GOLGOのひとりごと

【法律守ってますか?】記事一覧

2021.03.01
NEW 接骨院で保険は使えるか?
2021.02.26
労働基準法上の賠償予定の禁止
2020.12.30
平均賃金の基本的な考え方
2020.12.14
健康診断後の医師への意見徴収
2020.12.10
フレックスタイム制における休日割増賃金
2020.11.30
従業員が休憩を取らない代わりに、早く帰りたいと希望した時の対応
2020.11.24
労働安全衛生法の健康診断の種類
2020.10.29
自動車通勤者の通勤手当
2020.10.19
別居している被扶養者の認定
2020.10.15
調査で判明する社会保険の誤解
2020.10.12
男性の育児休業の注意点
2020.10.08
給与から控除できる項目
2020.10.01
労働保険料の再確定申告
2020.09.28
育児休業中に有給休暇を取得可能か?
2020.09.14
労働者死傷病報告
2020.09.04
労働保険料申告手続きを忘れたら?
2020.09.02
令和2年度、被扶養者資格の再確認について
2020.09.02
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金について
2020.09.01
休業等があった場合の算定基礎届の考え方
2020.08.18
非常勤役員の社会保険加入
2020.08.14
育児休業終了日と雇用保険上の取り扱いについて
2020.08.12
障害者の法定雇用率
2020.05.19
未払い残業代請求訴訟における「付加金」
2020.05.12
外国人を雇用する際の注意点
2020.05.01
役員の社会保険加入
2020.04.27
台風で休業した時の休業手当
2020.03.31
試用期間の延長はできるか
2020.03.24
従業員への罰金制度は違法か?
2020.03.09
監視または断続的労働従事者の取扱
2020.02.10
転籍は拒否できるか
2019.12.13
振替休日と代休
2019.10.25
産前産後の労働者への対応
2019.10.21
外国人の雇用
2019.10.15
子供を雇う時の注意点
2019.10.04
賃金台帳と労働者名簿
2019.09.30
労働時間の適正な把握&措置
2019.09.27
従業員代表の適法な選出
2019.09.13
労働条件の調査
2019.09.06
サマータイムの導入に必要な届出
2019.09.02
最低賃金と労働時間
2019.08.09
36協定
2019.08.05
算定基礎届について
2019.08.02
労働保険の年度更新
2019.07.22
公正な採用
2019.07.05
定期健康診断の報告
2019.06.27
ダブルワーカーを雇用した場合の時間外割増の計算
2019.06.23
パートタイマーへの労働条件の通知
2019.06.20
人事労務関係の書類の保管義務
2019.05.19
夜勤者の健康診断
2019.04.15
試用期間中の社会保険

接骨院で保険は使えるか?

2021.03.01

整骨院や接骨院で骨折、脱臼、打撲及び捻挫(いわゆる肉ばなれを含む。)の施術を受けた場合は健康保険の対象になります。(骨折及び脱臼については、緊急の場合を除き、あらかじめ医師の同意を得ることが必要です。)

 

治療を受けるときの注意点

 

健康保険の「療養費」は、本来患者の方が費用の全額を支払った後、自ら保険者へ請求をおこない支給を受ける「償還払い」が原則ですが、柔道整復については、患者の方が自己負担分を柔道整復師に支払い、柔道整復師が患者の方に代わって残りの費用を保険者に請求する「受領委任」という方法が認められています。そのため、公正な保険請求がなされているかに注意が払われています。

 

 

・単なる肩こり、筋肉疲労などに対する施術は保険の対象になりません。このような症状で施術を受けた場合は、全額自己負担になります。

 

・柔道整復師が患者の方に代わって保険請求を行うため、施術を受けるときには、必要書類に患者がサインをする必要があります。

 

・保険医療機関(病院、診療所など)で同じ負傷等の治療中は、施術を受けても保険等の対象になりません。

 

近年の問題

整骨院・接骨院の請求の中には、健康保険適用とならない施術の請求や、架空・水増し請求といった不正請求も見られるようです。

不適正受診・不正請求防止のため、患者が白紙の「療養費支給申請書」に署名したり、柔道整復師に印鑑を預けたりすることのないようにしなければなりません。

実際に筆者の通っていた接骨院も、保険適用の問題があって閉院してしまわれた所がありました。レントゲンだけ撮って、あとは湿布を処方するだけで何もしてくれない整形外科と比べれば、患部の周囲を揉み解してくれたり温めたり電気治療したりと、とても良い施術をしてくださる先生でしたので、個人的には残念でしたが、上記のような問題があるため仕方が無いようです。

労働基準法上の賠償予定の禁止

2021.02.26

労働基準法では、労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定する契約をしたりしてはならない、と定めてあります。

 

労働契約の不履行における違約金の例)

「途中で辞めたら、○○円の違約金を払え」

 

損害賠償額の予定例)

「会社に損害を与えたら○○円払え」

 

禁止の理由

その理由は、あらかじめ会社側から従業員に対して、業務の不履行について賠償額を定めることは、実際に発生した会社の損失よりも大きな損失を設定する可能性が高く、従業員にとって不利な契約となる恐れがあるからです。

 

また、場合によっては、従業員がその会社で働くことを強制することに繋がりかねず、従業員を不当に拘束する可能性もあります。

 

(注)あらかじめ金額を決めておくことは禁止されていますが、現実に労働者の責任により発生した損害について賠償を請求することまでを禁じたものではありません。

 

教育費用の返還について

会社負担で教育を受けさせた労働者が退職する際に、しばしばこの条文に関する問題が表面化します。会社としてはある程度の期間勤続して投資を回収したいわけですが、「辞めたら教育費用を返還せよ」という決まりがこの損害賠償の予定に該当するのではないか、という点で争われます。

 

ポイントとしては、⑴その教育を受けることが労働者の自由意思に基づいているか⑵会社が費用を「負担」したのか、それとも本人に「貸付」したのか、⑶その約束が労働者を不当に拘束する内容であるか、などがあります。これらに注意して教育費用負担については定める必要があるでしょう。特に⑶の部分が重要です。

平均賃金の基本的な考え方

2020.12.30

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、休業手当や、雇用調整助成金申請にあたり、平均賃金の算出方法について、多くお問い合わせ頂いております。
計算方法につきまして、改めて整理させて頂きます。

(1) 原則
「平均賃金」(労働基準法12条)によりますと、基本的な算出方法は以下の通りです。
平均賃金=算定すべき事由の発生した日以前(=前日)3ヶ月間に支払われた賃金総額÷3ヶ月間の総日数(総歴日数)
※賃金締切日がある場合は、起算日は算定事由発生日直前の賃金締切日になります。

(2) 最低保障額
ただし、日給制、時間給制、出来高払制、請負制の場合、以下の最低保障額を下回ってはいけません。
最低保障額=3ヶ月の賃金の総額÷3ヶ月の実労働日数×60%
前述の(1)原則に基づいて計算された「平均賃金」が最低保障額を下回った場合は最低保障額が「平均賃金」として採用されます。

(3) 入社3ヶ月未満の場合
雇入れ後3ヶ月に満たない労働者については、雇入れ後の期間とその期間中の賃金とで「平均賃金」を算出いたします。ただし、(1)原則同様、直前に賃金締切日がある場合には起算日は賃金締切日になります。

(4) 勤務実績がない等、どの方法によっても算出が難しい場合
新型コロナウイルス感染症により、こういったケースも多くみられるかと思います。労働基準法第12条第8項並びに労働基準施行規則第4条によりますと、平均賃金は、都道府県労働局長の定めるところによる、と記されております。ただし、具体的計算方法は定められておりません。

労働基準監督署に問い合わせたところ、通常、労災申請等の場合で、算出が難しい対象者につきましては、直接都道府県労働局長による決定通知が下りるそうです。
ただし、今回のコロナウイルスのように休業手当算出のために、平均賃金を計算したい等の場合、都道府県労働局長の決定を待つというのは、現実的とは言えません。
具体的計算方法につきましては、労働基準監督署でも統一の指針が確定していないようです。
実際に該当労働者がいる場合には、会社の管轄の労働局、労働基準監督署までご相談ください。

健康診断後の医師への意見徴収

2020.12.14

会社は、会社が行う健康診断の結果、異常の所見があると診断された労働者について、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について聴取した医師又は歯科医師の意見を十分勘案し、必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少、昼間勤務への転換等の措置を講ずるほか、作業環境測定の実施、施設又は設備の設置又は整備、当該医師等の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措置を講ずる必要があります。

 

意見の内容

もらうべき意見の内容は次の2つです。

 

1、就業区分及び就業上の措置の内容

2、作業環境管理・作業管理について

 

1の就業区分とは、「通常勤務(通常の勤務でよいもの)」「就業制限(勤務に制限を加える必要のあるもの)」「要休業(勤務を休む必要のあるもの)」に分かれます。

就業上の措置とは、勤務による負荷を軽減するための、⑴労働時間の短縮、⑵出張の制限、⑶時間外労働の制限、⑷労働負荷の制限 、⑸作業の転換、⑹就業場所の変更、⑺深夜業の回数の減少、⑻昼間勤務への転換等を指します。

 

2について、健康診断の結果、作業環境管理及び作業管理を見直す必要がある場合には、作業環境測定の実施、施設又は設備の設置・整備、作業方法の改善、その他適切な措置について意見を求めることとされています。

 

 

関連条文

◆労働安全衛生規則

(健康診断の結果についての医師等からの意見聴取)

 

第五十一条の二  

第四十三条等の健康診断の結果に基づく法第六十六条の四の規定による医師又は歯科医師からの意見聴取は、次に定めるところにより行わなければならない。

 

 一  第四十三条等の健康診断が行われた日(法第六十六条第五項ただし書の場合にあっては、当該労働者が健康診断の結果を証明する書面を事業者に提出した日)から三月以内に行うこと。

二  聴取した医師又は歯科医師の意見を健康診断個人票に記載すること。

 

2 法第六十六条の二の自ら受けた健康診断の結果に基づく法第六十六条の四の規定による医師からの意見聴取は、次の定めるところにより行わなければならない。

一 当該健康診断の結果を証明する書面が事業者に提出された日から二月以内に行うこと。

二 聴取した医師の意見を健康診断個人票に記載すること。

 

3 事業者は、医師又は歯科医師から、前二項の意見聴取を行う上で必要となる労働者の業務に関する情報を求められたときは、速やかに、これを提供しなければならない。

フレックスタイム制における休日割増賃金

2020.12.10

フレックスタイム制のもとでは、清算期間を通じて、法定労働時間の総枠を超えて労働した時間が時間外労働としてカウントされます。

 

法定労働時間の総枠とは

1ヶ月ごとに清算期間を設定した場合、総枠は次の計算式で求めます。

 

1週間の法定労働時間×清算期間の週数(清算期間の暦日数÷7)

 

