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GOLGOのひとりごと

注目すべき厚生年金の「現状と今後」

2011.12.01

少子高齢化、働き方の多様化等の影響から厚生年金は改正を続け、
今後さらに大きな改変がなされそうです。

昨今の法改正に向けての議論動向も踏まえて、
本稿では厚生年金の現状と今後を整理します。

キーワードは「保険料負担」「支給開始年齢」「定年制との関係」です。


【厚生年金の現状】

<1. 保険料負担について>
厚生年金保険料は、各被保険者の標準報酬月額及び
標準賞与額に保険料率を乗じて決まりますが、

平成16年から平成29年まで段階的に保険料率が
毎年0.354%ずつ上がっていくことが決まっています。

社員の標準報酬月額に変動がないと仮定しても、
保険料総額はじわじわと上がり続けることになります。

≪試算例≫
被保険者数30名、標準報酬月額は全員30万円と仮定。

平成23年9月    30万円×16.412%×30人=1,477,080円
平成29年9月    30万円×18.3%×30人=1,647,000円

月額で総額169,920円の保険料上昇となります。

上記のことから、被保険者の保険料負担の面でも、
会社の人件費の増加見込みについても、
何らかの対策を検討する必要があるといえます。

<2. 支給開始年齢について>
老齢厚生年金の支給開始年齢について、平成6年以降の法改正により、
現在60歳から段階的に65歳に引き上げられている最中です。

昭和24年4月以降に生まれた人(男性の場合)は、
65歳からの老齢厚生年金支給となります。

<3. 定年制との関係について>
前述2のように、老齢厚生年金の支給が段階的に遅れていく現状にあるため、
その間の所得保障の必要性から定年年齢の引き上げが奨励されています。

現在は65歳までの何らかの継続雇用措置義務が法律上定められています。

企業は「若年者受け入れ」と「高齢者の雇用延長・再雇用等」という、
ある意味では相反する要求をされている現状がみえます。

【今後の改正が検討されている事項】
※ いずれも改正案の段階であり確定事項ではありません。

<1. 保険料負担について>
厚生年金標準報酬月額の等級の上限の引き上げが検討されています。
(現状62万円が上限)

報酬額が63.5万円を超える場合、保険料負担の増加となります。

<2. 支給開始年齢について>
支給開始年齢を、現行の65歳から
さらに68~70歳まで引き上げることが検討されています。

また、在職老齢年金における年金の支給停止の仕組み
(サラリーマンをしながら年金を受け取る場合の年金カット)
を見直すことも検討されているようです。

いずれも動向に注意しなければなりません。
厚生年金についてのご質問は、お気軽に当事務所までお寄せください。

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