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GOLGOのひとりごと

リモートワークでの労働時間の管理方法

2021.09.13

リモートワークが普及するに伴って、遠隔地での労働時間管理方法について取り決めをしなければならない場面が増えました。一昔前に見られたような出勤のハンコだけを押す簡易な方法では足りないにしても、労働基準法上、どのような点に気をつければいいでしょうか。具体的に解説していきます。

 

 

1、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置

労働基準法上、労働時間を適正に把握するためとして、次のことが義務付けられています。

 

①始業・終業時刻の確認・記録

「使用者は、労働時間を適正に管理するため、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること。」

 

使用者には労働時間を適正に把握する責務があります。

労働時間の適正な把握を行うためには、単に 1 日何時間働いたかを把握するだけでなく、労働日ごとに始業時刻や終業時刻を使用者が確認・記録し、これを基に何時間働いたかを把握・確定する必要があるとされています。よく「日毎の出勤・欠勤などを示すだけ」の出勤簿がありますがそれでは足りず、その日に「何時から何時まで働いたか」を記録しなければならないことを指します。テレワークの場合も同じく、ただ働いたか働いていないか以外に、開始終了の時刻もなんらか確認して記録しなければならないことになります。

 

なぜ管理の必要があるか

主に労働者の健康、安全のためです。労働時間の管理がずさんだと長時間労働などにより健康が脅かされる可能性があるため、使用者(会社)に管理義務を負わせています。

 

②記録方法

始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法について次のように定められています。

 

使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。

 (ア) 使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること。

 (イ) タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。

 

(ア)について

「自ら現認する」とは、使用者(会社の社長など)あるいは管理者が、「直接」始業時刻や終業時刻を確認することを指します。「直接」の考え方として、タイムカードなどを押す姿を一人一人直接目で確認するまでの厳格さは求められないまでも、事実の通り打刻されているかを時々確認するような姿勢が望ましいでしょう。なお、確認した始業時刻や終業時刻については、該当労働者からも確認することが望ましいとされています。

 

(イ)について

タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基本情報とし、必要に応じて、例えば使用者の残業命令書及びこれに対する報告書など、使用者が労働者の労働時間を算出するために有している記録とを突き合わせることにより確認し、記録して下さい。

なお、タイムカード、ICカード等には、IDカード、パソコン入力等が含まれるとされます。

つまり、記録方法の客観性をきちんと担保しなさい、という基準が示されています。

よく労働時間をめぐる裁判ではタイムカードやパソコンのログを資料として用いられますが、それらが客観性が高いとされているからでしょう。

 

テレワークをしている労働者の時間管理については物理的なタイムカード打刻はできないため、クラウド勤怠などのシステムを使って客観的事実を記録をすることが求められます。

 

③自己申告制により行わざるを得ない場合

自己申告制により行わざるを得ない場合、以下の措置を講ずるべきとされています。

 

・自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。

 

→これは、例えば労働者に対して「自己申告の時間は丸めたりせず、1分単位で事実の通り記録してください。私用で離席するときも分単位で記録してください」などルールを説明することを指します。逆に、「正直に分単位で記録したらマズいでしょ!空気を読みなさい!」などといった正しい申告を邪魔するような説明をしないこともこれにあたります。

 

 

・自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施すること。

 

→「必要に応じて」とは、例えば労働組合や労働者側から「不適切な労働時間管理だ」など指摘があった時などを指します。労働時間実態調査は、労働者への聞き取りやパソコンのログ、メール使用状況等から確認することです。

 

・労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じないこと。また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること。

 

→これは、「残業は月◯◯時間までだからな!出勤簿に書くなよ!わかってるな!」などの圧力で事実と異なる勤怠記録をしないように、という意味です。

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