例えば週40時間の法定労働時間制の対象となる業種の、暦日数が31日の月における総枠は40時間*31日/7日=177.14となります。

フレックスタイム制を採用した場合には、この総労働時間の範囲内で、日ごとの労働時間については労働者自らの決定に委ねられます。したがって、フレックスタイム制においては、清算期間を単位として時間外労働を判断することになるので、36協定において「1日」の延長時間について協定する必要はなく、「1か月」「1年」の延長時間を協定します。

(フレックスタイム制において残業をする可能性がある場合は36協定の届け出がやはり必要になります)

 

先の例の場合、1ヶ月に177.14時間を超えて労働させた場合に割増賃金の支払いが必要になります。

 

休日労働は別計算

フレックスタイム制のもとで、休日労働(1週間に1日の法定休日に労働すること)を行った場合には、休日労働の時間は、清算期間における総労働時間や時間外労働とは別個のものとして取り扱われます。(35%以上の割増賃金率で計算した賃金の支払が必要)

 

割増率については、休日労働も含んだ総労働時間によって以下のようになります。

 

⑴法定休日が総労働時間の枠内である場合

⇒月給制の場合、法定休日労働を含む総労働時間がその月の総労働時間の枠内であれば、

すでに月給として100%の賃金が支払われていることになるのでその時間については35%のみの時間外手当を支払うことで足ります。

 

⑵法定休日が総労働時間の枠外である場合

⇒135%以上の率で計算した割増賃金の支払いが必要です。

従業員が休憩を取らない代わりに、早く帰りたいと希望した時の対応

2020.11.30

従業員が就業時間について、休憩を取らずに、終業時刻を早めたいと会社に要望した場合でも、従業員の同意があったとしても原則として認めることは出来ません。

 

労働基準法34条によれば、「使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。」と規定されています。

 

この法律は強行法規であり、違反した場合には罰則規定も定められています。

(6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金:労働基準法119条)

 

したがって、基本的には、従業員から要望があったとしても、会社はそちらに応じる必要はありません。

ただし、6時間以下で働いている場合には、休憩を与える義務はありませんので、会社が一律で自主的に休憩時間を設定している場合等には休憩時間をカットすることも可能になります。

 

いずれにせよ、6時間を超える場合には、休憩を必ず与えなくてはなりません。強制的なものになりますので、取るか取らないかの判断の余地はありませんので注意しましょう。

 

従業員から休憩時間の相談を受けた場合には、長時間労働による業務非効率化、労働災害の可能性の増大等を説明していただき、法律の趣旨、休憩の主旨を伝え、納得してもらうようにしましょう。

労働安全衛生法の健康診断の種類

2020.11.24

労働安全衛生法では、使用者(会社)に対して、健康診断の実施を義務付けています。その種類と内容は以下の通りです。

 

1、種類

(1)一般健康診断(法第66条第1項)

 ・ 雇入時の健康診断(則第43条)

 ・ 定期健康診断(則第44条)

 ・ 特定業務従事者の健康診断(則第45条)

 ・ 海外派遣労働者の健康診断(則第45条の2)

 ・ 結核健康診断(則第46条)

 ・ 給食従事者の検便(則第47条)

 ・ 自発的健康診断(則第50条の2)

(2)特殊健康診断(法第66条第2項及び第3項、じん肺法)

 ・ 高圧室内作業に係る業務、潜水業務、放射線業務、特定化学物質を取り扱う業務等の有害な業務に従事する労働者に対する健康診断(令第22条)

 ・ じん肺健康診断(じん肺法)

 

一般的な企業では、①雇入時の健康診断②定期健康診断の実施についてできているかを確認してください。定期健康診断は1年に1回です。

ただし、深夜業や坑内業務、その他著しく暑熱又は寒冷な場所における業務など一部の業務に従事する労働者に対しては、配置換えの際又は6ヶ月ごとに1回、特定業務従事者の健康診断を実施することが求められます。特に深夜業についてはコンビニの深夜勤務者なども対象となりますのでご注意ください。

 

又、有機溶剤を取り扱った業務、放射線業務など特に健康に被害を及ぼす可能性の高い業務につくものに対しては、特殊健康診断を定期に行う必要があります。

 

2、健康診断項目

健康診断項目としては主に次のようなものがあります。健康診断の種類によって求められる検査項目が変わります。

 ① 既往歴及び業務歴の調査

 ② 自覚症状及び他覚症状の有無の検査

 ③ 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査

 ④ 胸部エックス線検査及び喀痰検査

 ⑤ 血圧の測定

 ⑥ 貧血検査

 ⑦ 肝機能検査(GOT、GPT及びγ-GTPの検査)

 ⑧ 血中脂質検査(LDL コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド)

 ⑨ 血糖検査

 ⑩ 尿検査

 ⑪ 心電図検査

 

労働者の健康管理はこれからますます重要な労務課題となります。自社の実施状況を確認しましょう。

自動車通勤者の通勤手当

2020.10.29

通勤に公共交通機関を使っている場合、通勤手当は定期券の金額で支払うことが一般的ですが、自動車通勤者についてはどのように支払えばよいでしょうか。

 

1、通勤手当は会社の自由

前提として、通勤手当を会社が支払うことは法律上の義務ではありません。「どれだけ遠くから通っていても通勤手当はゼロ」としてもかまいませんが、実際には通勤手当を支払う会社が多いことから、通勤手当の支給がないことが他社と比べ求人条件において不利になるため、何らかの手当支給をすることが多いでしょう。

 

2、非課税限度額

通勤手当は原則的に所得税非課税扱いになっていますが、それは「実費弁償的な性格のものであるから」です。

実際にかかる費用よりも多く渡した場合は、一部課税扱いになることがあります。

 

マイカーなどで通勤している人の非課税となる1か月当たりの限度額の表は以下の通りです。

片道の通勤距離と1か月当たりの限度額

2キロメートル未満           (全額課税)

2キロメートル以上10キロメートル未満      4,200円

10キロメートル以上15キロメートル未満    7,100円

15キロメートル以上25キロメートル未満    12,900円

25キロメートル以上35キロメートル未満    18,700円

35キロメートル以上45キロメートル未満    24,400円

45キロメートル以上55キロメートル未満    28,000円

55キロメートル以上         31,600円

 

例えばマイカー通勤で片道8キロの距離から通う場合、非課税限度額は4200円とされているため、その従業員に通勤手当10000円を支給した場合は差額の5800円は課税扱いとなります。

 

3、マイカー通勤を認めるべきか否か

通勤方法についても会社が独自の取り決めをすることができます。

通勤中に交通事故で加害者となった場合、会社も運行供用者として責任を負うことがあるため、「対人無制限、対物○○円以上の任意保険に加入していない場合は許可しない」などのルールも定めておいた方が良いでしょう。

 

4、駐車場の取り扱い

職場に従業員用の駐車場がない場合、別途本人が契約する費用について、会社が負担する義務はありませんが、逆に言うと補助しても構いません。

先に説明した非課税限度額や、近隣の駐車場の相場も参考にしながら、駐車場の費用補助を検討するとよいでしょう。

別居している被扶養者の認定

2020.10.19

別居している被扶養者認定の必要添付書類について、

 

健康保険において、扶養の手続きの際、別居している親族の認定の場合、

同居している場合に比べ、要件の他、別途提出書類が必要となりますので注意が必要です。

 

被扶養者の認定要件の違い

 

①同居の場合

年間収入(年間の見込み)が130万円未満かつ

被扶養者の収入が被保険者の収入の半分未満

 

②別居の場合

同居の場合と同様、年間収入が130万円未満ですが、

別居の場合は、それに加え、被扶養者の収入が、被保険者からの仕送り額未満であることが要件とされています。

 

 

提出書類について

通常、扶養認定の際、以下の

①続柄確認書類

⇒住民票・戸籍謄本等(マイナンバー提出により省略可能)

②収入要件確認書類

⇒所得税法上の扶養親族を証明する書類(事業主の証明により省略可能)・退職証明書・離職票(失業手当受給期間は扶養認定されないので注意)等

 

が必要となりますが、

別居の場合は前述のとおり、仕送り額を証明する為、

上記に加え、

③仕送り額が確認できる書類

 

の準備が必要となります。

 

 

③の書類ですが、こちらについて注意が必要となるのが、

必ず、振込や送金の場合は現金書留の記録を控えとく必要があることです。

 

手渡し等で仕送りしている場合、扶養の認定は原則的にはおりませんので注意が必要です。

調査で判明する社会保険の誤解

2020.10.15

年金事務所は定期的に事業主に対して調査を実施します。この調査の目的は大きく分けて次の2つです。

 

1 社会保険に加入させるべき人を加入させているか

2 届出ている報酬額に誤りがないか

 

資格取得届などの社会保険にかかる手続きは簡易的で、事業主から申請があった通りに適用手続きがなされます。つまり、誤った報酬で登録しているか、または被保険者となるべき人を本当に届出しているかは取り立てて確認しません。そのため、定期的な調査でそのミスや不正を正そうとします。

 

年金事務所調査に当たった時には、次にあげるような誤解が指摘されがちです。

 

1 ×パートは社会保険加入させなくても良い

パートであっても週当たりの労働時間が通常の労働者の4分の3以上の場合は被保険者となります。(大企業の場合は週20時間以上)

 

2 ×社会保険は本人が希望しない場合は加入させなくて良い

社会保険加入・非加入は労働者が選択するものではありません。被保険者に該当する人は強制的に加入となります。

 

3 ×基本給だけを報酬として届け出て良い

基本給以外にも労働の対償として支払われた各種手当、残業代、通勤手当なども報酬に合算します。

 

4 ×二箇所以上の会社で報酬をもらっているが、主たる会社以外の報酬は関係ない

二箇所以上の会社の役員であるなど、複数の会社から報酬をもらっている場合、その報酬を合算しなければならないことがあります。

 

手続き漏れや誤りがあった場合、その時期に遡って修正をする必要があるため注意しましょう。

男性の育児休業の注意点

2020.10.12

イクメンという言葉があるように、男性の育児参加は世の中の関心ごとです。育児休業については女性だけでなく男性も取得できまが、取得開始時期や育休プラス制度など、ルールが一部女性と違います。以下男性の育児休業について解説します。

 

対象者

育児休業の対象となる男性は原則として次のとおりです。

・同一事業主に1年以上雇用されている

・子供が1歳未満(1歳の誕生日を迎えていない)

・子供が1歳になった後も引き続き雇用予定

・子供が1歳6ヶ月になる日の前日までに雇用契約が終了する予定ではない

・週3日以上勤務をしている

 

雇用保険に加入している人であれば多くの男性が育児休業の取得対象となります。

 

期間

女性については産後56日経過した後に育児休業が始まりますが、男性については出産日当日から育児休業の取得が可能です。終了期は「子供が産まれてから1年(子供の1歳の誕生日の前日まで)」です。

