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GOLGOのひとりごと

経営者らしいものの考え方【比較優位】

2012.11.15

なかなか職人から経営者に移行できない人に私はこの話をします。

例えば建設士のAさんは1時間に設計図を4枚書くことができ、データ打ち込みを1時間に2件こなします。
同じく建設士のBさんは、1時間に設計図を1枚書くことができ、データ打ち込みを1時間に1件こなします。
AさんもBさんも1日に8時間しか働けないとしたら、AさんとBさんがふたりで一緒に働く場合と、別々に働く場合とどちらが儲かるでしょうか?
仮にAさんが8時間のうち4時間で設計図を書いたとすると設計図は16枚書ける。残りの4時間でデータ打ち込みをしたとすると8件分になる。
Bさんも4時間で設計図を4枚書き、残りの4時間でデータ打ち込みを4件分したとします。
この時、ふたりが話し合ってAさんがBさんの分の設計図を1時間で4枚書き、Bさんは余った4時間でデータ打ち込みをもう4件分したとします。
(最初)
Aさん 設計図16枚 データ打ち込み8件
Bさん 設計図 4枚 データ打ち込み4件
     合計20枚      合計12件
(話合い後)
Aさん 設計図20枚 データ打ち込み6件
Bさん 設計図 0枚 データ打ち込み8件
     合計20枚      合計14件
ここで、AさんはBさんに設計図4枚を渡し、BさんはAさんにデータ打ち込み3件を渡すとします。
Aさん 設計図16枚 データ打ち込み9件
Bさん 設計図 4枚 データ打ち込み5件
最初の状態と較べてみてください。
AさんもBさんも設計図の生産量は減っていませんが、データ打ち込みの件数が増えました。
このような状態を、Bさんはデータ打ち込みについて比較優位にある、といいます。
つまり、Aさんは設計図でもデータ打ち込みでも、Bさんより優れているのですが、限られた8時間という時間を最大限有効活用するためにはBさんと組んだ方が得なのです。もちろん、BさんにとってもAさんと組むことは得になります。
どんなに優れた職人さんでも、ひとりで働ける時間は限られています。
万人に共通な1日は24時間しかないというボトルネックを最大限有効活用するためには、自分より力の劣る人でも雇った方が儲かるということです。
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