタイトルで、内容の良さがちっとも伝わってこないのはとても残念。センスのない編集者だなあ。

子供が高校に進学し、大学の学費の心配をし始めたことも本書を手に取った理由のひとつ。

どんなことを学び、どんな職業選択をすべきか? 自分は見てのとおり随分と遠回りしてしまったが、これからの時代を生きる我が子たちにはより幸せな人生を歩んで欲しいと思っている。いわゆる「後悔しない意思決定」をさせてやりたい。

AI時代に向けて、彼らはどんな選択をすればいいのだろうか?

この本の中にはタイトルどおり、「淘汰される仕事」と「新たに生まれる仕事」も列挙されているから、それらを読んで想像を膨らませれば、ある程度のパターンは見えてくることだろう。
さらに、経済システムそのものの変化についても書かれている。実はここが肝心で、経済システムが変化すると、有利な生き方も変化する。

AI時代というのは結局、AIが人間の仕事を模倣する時代ということだ。苦労して身に着けた職人技も、AIに模倣されてしまったら100分の1のコストで代替されてしまう。AIに模倣されなくても他の人間が同じ技術を身につけたら価格競争になる。つまり、真似されにくくて価値のある仕事が有利なのだ。

著者のひとり・ホリエモンは言う。
「好きを極めろ」と。
「趣味に没頭せよ」と。
今有名になっている(もちろんお金もたくさん稼いでいる)ユーチューバーたちの多くは損得勘定を考えずに配信を始めた人たちだ。いやむしろ、損得勘定なんかやっている人はユーチューバーにはなれまい。ひたすら好きなことを損得勘定抜きでやり続け、世の中の人々から面白がってもらえるレベルに達した人だけが価値を持つ時代が来る。
逆に言えば、衣食住などの生きる上で最低限必要なことのためにあくせく働かなくて済む時代がすぐ目の前にやってきているということだ。

ちなみに私の大学時代の先輩もそういう人だった。学生の頃から競馬が好きで、親からの仕送りを全額握り締めて競馬場に通い、学生ローンで借金してまで競馬にハマっていた。その後、私が就職した出版社の競馬雑誌に彼を紹介したところ、彼はライターとして徐々に人気を博し、やがて人から勧められてダイヤルQ2で競馬の予想を販売するようになった。それまでは借金を抱えてヒーヒー言っていた人が、いきなり月収100万円を超えるようになった。(もちろん競馬でも稼いでいたと思うが、テラ銭30%のJRAで勝ち続けるのは容易ではないだろう)。
これなども好きを極めた結果、それで喰えるようになってしまった好例だと思う。

これからの時代、生きていけるのは当たり前で、問題はそこから先、いかに有意義な人生を生きられるか? いかに楽しい人生を生きられるか? に問題はシフトしている。

このあたりは以前に紹介した「お金2.0」も合わせて読むといいと思う。

そして歴史を振り返ってみればいい。
なぜ現代人は毎日自分の食物を自分で育てなくて済むようになったのか?
なぜ現代人は自分で作り方すら分からないような複雑な製品に囲まれて生活できているのか?
すべては分業と経済システムのおかげだ。

それらが新たなテクノロジーによってもう一次元進歩しようとしている。
3次元の世界から2次元を考えることは容易だが、その逆は難しい。

少子化も長寿化も怖くない!(テクノロジーがすべて解決してくれる)

怖いのは過去に起こったことがこれからも起こり続けるという根拠のない思い込みだ。

とっくに存在意義を失った大学に莫大な学費を払い、貴重な10代の時間を受験に捧げ、インターネットやeラーニングでも学べる大学の授業を受けたり、試験の時だけコピーを回して単位を取ったり。そして就活という茶番を経て大企業に入ったところで、やりたい仕事ができる保証もないし、会社が未来永劫存続する保証もない。

そもそも大学は就職予備校ではない。学問を研究をする場所なのだ。誰も答えを知らない問題について考え、仮説の正しさを検証し、世に問う人々のためにある。落合陽一の言葉を借りれば教科書を書くのが学問、教科書を読むのが勉強。それは医学部とて同じのはずで、医者になりたい人間と医学を研究する人間をごっちゃにすべきではないと思う。

修士論文の代わりに退学願を提出してきた

「修士論文の代わりに退学願を提出してきた」を参照してるエントリ

正直、落合陽一くらい努力して本流の研究者を目指すのであれば別だが、そこまで行けない一般ピープルはワークアズライフならぬワークアズラーン(Work as learn)で行くしかないだろう。
親の金で大学行っても勉強する気にならないという意見が上記のリンクにも書かれていて、なるほどと思うし、オワコンの大学に行くくらいなら、まず社会に出て働いたり起業したりしてお金も稼いで、その後からでもMBAや本当に学びたいことが見つかってから大学に行ったって遅くはない。
もちろん、学校に行かなくても仕事を続けながら学ぶこともできるし、職業人が一生学び続ける時代はすでに始まっている。

この本の中に目指すべき方向は大体書いてあるが、問題はそれを選択することに勇気が必要なことだ。だが、その状況はその人にとって有利だ。多くの勇気の無い人が損な選択をしてくれるせいで、勇気ある一部のアーリーアダプターの希少価値が更に増す。

人の行く裏に道あり花の山。

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