 

届出

会社に対して育児休業の申し出をするのは原則として1ヶ月前など事前にする必要があります。ただし、出産日は予定日からずれることも多いため、取得時期を変更することもできます。

 

給付

育児休業給付の申請は、休業期間2ヶ月ごとに1回、ハローワークに対して行います。通常会社が申請を行います。当初6ヶ月は休業前賃金のおよそ67%、その後は50%です。

 

育児休業の延長

育児休業は最長で1年が原則ですが、パパ・ママ育休プラスという制度を利用すると、子供が1歳2ヶ月になるまで育休期間を伸ばすことができます。

また、保育園に入れない場合に限り特別に育休を延長する事ができます。この場合最長2年間の取得が可能です。

給与から控除できる項目

2020.10.08

毎月の給与を支給する際、その全額を支給せず、所得税・保険料や住民税、会社によっては旅行積立金や社宅家賃等を控除したうえで支給しているところが多いと思います。この控除項目については、勝手に控除して良いわけではありません。法律によって控除することが認められている「法定控除」と、労使協定を結ぶ事で控除できる「協定控除」があります。

 

賃金支払いの5原則

まず、前提として、賃金の支払いは労働基準法第24条で定められている以下5つの原則に従わなければなりません

 

1、通貨払いの原則(賃金は、通貨で支払わなければならない)

2、直接払いの原則(賃金は、直接労働者に支払わなければならない)

3、全額払いの原則(賃金は、その全額を支払わなければならない)

4、毎月1回以上払いの原則(賃金は、毎月1回以上支払わなければならない)

5、一定期日払いの原則(賃金は、一定の期日を定めて支払わなければならない)

 

上記3の「全額払いの原則」に従うならば、賃金からは何も控除してはいけなくなります。

ただし、この原則には例外が設けられており、以下に該当する場合は控除しても良いとされています。

 

法定控除

法律で定められている控除項目です。所得税・住民税・健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料等が該当します。

 

協定控除

労働者の過半数で組織する労働組合がない場合、労働者の過半数代表者と書面による協定(労使協定)を結んだ控除項目です。例えば、旅行積立や社宅家賃等が該当します。

 

 

法律で認められている法定控除以外を控除したい場合は、労使協定を結んでいなければ本来控除してはいけません。また、労使協定をだいぶ前に結んでいる場合、現状の控除項目と一致してない可能性もあります。自社の控除項目、協定については改めて確認した方が良いでしょう。

労働保険料の再確定申告

2020.10.01

労働保険料の確定保険料の申告が誤っており、既に納付が済んでいた場合、

確定保険料について労働保険料の再確定申告が必要となります。

具体的には、

雇用保険加入者を計算に加えていなかった場合や、賃金の集計誤り、労働保険適用対象外の従業員を計算に加えていた等、様々なケースが考えられます。

 

上記のように、労働保険料の修正が必要な場合、労働保険料の再確定申告手続きが必要となります。(2年以上遡及する場合は含みません。)

 

再確定申告に必要な書類は以下の通りです。

・労働保険料等再確定申告理由書(任意の様式)

・再確定申告書(通常の申告書の中央上部に「再確定申告」と朱書き)

・修正後の確定保険料算定基礎賃金集計表(修正箇所をマークすること)

・労働保険料還付請求書(還付が生じた場合に限る)

 

上記の書類は、再確定申告を申請する場合の必須提出書類になります。

 

一度受理されますと、再確定理由や審査状況に応じて、追加の書類を求められることもあります。

具体的には、修正対象者の賃金台帳や、雇用保険確認通知書、雇用契約書、登記簿謄本等が挙げられます。

提出が必要な場合には、労働局担当者より連絡が入ることになります。

育児休業中に有給休暇を取得可能か?

2020.09.28

育児休業中に有給休暇を取得できるか

育児休業中等に有給休暇の有効期限が到来するなどで従業員より、育児休業中の有給休暇が取得できるのか、疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。

 

結論から申し上げますと、原則的には、育児休業期間中に有給休暇を申請することは出来ません。

 

この点について、厚生労働省より以下の通達が出ております。

「年次有給休暇は、労働義務のある日についてのみ請求できるものであるから、育児休業申出後には、育児休業期間中の日について年次有給休暇を請求する余地はないこと。(以下略)」

 

有給休暇の性質上、労働日に休みをもらうものであり、育児休業等で、予め労働義務が消滅している場合には、有給休暇は申請することすらできないということになります。

 

但し、いかなる場合にも有給休暇が取得できないわけではありません。

育児休業を申請する前に、予め、有給休暇の取得が決定している場合には、有給休暇が優先されます。(育児休業給付金の給付決定額の調整対象にはなります。)

 

参考:厚生労働省通達

「また、育児休業申出前に育児休業期間中の日について時季指定や労使協力に基づく計画付与が行われた場合には、当該日には年次有給休暇を取得したものと解され、当該日に係る賃金支払日については、使用者に所要の賃金支払の義務が生じるものであること。」

 

育児休業中の就労との関係

育児休業中、10日(10日を超える場合には80時間以下)であれば、一時的・臨時的に就労したとしても、育児休業として認めらます。

このような状況下で、1日4時間で月20日勤務するシフトをした場合、シフト日を有給休暇として、申請出来るのでしょうか?

 

結論から言いますと、このような場合でも、有給休暇を取得することは出来ません。

 

そもそも、短時間でのシフトを組んで仕事をした場合には育児休業でいう、一時的・臨時的に就労する場合とはみなされず、育児休業からの復帰とみなされます。

 

一時的・臨時的就労とは、

大災害で出社できない従業員の臨時対応で就労する場合や、突発的な事態に対応する為、休業中の本人にのみ対応可能な場合等の就労と認めているからです。

 

在宅勤務や時短での勤務は、恒常的・定期的労働と認められる可能性が高く、育児休業の終了とみなされる場合がございますので、注意しましょう。

労働者死傷病報告

2020.09.14

労災事故が起きたとき、被災者のために療養保障給付や休業補償給付などの「給付」の申請を会社が行いますが、その他、監督署への「事故報告」も必要です。

 

労働災害等により労働者が死亡又は休業した場合には、遅滞なく、「労働者死傷病報告」を労働基準監督署長に提出しなければなりません。

 

提出が必要な場合

死傷病報告は以下の場合に提出が必要です。

(1)労働者が労働災害により、負傷、窒息又は急性中毒により死亡し又は休業したとき

(2)労働者が就業中に負傷、窒息又は急性中毒により死亡し又は休業したとき

(3)労働者が事業場内又はその附属建設物内で負傷、窒息又は急性中毒により死亡し又は休業したとき

(4)労働者が事業の附属寄宿舎内で負傷、窒息又は急性中毒により死亡し又は休業したとき

 

ただし、休業が4日未満の労働災害の場合は、は四半期ごとに簡易的に報告すれば事足りるとされています。(ただし爆発や火災などの大きな事故の場合には休業がなくても事故報告が必要です。

 

基本的には「休業補償給付を申請するくらいの労災事故=4日以上の休業を伴う労働災害であるため、すぐに監督署への報告が必要」と覚えておくと良いでしょう。

 

なお、通勤災害の場合、それが会社の敷地内などの事業場内である場合を除いて、死傷病報告は不要です。

 

目的

労働者死傷病報告は、労働災害統計の作成などに活用されており、提出された労働者死傷病報告をもとに労働災害の原因の分析が行われ、同種労働災害の再発を防止するための対策の検討に生かされるなど、労働安全衛生行政の推進に役立てられています。

労働保険料申告手続きを忘れたら?

2020.09.04

毎年7月10日までに労働保険料の申告納付をします。

通常は5月下旬から6月上旬にかけて労働保険申告のための書類が会社宛に届いて、その申告書を用いて申告します。
申告時には、前年度の労働保険料の過不足精算と当年度の概算保険料申告を同時に行いますが、
もし、この労働保険の年度更新の手続を忘れるなどして行わないとどうなるのでしょうか?


1、申告しないと勝手に決められる

労働保険法19条4項と5によれば、事業主が年度更新手続きをしない
つまり労働保険料の前年度の確定額と今年度の見込額を申告しない場合は、
政府が労働保険料の前年度の確定額と今年度の見込み額を決定(これを『認定決定』といいます)し、
納入告知書により通知が行われ、通知を受けた日より、15日以内に保険料を納めなければなりません。


例えば、前の年の確定保険料として支払った額が100万円ならば、同じ100万円に決定されることになります。


2、追徴金が課せられることもある

この認定決定により、労働保険料またはその不足額を納付する必要がある場合、
認定決定された労働保険料の10%の『追徴金』が科せられ、
これを通知書に指定された納期限までに納付しなければならなくなります。



3、実務上の処理
実際に追徴金の処分が下されることは多くありません。
未提出事業所に対して、労働局から催促通知が行われます。
催告に定める期限までにきちんと手続きを済ませれば追徴金はかかりません。

令和2年度、被扶養者資格の再確認について

2020.09.02

毎年度、協会けんぽでは、健康保険の被扶養者となっている人が現在もその状況にあるかの確認のため、被扶養者資格の再確認を実施しております。今年度の実施内容については以下通りです。

 

1)実施時期

令和2年10月上旬から下旬にかけて、順次「被扶養者状況リスト」が事業主宛に送付されます。

 

2)再確認の対象となる被扶養者

令和2年4月1日において18歳以上である被扶養者の人。ただし、令和2年4月1日以降に被扶養者となった人は確認の対象外です。

 

3)確認方法

事業主が、被保険者の人に対して、対象の被扶養者の人が健康保険の被扶養者要件を満たしているかを確認のうえ、被扶養者状況リストに確認結果の記入及び同封の返信用封筒にて提出します。

 

4)確認書類の提出

今年度は、被保険者と別居している被扶養者、海外に在住している被扶養者については、被扶養者状況リストに同封されている被扶養者現況申立書に記入の上、被扶養者要件を満たしていることが確認できる下記書類を提出します。

 

〇被保険者と別居している被扶養者→仕送りの事実と仕送り額が確認できる書類

〇海外に在住している被扶養者→海外特例要件に該当していることが確認できる書類

 

5)扶養解除となる被扶養者がいる場合

確認の結果、扶養解除となる被扶養者がいる場合、同封の被扶養者調書兼異動届を記入のうえ、解除となる人の保険証を併せて提出します。

 

6)提出期限

令和2年11月30日

 

例年の被扶養者再確認と違うところは、上記4)の確認書類の提出が求められることになったことです。該当者がいる場合は、速やかに書類提出ができるように事前案内ができていることが望ましいでしょう。

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金について

2020.09.02

7月10日にかねてから公表されていた、企業から休業手当が支給されなかった場合に労働者に直接給付される支援金の詳細情報が発表されました。
原則的には労働者が申請する様式ですが、一部事業主が記入するべき欄もあります。


