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GOLGOのひとりごと

2以上の会社から報酬を受けている場合の社会保険料

2017.09.22

複数の会社から役員報酬を受け取っている方はよくいます。そのような場合、社会保険料はどうなるのでしょうか?


まず、それぞれの会社で常勤か非常勤かが問われます。常勤であれば社会保険も適用となります。たとえば、二つの会社の代表取締役を兼務しているような場合は当然両方で常勤となるため、両方の会社で社会保険に加入する事となります。


非常勤の役員であれば、社会保険は適用されません。仮に役員報酬を受け取っていてもそこから社会保険料を取られることはありません。常勤か非常勤かは、「経営への参画、労務の提供の経常性、報酬の経常性」などを勘案して総合的に判断されます。


二つの会社から報酬を受けて両方で社会保険の適用を受けると、保険料も両方で差し引かれることになります。この場合、両方の報酬を合算した金額を社会保険料の等級に当てはめて標準報酬月額を決めます。その標準報酬月額に保険料率を掛けて保険料が算出されます。問題は保険料をどうやって報酬から差し引くかですが、これはそれぞれの会社から支給されている報酬の金額の割合に応じて按分することになります。


実際にはこの按分が非常に分かりにくく面倒くさい仕組みになっています。
例えばどちらかの会社の報酬額が変動したような場合、按分率が変わると両方の会社から差し引く社会保険料がそれぞれ変わることになります。しかも、その金額によって健康保険料だけ変わったり、健康保険と厚生年金と両方が変わったり、両方変わらなかったりします。2社合わせて最高等級に達している場合でも、どれか1社分で最高等級に達していない報酬が2等級以上変動すれば按分割合が変わることになります。
具体的には厚生年金は62万円が最高等級で、健康保険は139万円が最高等級です。


(例題1)A社から50万円、B社から100万円貰っている場合、B社の分が120万円にアップした。
(答え)健康保険料だけ月額変更。厚生年金の按分割合は50:100のままで、健康保険料だけ50:120に代わる。ちなみに総額はすでに最高等級のため、按分率だけが変動する。


(例題2)A社から50万円、B社から100万円貰っている場合、A社の分が60万円にアップした。
(答え)健康保険料と厚生年金保険料の両方が月額変更となり、按分割合が変化する。

(解説)例題1のケースではB社単独で見ると厚生年金の最高等級62万円をすでに超えており、最高等級から最高等級となるため、厚生年金保険料の月額変更は生じない。逆に例題2ではA社単独で見て健康保険料も厚生年金保険料も2等級以上変動するため、月額変更となり、その結果按分割合が変化する。ただし、総額はどちらも最高等級を超えているため、総額の標準報酬月額は健保139万円、厚年62万円で変わらない。ポイントは月額変更を見る時にそれぞれの会社単独で判断するという点です。これは、複数の会社から報酬を得ているといっても経営者の場合ばかりではなく、それぞれにまったく関係の無い会社から報酬を得るというケースも考えられるため、それぞれの会社単独で判断ができるように制度が作られているようです。標準報酬月額自体は合算で決定されるため勘違いしやすく、複雑な制度になってしまっています。

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