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GOLGOのひとりごと

MGの決算はなぜ手書きなのか?

2024.06.23

決算の目的は何でしょうか?

BSやPLを作ること。それは経営の結果を数値で把握することです。
だとしたら、MGでわざわざ手書きで決算をする必要はないんじゃないか?
そう考えるのは自然なことです。
だって、パソコンで1秒で決算をしても、その目的は叶えられるわけですから。

ところがMGを継続して学んでいる人たちは、誰もそんなことは言いません。
一回だけ受けてもうやりたくないというような人からしか、そんな意見は聞こえてこないのです。

だとしたら、MGの決算の目的は他にも何かあるということになります。

以前にも書きましたが、マトリックス会計表の決算で差額が出ているのに間違いが見つけられず、新しい用紙でやり直したいという人はたまにいます。
私はそれを許可しないのですが、その理由は手書きで決算をすることの理由と同じです。

結果が出せればいいのであれば、パソコンを使おうが、新しい紙を使おうが、なんでも良いということになります。
・なぜ手書きで決算をする必要があるのか?
・なぜ新しい用紙で決算をやり直してはいけないのか?
そこに本質が隠れています。
それは、MGの真の目的が「単なる経営ノウハウの習得」ではなく、「参加者が人間的成長をすること」だからです。

ひとつはアタマを鍛えること。
もうひとつはココロを鍛えること。

決算の最初のプロセスまで立ち戻って、ひとつひとつ間違いを探してゆく作業は実に根気のいる作業です。
差額が出たということは、どこかで間違えているという事を紙が教えてくれているのですから、これは自分の弱点を見つけるチャンスなのです。
決算の修正プロセスの中で間違えた原因を特定できれば、次から同じ間違いをしないように再発防止策を考えることが可能です。
PDCAで言えばCの部分になります。
これがアタマを鍛えることです。
新しい紙でやり直して、それがたまたま合ったとしたら、経営の結果は知ることができますが、自分の弱点を知ることはできません。
それでは、また同じ間違いをしてしまうことになるでしょう。

ココロを鍛えるとは?
人間(特に大人)はカッコ悪い思いをするのが大嫌いな生き物です。
決算で差額が出てしまって、先に終わった人たちが待っている状況の中で脂汗をかきながら間違い探しをすることは、誰だって避けて通りたいことでしょう。
私も最初の方のコラムで書いている通り、MGをはじめた当初にそういう思いを散々しました。
できない自分がもどかしくて恥ずかしくて、周りの参加者の顔を見ることもできないこともありました。
なんとかして早く終わらせたい。それができないなら、このまま逃げて帰りたい!というのが本心でした。
でも、そういう横着な心に従って生きていったら人間は幸せになれるのでしょうか?
皆さんはそんなに世の中は甘くないことを御存知ですよね。
自分の課題から逃げていても、きっといつかはツケを払わされることになると・・・。
ココロの問題につまづくことが人間の習性だと言っても過言ではない気がします。
横着心=人間の弱さ
MGの決算を通して自分の横着心に打ち勝つことを覚えれば、きっと様々な場面でそれが役に立つはずです。

シニアルールをやってくださいとか、(今までは書けと言われてこなかった)キャッシュフロー計算書を書いてくださいとか、そういう課題を与えられた時につい後ろ向きの姿勢になってしまう方がいます。
私もこういう厳しいことを言うインストは嫌われることは知っているのですが、何のためにMGをやっているかを考えれば、その人の成長のために課題を与えてあげることは本当は大事なことだと思うんです。
(最近のゴルゴMGでは学生の皆さんがシニアルールやキャッシュフロー計算書に率先して取り組んでくれていますので、大人の方も自然と背筋を伸ばさざるを得なくなっている感じがします)

ココロを鍛えるというのは、自分の横着心に負けない素直さを持つということ。

あれほどコンピューターが大好きな西先生が、決算だけは手書きを貫くのは、きっとそういうことなのだと思います。

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