支給要件

(1) 令和2年4月1日から9月30日の間に事業主の指示を受けて休業した中小事業主に雇用される労働者であること

(2) 上記(1)による休業に対し、休業手当が支給されていないこと

(3)会社が労災保険に加入していること(雇用保険加入対象者がいる場合は雇用保険も設置していること)

(4)会社が申請に協力すること(申請書等の署名、捺印箇所があるため)


支給金額

休業前の1日当たり平均賃金※×80%(上限日額11,000円)×(各月の暦日数―就労もしくは労働者の事情で休んだ日)

※原則過去6ヶ月の内、任意の3か月を90で除して算定する(少数点以下切捨て)

例:4月10日から休業した場合の平均賃金日額計算について
給与(3月:30万、2月:25万、1月:28万、12月:26万)の労働者の日額は、
(30万+28万+26万)÷90日=9,333円


申請方法

(1)原則、郵送申請(オンライン申請準備中)
(2)労働者本人の申請(事業主経由の申請も可能※)

※労働者が複数事業書で働く場合は別途申請書が設けられているので注意が必要です。


必要書類

(1)申請書※

※複数事業所で働く労働者は複数事業所分、まとめて申請する必要があります。
別々に申請した場合、あとから申請した分は無効となるので注意が必要です。

(2) 支給要件確認書(事業主及び労働者の署名が必要)

(3)本人確認書類(顔写真等がある免許証、マイナンバーカードの写し等)

→ただし学生証等の場合は顔つきでも本人確認書類が2種類必要となります。(クレジットカード、保険証等)

(4) 口座確認書類(労働者本人の通帳の写し等)

(5) 休業開始前賃金および休業期間中の給与を証明できるもの

→賃金台帳、給与明細、振り込み通帳の写し等


詳しい情報については、厚生労働省の以下のリンクを参照してください。

記入方法の解説動画も掲載されているようです。

https://www.mhlw.go.jp/stf/kyugyoshienkin.html>

休業等があった場合の算定基礎届の考え方

2020.09.01

新型コロナウイルス感染症の影響により、休業を余儀なくされた企業等も多いかと思います。従業員に休業手当をお支払いした場合等の場合、算定基礎届の提出方法、算出方法についてみていきます。

 

通常の定時決定についてですが、

原則的には4月、5月、6月に支払われた報酬によって、算定基礎届を提出します。

ただし、4月~6月の間に、休業等があり、本来の出勤日等に休業手当等が支給された場合、通常通りの算定基礎届の提出では正しい等級決定が出来なくなることが想定されます。

日本年金機構によりますと、以下の表ように算出し、提出することになります。

4月 5月 6月 7月 8月 9月 定時決定の算定対象月 随時改定月
1 5月・6月
2 従前等級で決定
3 7月改定
4 4・5・6月
5 8月改定
6 4・5・6月
7 9月改定

・○:通常報酬が支給された月                        (日本年金機構HPより引用)

・☆:休業等解消

・●:休業手当等が支払われた月

・★:休業等未解消

 

<パターン1・2>

パターン1・2はいずれも7月1日時点で休業状態が解消している場合です。

休業状態等が解消されている場合には、休業手当を含む月については算定の対象から除いて計算することになります。ただし、算定対象月全てが休業手当等支払っている月の場合、基本的には従前の等級から変動せず、保険料等級が決定します。

 

<パターン3以降>

パターン3以降は基本的には、休業状態が続いている場合です。

7月1日時点で休業状態が続いている場合には、原則的には休業手当支払い月を含め、通常通り4・5・6月の報酬をみて算定基礎届を提出することになります。

ただし、パターン3・5・7のように、休業手当支払い月が4ヶ月以上続く場合には、その都度保険等級の変更が必要になる場合もあるので注意が必要です。

 

新型コロナ感染症の見通しが立ちづらいことが容易に想像が出来ます。

通常通りの算定基礎届の提出が必要であるか、都度随時決定を行う必要があるのか確認する必要がありそうです。

届け出る際は、管轄の年金事務所までお問い合わせください。

非常勤役員の社会保険加入

2020.08.18

非常勤役員がいて報酬が発生している場合、社会保険への加入義務はあるのでしょうか。

また、加入に報酬額の基準はあるのでしょうか。

 

こちらについては、過去に旧厚労省より以下通知が出ております。

 

・役員で、法人から労務の対象として報酬を受けている者は、法人に使用される者として被保険者とする。

(補足)役員には一般の労働者に適用される労働時間等の社会保険加入非加入の条件は適用されません。

労務の対象として報酬を受けている法人の役員かどうかについては、その業務が実態において法人の経営に対する参画を内容とする経常的な労務の提供であり、かつ、その報酬が当該業務の対価として当該法人より経常的に支払いを受けるものであるかを基準に判断するとされています。

 

少しわかりづらいですが、日本年金機構からは以下具体例が挙げられており、該当数によっては社会保険加入義務があります。

 

1.当該法人の事業所に定期的に出勤しているかどうか。

2.当該法人における職以外に多くの職を兼ねていないかどうか。

3.当該法人の役員会等に出席しているかどうか。

4.当該法人の役員への連絡調整または職員に対する指揮監督に従事しているかどうか。

5.当該法人において求めに応じて意見を述べる立場にとどまっていないかどうか。

6.当該法人等より支払を受ける報酬が社会通念上労務の内容に相応したものであって実務弁償程度の水準にとどまっていないかどうか。

 

つまり、非常勤かどうかは自社で勝手に決めるものではなく、上記項目の総合判断によって判定されます。こちらを見る限り、報酬額は明記されておりません。

なお、代表取締役は非常勤とは呼べませんので、報酬が発生している限りは社会保険に加入する必要があります。

 

役員で社保未加入者がいるようでしたら、上記1から6を客観的に証明できるように、役員会の議事録、役員の報酬(費用)規程、他の会社の常勤性を証する書類等を整えておくとよいでしょう。

育児休業終了日と雇用保険上の取り扱いについて

2020.08.14

育児休業終了日と雇用保険の育児休業終了日の違いについて

 

育児休業を取得する場合、育児休業延長を請求する場合を除き、原則としては出産をしたお子さまが1歳になるまでとなっております。

出産を予定している労働者に対しては、お子様が1歳になるまで(厳密には1歳誕生日の前日※後述参照)休業出来るご案内をすることになります。

 

但し、手続きにあたっては、社会保険の保険料免除申請と雇用保険の育児休業給付申請において終了日が異なることになりますので、注意が必要です。

 

社会保険の保険料免除を申請する際は、終了日はお子様の1歳の誕生日の前日ですが、雇用保険の育児休業給付の終了日はお子様の誕生日の前々日となります。

何故、このように育児休業の取り扱いに違いがあるのか、根拠条文等みていきましょう。

 

まず、社会保険の免除申請の根拠となっているのは、

育児・介護休業法の第9条となります。

 

育児休業第9条によれば、育児休業期間は労働者本人が請求した期間が原則となりますが、「育児休業申し出に係る子が1歳に達した」場合は育児休業が終了すると規定されています。

 

冒頭で社会保険料免除は1歳の誕生日の前日と述べましたが、1歳に達したとき、というのは、1歳の誕生日まで休業を申し込める気もしてしまいます。

 

しかし、この点、「年齢計算二関する法律」によって、年齢の起算日について規定されています。同法律によりますと、「年齢の起算日は出生日とする」と明文されております。したがって、「子が1歳に達した」というのは、厳密に申し上げますと、「1歳の誕生日の前日」となります。

 

こういうわけで社会保険の育児休業保険料免除の終了日は1歳の誕生日の前日までということになります。

 

一方で雇用保険の場合、育児休業給付金について

雇用保険法第61条に以下のような規定があります。

 

(育児休業給付金)第六十一条の四  育児休業給付金は、被保険者(高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。以下この款及び次款において同じ。)が、厚生労働省令で定めるところにより、その一歳(その子が一歳に達した日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合にあつては、一歳六か月)に満たない子を養育するための休業をした場合において、当該休業を開始した日前二年間(当該休業を開始した日前二年間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により引き続き三十日以上賃金の支払を受けることができなかつた被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかつた日数を二年に加算した期間(その期間が四年を超えるときは、四年間))に、みなし被保険者期間が通算して十二箇月以上であつたときに、支給単位期間について支給する。

 

大事なところを抜粋すると、「育児休業給付金はその1歳に満たない子を養育するための休業」する期間について支給するとのことです。

 

 

「1歳に満たない子」とは具体的には、1歳(1歳に達した)に満たない(未満)子

と読み解くことが出来、前述の「年齢ニ関する法律」の起算日を同様に考えると

1歳の誕生日の前日未満の子すなわち、1歳の誕生日の前々日という風になります。

 

社会保険と雇用保険で育児休業に係る申請の終了日が異なることは混乱しがちですが、

こうした法律の解釈を把握することで、少しでも覚えやすくなりそうです。

障害者の法定雇用率

2020.08.12

障害者雇用については、法定雇用率という最低限の障害者雇用条件が設けられています。

従業員のうち最低○%は障害者を雇用しなさい、と決まっているわけです。

すべての事業主は、法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務があります。



法定雇用率は次のように定められています。

 

民間企業 2.2%

国・地方公共団体 2.5%

都道府県等の教育委員会 2.3%

 

 

民間企業は45.5人

2.2%の法定雇用率ということは、45.5人以上の労働者を常時雇用する場合は1名以上の障害者を雇用しなければなりません。今までは法定雇用率が2.0%で、平成30年4月から現行の律に上がったため、従業員45.5人以上50人未満の事業主の皆さまは特にご注意ください。

また、事業主には、以下の義務があります。

◆ 毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告しなければなりません。この報告書は毎年5月中旬くらいに事業主宛に郵送されてきます。

◆ 障害者の雇用の促進と継続を図るための「障害者雇用推進者」を選任するよう努めなければなりません。

 

法定雇用率を守らなかった場合

法定雇用率を達成できなかった企業(雇用率未達成企業。常用労働者100人超に限る)から納付金(5万円)を徴収し、雇用率達成企業に対しては逆に調整金、報奨金などを支給する仕組みになっています。

 

今後の予定

令和3年4月までに、民間企業の法定雇用率は2.3%になります。(国等の機関も同様に0.1%引上げになります。)

未払い残業代請求訴訟における「付加金」

2020.05.19

働き方改革により残業についてますます厳しい目が向けられています。未払いの残業代請求の訴訟が起きるときには、未払い残業代以外にも「付加金」と言う制裁金を請求されることがあります。

付加金とは?

付加金について、労基法では以下のように定めています。

労働基準法 第114条

裁判所は、第20条、第26条若しくは第37条の規定に違反した使用者又は第39条第7項の規定による賃金を支払わなかった使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができる。

付加金の対象となる手当は次の通りです。

解雇予告手当(労基法20条)

使用者の責に帰すべき休業の場合の休業手当(労基法26条)

時間外労働に対する割増賃金(残業代。労基法37条)

法定休日労働に対する割増賃金(休日手当。労基法37条)

深夜労働に対する割増賃金(深夜手当。労基法37条)

有給休暇中の賃金(労基法39条7項)

付加金の判断は裁判所が行う

付加金の支払いは必ず命じられるものではなく、あくまで、裁判所が支払いを命じることが「できる」と規定されています。裁判所が内容の悪質性や労働者の損害の程度などを検討して総合的に判断されるものと思われます(判断基準は明示されていません)。

いずれにせよ「未払い残業代と合わせて倍額支払わなければならない可能性」があることが会社側の抑制することになるので、裁判が長期化せず和解によって紛争解決をすることを促すために付加金があるとも考えられます。

外国人を雇用する際の注意点

2020.05.12

近年、外国人労働者を街中で目にする機会が増え、都内のコンビニでは必ずと言ってよいほど見かけます。外国人労働者が日本で働くためには在留資格が必要ですが、今年の4月より新たな在留資格である「特定技能」が創設されたこともあり、今後も人数が増えていくと予想されます。雇用する際の注意点について見ていきましょう。

・まずは在留資格の確認を

事業主は、在留カード等により、日本での就労が認められる在留資格であるか確認をする必要があります。認められているのは、主に、技術・人文知識・国際業務・企業内転勤・技能等です。中華料理屋等のコックは技能にあたります。また、永住者や日本人の配偶者等は就労活動に制限がありません。留学や家族滞在は原則として就労が認められませんが、資格外活動許可を得ることで週28時間までの就労が認められています。

・外国人雇用状況の届出

在留資格の確認がとれ、雇入れた際は、外国人雇用状況届出書を管轄のハローワークに届出しなければなりません。届出をするタイミングは雇い入れ時と離職時です。届出を怠ると30万円以下の罰金が科されます。

・雇用保険や社会保険について

雇用保険や社会保険は、日本人と同じように、一定の要件を満たす場合には加入させる必要があります。外国人だからと言って取扱いに違いはありません。簡単に、週20時間以上の労働なら雇用保険加入、週30時間以上の労働なら社会保険の加入が必要です。また、雇用保険加入時には在留資格等の情報を記載する必要があります。

その他、雇入れ時には労働条件通知書の発行を忘れないようにしましょう。その際、日本ならではのルールもあると思いますので、丁寧に説明してあげたほうがいでしょう。日本語の文字理解が難しい場合は、外国語での各書類作成も検討のうえ、事後のトラブルに発展しないよう注意が必要です。

役員の社会保険加入

2020.05.01

よく役員の社会保険の加入非加入についてご相談を頂きます。

非常勤役員は社会保険加入義務がないとお聞きしたことがある方も少なくないかと思います。

厳密に申し上げますと、単に「非常勤」というだけで自動的に加入の必要性がない、と断定することは出来ません。

なお、非常勤役員の定義や要件について、法令等で具体的に定められていない為、明確な判断基準がないのが実情です。

では、非常勤役員について、どのように判断すればよろしいでしょうか?

この点、日本年金機構のQ&Aにて判断具体例を以下のように記載しております。

1.当該法人の事業所に定期的に出勤しているかどうか
2.当該法人における職以外に多くの職を兼ねていないかどうか
3.当該法人の役員会等に出席しているかどうか
4.当該法人の役員への連絡調整または職員に対する指揮監督に従事しているかどうか
5.当該法人において求めに応じて意見を述べる立場にとどまっていないかどうか
6.当該法人等より支払いを受ける報酬が社会通念上労務の内容に相応したものであって実費弁償程度の水準にとどまっていないかどうか

これらを総合的に考慮して判断するとのことです。

台風で休業した時の休業手当

2020.04.27

台風などの異常気象時に会社を止むを得ず休業する場合、休業手当の支払い義務はあるでしょうか。

休業手当の決まり

労働基準法第26条では、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合は、平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」と定められています。これが休業手当というものです。

この、「使用者の責に帰すべき事由による休業」とは、例えば取引先から材料が届かないため仕事にならないため工場の操業を止めたり、飲食店で客入りが悪いから早退させるような場合を指します。

自然災害はどうか

台風などの災害は「使用者の責に帰すべき事由による休業」と言えるでしょうか。

台風については、自然現象であり、会社とは関係なく発生します。そしてそれは人間の力では防ぎようもありませんから不可抗力と認められる可能性が高いでしょう。

つまり、労基法上の休業手当を支払う義務は使用者に発生しないことになります。

ただし、台風だったらなんでもいいかというとそうではなく、台風の予報だけで休業とし休業手当を支払わないことが違法とみなされるケースもあるでしょう。ケースバイケースとなります。

安全配慮との関係

暴風のなかで野外作業を命じて、労働者が落雷にあったり滑落事故を起こしたりした場合使用者は「安全配慮義務」違反に問われる可能性があります。安全と作業効率、休業手当の支払い義務の可能性を総合的に考えながら使用者は判断をしましょう。

対策の例

自然災害と休業手当の関係は判断が難しいことがあります。台風の可能性が高い時期、地域においては、⑴台風の時に備えて在宅勤務を認める仕組みを作る⑵有給休暇の取得を奨励するなどの対策も検討して良いでしょう。

試用期間の延長はできるか

2020.03.31

多くの企業で採用の際、試用期間を設けているかと思います。期間の長さについて法的な制限等は特にありませんが、一般的には1ヶ月~6ヶ月程度として設けられており、最長でも1年限度と解釈されております。

試用期間それ自体は企業が独自に設定するものと考えられますが、仮に採用した人材の適正が判断しづらい場合、企業は試用期間を延長できるのでしょうか?

結論としましては、試用期間の延長は違法ではないが非常にハードルが高いものと言えるでしょう。

試用期間の延長が認められる要件は以下の通りです。

① 試用期間の延長について就業規則等に予め規定されていること

② 本人に採用時に予め延長について通知および合意を得ること

③ 試用期間を延長するに合理的な理由が存在すること

特に注意が必要であるのが、③合理的な理由があることです。

そもそも試用期間を設ける目的とは、労働者の適性を評価・判断するものであると解されます。試用期間中の労働者は通常よりも不安定な地位に置かれることから、適性を判断するのに度を越えた長期に試用期間に関しての基準は必然的に厳しいものとなってきます。そこで、試用期間の延長が認められる為には、そもそも合理的な正当事由が必要になります。

具体的には、欠勤日数が多い場合、試用期間中に業務違反や規律違反に当たるような行為をした場合、勤務成績が著しく悪く、注意・指導しても一向に改善されない場合には合理的な理由と認められるケースがあります。

ポイントとしましては

① 適性判断をするのに不十分と認められるかどうか

⇒欠勤期間が多く物理的に不十分といえるかどうか、即時不適格と断定できないとしても、適性に疑問があり適性判断に更に時間を要することが必要と認められるかどうか

② 既に不適格と認められていても本人の反省をみたいかどうか

⇒規律違反をした場合等、恩恵的に試用期間を延長する場合等

上記基準によって合理的理由と認められるかどうか検討する必要がありそうです。

従業員への罰金制度は違法か?

2020.03.24
近年、複数の企業で従業員が「不適切動画」SNSに投稿し、社会問題となっておりますが、こういった不適切動画の拡散の防止策として、仕事上への携帯電話の持ち込み禁止、違反したら罰金制度を適用する、という対策を思いつく経営者も少なくないのではないでしょうか?
以前、某コンビニ加盟店等、遅刻、営業成績やミス等に対し、従業員への不適切な罰金制度が話題となりました。罰金制度は法律に違反するんじゃないかなどと多くの議論がなされました。
「不適切動画」対策として罰金制度はアリか、従業員への罰金制度の在り方とともに考えていきましょう。

原則としては罰金制度は「違法」の可能性が高い

以前、遅刻や従業員への罰金制度が話題になった時もそうですが、
そもそも労働基準法上において、罰金制度は原則として違法となります。
労働基準法上、「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と明確に定めているためです。(16条)

つまり、「備品を壊したら罰金○○円」や「遅刻したら罰金○○円」等の実損害とは別に一定額を徴収する罰金制度は法律上で言う「不履行についての違約金」や「損害賠償の予定」に該当してしまうと考えられます。

例外とは?
原則としては罰金制度は違法ですが、
罰金制度が①賠償請求が目的でなく、社内秩序維持目的の②制裁による減給と認められる場合には罰金制度が合法と認められるケースもあります。

「不適切動画」防止策として罰金規定が「例外」として認められるか、その具体的検討については次回記事にて行いたいと思います。

監視または断続的労働従事者の取扱

2020.03.09

警備員、宿直や専属運転手には残業代を支払わなくてよいか?

警備員、宿直や役員専属運転手など、拘束時間は長いものの、実際の労働時間は長く継続することなく、一作業(巡回や送迎)を終えると、待機(手待ち時間)し再び労働をする、といった場合、企業は労働者の労働時間についてどのように判断すればよろしいでしょうか?
実際に、待機時間(手待ち時間)もすべて労働時間とすると、時間外労働が膨大に増えることが予想され、残業代の負担も併せて気になさる方も多いでしょう。

行政官庁の許可を受ければ、労働基準法の「労働時間・休憩時間・休日」の規定を除外できる

結論から言いますと、宿直や専属運転手等の場合、労働基準監督署に許可を受けることで、労働時間・休憩時間・休日の規定を適用除外とすることが出来ます。
通常、労働者は1日8時間、週40時間を超えて労働した場合には割増賃金(残業代)が発生しますが
監視または断続的労働従事者とは?なぜ適用除外されるのか?
通常労働基準法は労働者を保護するために、労働条件の最低限度を設けております。ただし、労働基準法41条によれば、法41条該当者に対しては、労働時間・休憩・休日の規定を適用ないと規定しております。
この適用除外対象労働者として、「監視又は断続的労働に従事する者で,使用者が行政官庁の許可を受けたもの」が定められています。
「監視又は断続的労働に従事する者」の具体例ですが、
「監視」業務とは、しては、門番、守衛など
「断続的業務」とは寮父母や宿直・日直・役員専属運転手などが挙げられます。

上記の職種がなぜ適用除外の対象となるかといいますと、上記の労働者の労働は、
通常の労働と比較して、常態として身体の疲労又は精神的緊張が少ないもしくは小さいためと解釈されます。
したがって、身体疲労や精神的緊張度の高い業務が含まれる場合は適用除外の対象外となります。
具体的には、「監視」業務の場合に交通関係の監視業務や爆発物管理等危険な場所での監視業務などは、身体の危険性や精神的緊張度は高いと認められ、法41条該当者には当たらない、とされています。また、「断続的労働」業務の場合、ある1日は断続的労働であっても、ほかの日は通常労働である場合には、適用除外である断続的労働者には該当されません。

労働基準監督署に届け出る方法について
監視または断続的労働従事者に該当する社員がいた場合、労働基準監督署長の許可が必要であることは前述したとおりですが、具体的にはどのような手続きが必要でしょうか?
労働基準監督署に提出する必要がある書類として、
・監視・断続的労働に従事する者に対する適用除外許可申請書
・該当労働者の過去の稼働実績が確認できる書類

が挙げられます。

この稼働実績の書類ですが、単に業務内容がわかるものでは足りず、具体的なルーティン、日々のルーティンがわかる書類が必要です。
稼働実績の書類が不十分である場合、補足資料として労働者の雇用契約書や同意書等が求められる場合もございますので、あらかじめ用意しておくと安心でしょう。

なお、実際の審査につきましては、書類審査の他、労働基準監督署より実態調査(労働者に対して簡単な聞き取り調査)が入ることが一般的になりますので、予め、対象労働者との日程調整を行う必要があります。

、労働基準監督署に許可を受けることで、たとえ、時間外労働をしたとしても、残業代を支払う必要がなくなります。また、休日規定も除外されるので、休日労働に対する割増賃金の支払いも必要がなくなります。(ただし、深夜業・年次有給規定は適用されますのでのでご注意ください。深夜業の残業代は必要となります。)

転籍は拒否できるか

2020.02.10

転籍は拒否できるか?
子会社に転籍をさせたい従業員がいた場合、会社は無条件に社員に対し、転籍命令を出せるでしょうか? 従業員が拒否した場合にはどうなるでしょうか?

転籍とは、従来雇用関係のあった会社との労働契約を終了し、新たなに別の会社と労働契約を結びなおすことが同時に行われることを言います。

【転籍は本人の同意が必要】

「転籍」を命じる場合、法律上は労働者の同意(承諾)なくして別の会社の指揮命令下のもとで働かせることは出来ない、とされています。(根拠:民法625条)
就業規則、労働契約等で「転籍」に関する規定があったとしても、本人の個別の同意がない限り転籍をさせることが出来ないというのが、裁判所の見解です。
転籍には労働者個別の同意が必要、というのが大原則となります。
これはあくまでも、転籍は移転先との労働契約の成立を前提とするため、元の会社が規則等により定めていても、労働者は元の会社の規則で制限することは出来ず、元の会社規則等を根拠に転籍を命じることができない、という理論になります。

・労働者本人の同意が得られない場合は?
上記はあくまでも原則論になります。原則としては個別の同意が必要となりますが、以下の条件を満たす場合には個別の同意を必要としない、とされています。
① 親会社の入社案内に子会社が勤務地の1つして明示され、
② 採用面接時に転籍があり得る旨の説明、労働者がそれに同意、
③ 更に転籍によって労働条件が不利益にならず
④ 転籍といっても、実質的には親会社の一部門として扱われており、永年転籍も配転と同様に扱われてきた
上記要件を全て満たす場合には、個別の同意なく、転籍を命ずることが出来ると過去に認められた判例があります。

グループ会社であり、グループ内における雇用調整のための転籍が慣習的に定着している場合には、例外的に認められるケース場合があります。

ただし、この場合でも、転籍後の労働条件の保障は特に重要な要素となりますので、注意が必要です。

・まとめ

「転籍」を命令する場合、原則としては労働者の同意が必要不可欠です。同意が得られないまま、勝手に転籍をさせることは出来ません。
例外的に同意を必要としない場合もありますが、認められる余地は非常に小さいです。
実際に「転籍」命令の同意を得られなかった場合には、従業員との労働条件の擦り合わせをし、同意をもらう方向性に話し合いをする、もしくは出向や配転など別形態での人事異動を模索することになるでしょう。

振替休日と代休

2019.12.13

「振替休日」と「代休」、本来休みの日に出勤させる代わりに他の日に休みを与えるものであり、一見双方ともに同じ意味合いのように思えます。しかしながら、法律上の取り扱いが全く異なる「別物」となります。

振替休日とは?

「振替休日」とは「休日」を予め「労働日」と変更し、代わりに他の「労働日」を「休日」へと変更することを言います。

「振替休日」を行った場合、通常休日とされている日に社員を出勤させたとしても、休日出勤は「労働日」として取り扱われることになり、「休日労働」には該当しません。

振替休日における割増賃金について

「休日労働」には該当しない為、「休日労働」に対する割増賃金(3割5分以上)の支払い義務は発生しません。ただし、「振替休日」が週をまたぎ、勤務週の労働時間が40時間を超える場合、別途「時間外労働」としての割増賃金(2割5分以上)の支払い義務が生じますのでご注意ください。

 

代休とは?

一方の「代休」とは、「休日労働」が実際に行われた後に、代わりに「休日」を設けることをいいます。事後に「休日」を与えたとしても「休日労働」の事実が消えたことにはならず、割増賃金の支払い義務が生じます。

 

代休における割増賃金について

「代休」の割増賃金支払い義務ですが、「休日労働」が「法定休日」(労働基準法で定められた「週1回または4週に4回」与えなければならない休日)に行われたか、「法定外休日」(会社が任意で制定した法定休日を上回る日数の休日)に行われたかによって割増率に差異が生じます。

「法定休日」の場合、割増賃金が3割5分以上の割増率で計算しなければなりませんが、「法定外休日」の場合、週40時間の労働時間を超える場合、「時間外労働」として2割5分以上の割増率が発生することになります。

産前産後の労働者への対応

2019.10.25

妊娠中の女性労働者が軽易な作業への配置換えを申し出た場合、原則として他の軽易な作業へ転換させなければなりません。

また、妊娠中の女性労働者が時間外労働、休日労働、深夜労働をしないことを申し出た場合、時間外、休日、深夜に労働させてはなりません。

使用者は、女性労働者が妊娠、出産、及びその産前産後の休業をしたことを理由する解雇が禁止され、不利益な取扱いが禁止されています。

妊娠中の女性労働者から産前の休業を請求された場合、出産予定日の前6週(多胎の妊娠では14週)以内の産前休業を与えなければなりません。

産後8週間は就業させることが禁止されています。ただし本人に働く意思があり、産後6週間を経過していてかつ医師の支障がないと認めた範囲の業務では働くことができます。

産前産後休業中と、その後30日間は、労働者を原則解雇できません。

生後1年に達しない子を育てる女性労働者は休憩時間のほか、1日2回、各々少なくとも30分、育児時間を請求でき、使用者は育児時間を与えなければなりませんが1日の労働時間が4時間以内の場合は、1日1回の付与で足ります。

これらの請求はパートタイム労働者であろうと変わりはありません。

健康保険の被保険者は産前休業中、産後休業中に出産の日以前42日(多胎の場合は98日)出産の日後、休業中の56日間は「出産手当金」が受給できます。

産前産後休業取得者申し出者の提出により期間中の社会保険料を免除する事もできます。

外国人の雇用

2019.10.21

都心部のコンビニでは多くの外国人労働者を目にします。

また、近年はコンビニ以外の分野でも外国人労働者は増加してきております。

外国人労働者については厚生労働省でも毎年6月に「外国人労働者問題啓発月間」として様々な取り組みをするなど重要視されてきております。

具体的には

・国籍で差別しない公正な採用選考を行っているか?

・労働法規を守り、外国人労働者も労働・社会保険に加入しているか?

・日本語教育や、生活上・職務上の相談に配慮しているか?

・安易に解雇をしていないか?

・外国人の雇入れ・離職時にハローワへ雇用状況の届け出をしているか? などの要点が挙げられております。

事業主は外国人労働者の雇入れ又は離職時には外国人雇用状況届出が義務付けられており 日本の国籍を有しないで在留資格「外交」「公用」「特別永住者」以外の人が対象となります。

日本人と結婚している「日本人の配偶者」の在留資格の人も届出が必要です。

正社員、アルバイト関係なく必要となります。

届出方法は雇用保険への加入状況により変わってきます。

雇用保険の被保険者となる場合は資格取得届を出す事により外国人雇用状況報告となり雇用保険の被保険者とならない場合に外国人雇用状況届出書の提出が必要となります。

外国人雇用状況届出の内容はと言いますと

① 氏名

② 在留資格

③ 在留期間

④ 生年月日

⑤ 性別

⑥ 国籍の属する地域

⑦ 資格外活動の有無

⑧ 雇入れ(離職)年月日 となっております。

子供を雇う時の注意点

2019.10.15

労働基準法では、満18歳に満たない者の労働に関し、特別の保護規定を置いています。 

・最低年齢 

児童は満15歳に達した日以降の最初の331日までは原則として労働者として使用してはなりません。 

ただし、健康・福祉に有害でない軽易な業務に限り、労働基準監督署長の許可を条件に、新聞配達など非工業的事業では満13歳以上、映画・演劇の子役では満13歳未満の児童でも、修学時間外に働かせることができます。 

・年齢証明 

年少者については、年齢証明書を事業所に備えつけなければなりません。年齢証明書は、住民票記載事項証明書でよい事とされています。許可を受けて使用する児童については、修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書及び親権者の同意書を事業所に備えておかなければなりません。 

・年少者の労働時間及び休日 

年少者は法定労働時間が厳格に適用されており、原則として時間外・休日労働を行わせる事ができません。また、各種の変形労働時間制のもとで労働させることもできません。 

・年少者の深夜業 

年少者については、原則として深夜時間帯に労働させてはなりません。 

・危険有害業務の就業制限 

年少者は肉体的、精神的に未熟であることから、危険有害業務に就業させることが禁じられています。 

・未成年者の労働契約、賃金請求権 

労働契約は、例え未成年であっても本人自身と結ばなければならず、親権者や代理人が未成年に代わって締結する事は認められていません。未成年者は独立して賃金を請求することができ、親権者または後見人は未成年の賃金を代わって受け取ってはなりません。

賃金台帳と労働者名簿

2019.10.04

使用者は事業場ごとに各労働者の賃金台帳(法第108条)と労働者名簿(法第107条)を作成しなければなりません。 記入を必要とする事項は下記の通りです。

賃金台帳の記載事項・・・最後の記入をした日から3年間保存

① 氏名

② 性別

③ 賃金計算期間

④ 労働日数

⑤ 労働時間数

⑥ 時間外、休日労働時間数及び深夜労働の時間数

⑦ 基本給、手当その他賃金の種類ごとにその額

⑧ 賃金控除の額

労働者名簿の記載事項・・・退職日から3年間保存

① 氏名

② 生年月日

③ 履歴

④ 性別

⑤ 住所

⑥ 従事する業務の種類(常時30人未満の事業場では不要)

⑦ 雇入れの年月日

⑧ 退職の年月日及びその事由(退職の事由が解雇の場合はその理由)

⑨ 死亡の年月日及びその原因

基本的に全ての記載が必要となります。 記載項目を満たしていれば様式は問われませんので例えば賃金台帳と源泉徴収簿を合わせて調製しても構いません。 いずれの台帳も電子データで記録・保存することができますが、労働基準監督官から求められたときはすぐに表示ができる事、写しを提出できるようにしておかなければなりません。

労働時間の適正な把握&措置

2019.09.30

使用者には労働時間を適正に把握する責務がありますので下記のような措置を講じなければなりません。

使用者は労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、適正に記録すること

原則的な方法
・使用者が自ら現認することにより確認すること
・タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録する事 やむを得ず自己申告制で労働時間を把握する場合
・自己申告を行う労働者や、労働時間を管理する者に対しても自己申告制の適正な運用等ガイドラインに基づく設置等について、十分な説明を行うこと
・自己申告により把握した労働時間と、入退場記録やパソコンの使用時間等から把握した在社時間との間に著しい乖離がある場合には実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること
・使用者は労働者が自己申告できる時間数の上限を設ける等適正な自己申告を阻害する措置を設けてはならないこと。さらに36協定の延長することができる時間数を超えて労働しているにも関わらず、記録上これを守っているようにすることが労働者等において慣習的に行われていないか確認する事。

賃金台帳の適正な調整
・使用者は、労働者ごとに、労働日数、労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間といった事項を適正に記入しなければならない事
労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれている時間の事を言います。業務上義務付けられている研修、教育訓練等も該当しますのでしっかりと把握する責務を果たしましょう。

従業員代表の適法な選出

2019.09.27

時間外労働に関する協定(いわゆる「36協定」)などの労使協定を締結する際、従業員の過半数を代表する者を従業員代表として締結することが定められています。 また就業規則を作成・変更する際にも、従業員代表の意見を求めなければなりません。
従業員代表の選出については、労基法の規定する監督または管理の地位にある者ではないこと、投票や挙手など民主的手続きによって選出された者であること、という2つの要件を満たす必要があります。
「監督または管理の地位」とは、経営者と一体的な立場にある状態を指し、肩書きや名称に関係なく、その実態で判断されます。また親族を選出する場合は労働者側から見ると使用者との関係性を強く感じてしまい労使間の締結の意味も薄れてしまいますので選出はできないでしょう。
使用者は選出された従業員代表に対して、過半数の代表であること、あるいは過半数代表になろうとしたことを理由に、不利益な取り扱いをしてはいけません。
こうして従業員代表を民主的手法で選出するのは、一義的には「法令で定められているから」であり、また「労使間の紛争やトラブルを適切に解決するため」です。しかしそうした“守り”のねらいだけでなく、過半数の代表を選ぶ過程を通じて、従業員に企業経営への参加意識を持ってもらうことにも大きな意味があります。従業員間はもとより労使間の風通しも良くなり、トラブルの未然防止というメリットも期待できるでしょう。

労働条件の調査

2019.09.13

労働基準監督署が重点業種を選定して書面の通知書が届き労務の調査をします。

調査項目は労基法の基本部分でもある下記となります。

労基法第15条 労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間等の法定事項を書面の交付により明示していない事

労基法第89条 常時10人以上の労働者を使用しているにも関わらず、就業規則を作成(変更)し、所轄労働基準監督署に届出ていない事

労基法第108条 賃金台帳を調製していない事。

賃金台帳に労働時間、労働日数を記入していない事

労基法第32条 時間外労働に関する協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届出ていないにも関わらず法定労働時間を超えて労働させている事

労基法第35条 休日労働に関する協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届出ていないにも関わらず法定休日に労働させている事。

労基法第24条 書面による協定を締結していないにも関わらず●●を賃金から支払っている事

労基法第37条 ●●を割増賃金の基礎となる賃金に算入していない事

安衛法第66条 労働者に対し1年以内毎に1回、定期に健康診断を行っていない事(深夜業務に従事する労働者は6カ月以内毎に1回)

提出を要求される資料は下記となります。
・就業規則
・賃金台帳
・タイムカードや出勤簿等、労働時間の記録がわかるもの
・36時間外協定
・変形労働時間制の届け出
・雇い入れ通知書
・賃金が最も低い者の資料
・健康診断の結果報告書
労務の基本でもありますので調査に備えるのでは無く日頃からの整備を心掛けましょう。

サマータイムの導入に必要な届出

2019.09.06

最近では「東京オリンピックにもサマータイムの導入を」という動きがあります。 

サマータイムとは、夏は日が長いので、時計の針を早めようというものです。 

夜の明るい時間が増える分、アフター5の充実が図れるというのがサマータイムの趣旨であり、近年の流れから導入を考えている企業も少なくないかと思われます。 

では、「○月~○月は就業時間を繰り上げるぞ」という形で即座にスタートできるのでしょうか? 

労働時間は変わらないからいいのではと思われがちですが、始業・終業時刻は労働者にとって重要な労働条件であり、労働契約を構成する要素の1つです。出勤時間を早めることによって不利益を感じる労働者もいるということを前提に考えなくてはなりません(幼児の送り迎えが必要な場合など)。 

そこで就業規則等の変更が必要となってくるかと思われます。
就業規則
の多くに通常記載されている労働時間規定にある「業務の都合により、始業・就業時刻、休憩時間を繰り上げ、または繰り下げることがある。」
という条文の解釈によって、就業規則を改定せずにサマータイムを運用できないかということですが、この規定の解釈によって運用できるのは気象悪化などを例にしたスポット的な就業時間の変更の範囲と捉えた方が自然だと思います。
 

また、従業員への周知の意味でも労使合意のもと就業規則の変更届を所轄の労働基準監督署へ届出することが必要になります。

最低賃金と労働時間

2019.09.02

最低賃金は各都道府県で設定されています。正社員はもちろん、パート、学生アルバイト関係なく、とにかく働く人に対し経営者は、設定以上の額を支払わなければ最低賃金法違反となります。この違反には、50万円以下の罰金が定められています。 

最低賃金は時給での提示となっているので、時給制の人は違反かどうか一目瞭然で分かりやすくいいのですが月給制の人は、いろいろ計算する必要があります。特に、基本給15万円~17万円(東京都参照)くらいの従業員は確認をしておいた方がいいでしょう。 

「時間あたりの賃金」(時給)を計算するには。まず、会社の「年間所定労働日数」、つまり1年間のうち、何日間の出勤日があるのかを確認します。こちらの確認方法は年間休日日数を算出して365日から年間休日日数を引くのが分かりやすいかと思います。 

年間所定労働日数」に「1日の所定労働時間数をかけます。これで、1年間の労働時間が計算されます。この数字を12ヶ月で割れば、「1ヶ月あたりの平均所定労働時間」となります。 

あとは月給額を、この「1ヶ月あたりの平均所定労働時間で割れば時給が算出されます。この金額が、各都道府県で設定されている最低賃金より多ければ大丈夫ですが少なければ、違法状態ですから、会社は対策を取らなければなりません。 

対策といっても賃金を上げるか休日を増やすかのどちらかになりますが、繁閑の差がある場合などは閑にあたる時期の業務時間を少なめに調整するなどの処置も考えられます。

36協定

2019.08.09

法定時間外・法定休日労働をさせる場合にあらかじめ「時間外労働・休日労働に関する協定」を事業所を管轄する労働基準監督署に届ける必要がでてきます。この協定を通称「36協定」と呼んでいます。 

労働基準法36条に規定されていることから通称で「サブロク協定」と呼ばれています。 

会社と労働者の過半数を組織している労働組合(過半数労働組合)が協議の上締結します。過半数労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する過半数代表者が会社と協定を締結します。 

36協定は事業場単位で締結し届け出る必要があります。工場・支店などがある場合は、その工場・支店などがそれぞれ 1つの事業場になりますので工場・支店ごとに 36 協定を締結し、それぞれの所在地を管轄する労働基準監督署長に届け出る必要があります。 

36協定は労働者に見やすい場所への掲示、書面の交付等が必要となります。 

業務の繁忙など臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わせなければならない「特別の事情」が予想される場合には、特別条項付き協定を締結することによって限度時間を超える時間延長をすることができます。 

法定休日に労働させる必要がある場合には具体的自由、業務の種類、労働者数、労働させることのできる休日、始業及び終業の時刻を協定します。 

36協定を締結せずに残業や休日労働をさせた場合は労働基準法違反になり、会社に6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

算定基礎届について

2019.08.05

健康保険料と厚生年金保険料は、「標準報酬月額」で決まります。 

その「標準報酬月額」を1年に1回届け出ることを「算定基礎届」と言います。 

71日現在、在職している社会保険加入者が算定の対象者です。 

61日以降に新たに社会保険に加入した方は、標準報酬月額を届け出たばかりなので算定の対象外となり、4月~6月の固定的賃金の変動により、標準報酬月額が2等級以上の差が生じ、随時改定に該当した人も対象外となります。 

毎年4月~6月の3ヶ月間の平均給与月額から標準報酬月額をもとにどの等級に当てはまるかによって決まります。 

しかし入院による欠勤などの理由で、ある月の労働日数が他の月よりも少なくなっているという場合も考えられます。給与計算の対象となる労働日数を「支払基礎日数」と呼び、その数が17日に満たない月は標準報酬月額の計算から除外され該当する月のみを計算します。 

算定に用いる報酬は被保険者が事業主から労務の対償として受けるもので原則として金銭、現物の別を問わず全てをいいます。
ただし、臨時に支給されるものや労務の対償とはいえないもの、3ヶ月を超える期間ごとに支給されるものは報酬から除かれます。 

71日から710日の間に年金事務所(又は健康保険組合)へ届け出ます。 

算定基礎届は、手続きや内容が少々複雑なものになっていますが、保険料と将来受け取る年金を決定する大切な届出です。

労働保険の年度更新

2019.08.02

労働保険とは、労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険の2種類の社会保険の総称です。以上の保険は給付などにおいては別々に取り扱われますが、保険料の徴収は、「労働保険」として取り扱われています。 

労働保険の保険料は、毎年41日から翌年331日までの1年間を「保険年度」として、すべての労働者(雇用保険については、被保険者のみ対象)に支払われる賃金の総額に、その事業ごとに定められた保険料率を乗じた額に一般拠出金を足して算定します 

一般拠出金とはアスベスト健康被害救済のために全事業主に課されます 

労働保険を計算する上で注意が必要なのは役員で雇用保険の資格がある人や、免除対象高年齢労働者がいる場合です。 

取締役であって、同時に部長や支店長、工場長など、従業員としての身分を有する人は 

雇用保険の被保険者となっている場合がありますこのような使用人兼務役員が受けている給与のうち、実質的な役員報酬は労働保険の算定基礎賃金には算入しません。 

免除対象高年齢労働者は、保険年度初日(41日)において、満64歳以上の高年齢者です 

最終的に前年度に納付した概算保険料と今回の確定保険料との差額の過不足による調整を行います。 

年度更新の手続きは、毎年61日から710日までの間に行います。申告・納付が遅れると延滞金がかかる場合もありますので、期日までに手続きが完了できるように対応しましょう。

公正な採用

2019.07.22

日本では日本国憲法(第22条)により、基本的人権の一つとして全ての人が「職業選択の自由」を保障されています。


これは、誰でも自由に自分の適正・能力に応じて職業を選べるということであり、これを実現するために雇用する側(会社側)が応募者に広く門戸を開いた上で、適正・能力のみを基準とした「公正な採用選考」を行うことが求められています。


「公正な採用選考」を行う基準は

①応募者に広く門戸を開くこと

②応募者の持つ適正・能力以外のことを採用基準にしないこと


適性・能力に関係のない事項は、それを採用基準としないつもりでも、 応募用紙に記載させたり面接時に尋ねたりすれば、その内容は結果と してどうしても採否決定に影響を与えることとなり、就職差別に繋がる恐れがあります。



具体的にどんなことに配慮すれば公正な採用選考を行えるのか

公正な採用選考をする上では、下記のような事項を質問することについて注意が必要です。



<a.本人に責任のない事項>

・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)

・家族に関すること(職業、続柄、病歴、地位、学歴、収入など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)

・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)

・生活環境・家庭環境などに関すること

<b.本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)>

・宗教や思想に関すること

・人生観、生活信条に関すること

・尊敬する人物に関すること

・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること

・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

<c.採用選考の方法>

・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施


上記に例示した全てを杓子定規に適用するばかりでは有意義な選考ができないこともあるでしょう。例示した項目を参考にしつつ、差別的な意図を持って採用選考をしない心構えが重要だと思います。

定期健康診断の報告

2019.07.05

「常時50人以上の労働者を使用する事業者」は、労働者に対し、労働安全衛生法で定められた健康診断を実施し、その結果を「定期健康診断結果報告書」として所轄労働基準監督署長に報告することが義務付けられています。


この定期健康診断結果報告書の提出義務者となる「常時50人以上の労働者」の定義は、正社員以外にも、日雇い・パートタイマー等の臨時的労働者を含む労働者数で、常態として50人以上であることとされています。


一方で、定期健康診断の実施対象となる労働者は「常時使用する労働者」とされていますので、提出義務の有無を定義する労働者数と実際に健康診断を受診すべき労働者数が同じでない点に注意が必要です。
また、常時雇用する労働者が50人未満の場合、労働基準監督署への報告事務はありませんが、法定の健康診断の実施義務は免れませんので、対応漏れにはご注意ください。
健康診断の結果については、健康診断個人票を作成のうえ、5年間保管しておく義務があります。

各企業から労働基準監督署へ提出された報告を基に、健康診断の有所見率の全国平均が厚生労働省から公表されますので全国平均と会社の統計データを比べることで、労働者個人の健康状態だけでなく、集団としての健康状態の分析が可能です。社員の健康状況を把握するとともに、会社全体の健康も見つめなおしていきたいところであります。

ダブルワーカーを雇用した場合の時間外割増の計算

2019.06.27

副業をしている場合、ダブルワークをしている場合の労働時間について、労働基準法第38条第1項では次のように定めています。

 

労働基準法第38条第1項

事業場を異にする場合も、労働時間の適用に関する規定の適用については通算する

 

ここで「事業場を異にする」とは、「事業主を異にする場合を含む」(昭23.5.14基発第769号)と解されています。2つ(以上)の事業主相互にはまったく資本・商業関係がなく、労働者本人の独自判断で複数の勤め先を確保する場合でも、労基法第38条は適用されます。ですから、2つの事業場で働いた時間を「通算して」、1週40時間、1日8時間を超えたら、割増賃金の支払い義務が生じます。

 

どちらが残業代を払うか

また、割増賃金の支払義務については、「時間外労働についての法所定の手続を採り、割増賃金を負担しなければならないのは、通常は、時間的に後で労働契約を締結した事業主と解すべき」とされています(労基法コンメンタール)。後から契約する事業主は、「労働者が他の事業場で労働していることを知りながら、契約を締結する」立場にあるからです。

 

とはいうものの、労働者が副業を正直に申告してくれるとは限らないこともありますから、取扱には曖昧な部分が残ります。副業を認める流れにある中、法整備が求められる箇所でしょう。

パートタイマーへの労働条件の通知

2019.06.23

労働基準法では、パートタイム労働者も含めて、労働者を雇い入れる際には、労働条件を明示することが事業主に義務付けられています。特に、「契約期間」「仕事をする場所と仕事の内容」「始業・終業の時刻や所定時間外労働の有無、休憩・休日・休暇」「賃金」「退職に関する事項」などについては、文書で明示することが義務付けられています。(違反の場合は30万円以下の罰金に処せられます。)

 

パートタイマーに特に注意する3つの明示事項

近年、パートタイマーやアルバイトなど多様な働き方も増えていることから、パートタイム労働法では、「昇給の有無」「退職手当の有無」、「賞与の有無」の3つの事項を文書の交付など(3つの事項についてはパートタイム労働者が希望した場合は電子メールやFAXでも可能)により、速やかに、パートタイム労働者に明示することが義務付けられています。

 

昇給と賞与について

昇給や賞与の支給を事業所の業績やパートタイム労働者の勤務成績などによって支給するケースで業績などによっては支給されない可能性がある場合や、退職手当を勤続年数に基づき支給するケースで、所定の年数に達していない場合は支給されない可能性がある場合は、制度は「有り」とした上で、「業績により不支給の場合あり」や「勤続○年未満は不支給」など支給されない可能性があることを明記してください。

 

罰則

違反の場合、行政指導によっても改善がみられなければ、パートタイム労働者1人につき契約ごとに10万円以下の過料に処せられます。

 

パートタイマーについては、上記のうち「契約期間の定めと更新の有無、判断基準」は注意して記載し、明示してください。契約更新についてはよくトラブルになります。

人事労務関係の書類の保管義務

2019.06.20

記録の保存について、労働基準法第109条で次のように定められています。

 

使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を三年間保存しなければなりません。

 

この規定は、労働者の権利と労働に関する紛争の解決と監督する上での必要性から使用者=会社の義務として定められているものです。後から揉め事が発覚した場合に「書類を処分した」と言い訳できないようにするためという意味がありそうです。

 

保存方法は紙でないといけないか

保存方法については、労働基準監督署の臨検時等、保存文書の閲覧、提出等に直ちに対応できるシステムになっていて、画像情報の安全性の確保、正確性かつ長期間にわたって復元できる等の要件を充たしていれば電子媒体に保存することも認められています。

 

保存すべき書類

保存すべき書類は次のものです。

 

・労働者名簿

・賃金台帳

・労働契約における労働条件を明示した書類等(雇入れ通知書等)

・解雇予告通知書、その他解雇に関する書類

・災害補償及び賃金に関する書類

・業務災害等の災害に関する書類等

・賃金に関する書類

・労働の対償として使用者が労働者に支払ったすべてのものに関する書類

・その他労働関係に関する重要な書類

その他の書類として、出勤簿やタイムレコーダーの記録、使用者が自ら始業・終業時刻を記録した書類、残業命令書及びその報告書、労働者が記録した労働時間報告書など並びに労使協定書、各種許認可に係る書類等。

 

記録の保存三年間の起算日

三年の起算日については、以下のとおりです。

労働者名簿→労働者の死亡、退職又は解雇の日

賃金台帳→最後の記入日

雇入又は退職(解雇を含む)→労働者の退職又は死亡の日

災害補償→災害補償がおわった日

賃金その他労働関係に関する重要な書類→完結した日

夜勤者の健康診断

2019.05.19

コンビニや一部の飲食店など夜勤業務をさせる場合、会社は一般の労働者よりも頻繁な健康診断を行わなければなりません。これは、深夜労働が人間の本来の生活リズムと違うため、健康に特に注意すべきとみなしているからでしょう。

 

深夜営業をする場合、労働者の健康診断コストもあらかじめ見込む必要があるので注意してください。

 

 

頻度

次の表に示した深夜業などの特定業務に従事する労働者に対しては、当該業務への「配置換えの際」及び「6月以内」ごとに1回、定期的に、定期健康診断と同じ項目の健康診断を行わなければなりません(ただし、胸部X線検査については、1年以内ごとに1回、定期に行えば足りることとされています)。

 

ちなみに、一般の労働者の場合、定期健康診断は1年に1回の頻度で行うよう義務付けられています。

 

 

特定業務一覧(労働安全衛生規則13条 第1項第2号に掲げる業務)

・深夜業を含む業務

・多量の高熱物体を取り扱う業務および著しく暑熱な場所に置ける業務

・多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務

・ラジウム放射線、X線その他の有害放射線にさらされる業務

・土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務

・異常気圧下における業務

・さく岩機、鋲打機等の使用によって、身体に著しい振動を与える業務

・重量物の取り扱い等重激な業務

・ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務

・坑内における業務

・水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務

・鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭酸、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務

・病原体によって汚染のおそれが著しい業務

・その他厚生労働大臣が定める業務

試用期間中の社会保険

2019.04.15

「試用期間中だから社会保険や雇用保険をかけなくて良い」というのは誤解です。

 

正社員、アルバイト、パートタイマー、契約社員などの呼び名はたくさんありますが、その呼称や給与額に応じて社会保険が適用されるものではありません。

 

社会保険は「原則は全員被保険者となる、ただし労働時間や労働日数が通常の労働者(常用労働者)と比べて一定以上短い(4分の3未満)場合、または臨時の雇用の場合は対象から外すことができる」という形になっています。

 

臨時の雇用の場合とは、次の通りです。

 

・日々雇い入れられる者(1ヶ月を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く)
・2ヶ月以内の期間を定めて使用される者(2ヶ月を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く)
・事業所又は事務所で所在地が一定しない者に使用される者
・季節的業務に使用される者(継続して4ヶ月を超えて使用されるべき場合を除く)
・ 臨時的事業の事業所に使用される者(継続して6ヶ月を超えて使用されるべき場合を除く) 等



試用期間中は本採用を前提に設けられており、2か月を経過した後に正社員として雇用することを前提にしているのであれば、最初から社会保険に加入することになるのが通常でしょう。

 

短い場合も対象となる場合

法改正により、勤務時間・勤務日数が、常時雇用者の4分の3未満であっても、以下の①~⑤全ての要件に該当する場合は被保険者になります。


① 週の所定労働時間が 20 時間以上あること
② 雇用期間が 1 年以上見込まれること
③ 賃金の月額が 8.8 万円以上であること
④ 学生でないこと
⑤ 被保険者数が常時 501 人以上の企業に勤めていること