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MG(マネジメントゲーム)セミナー

GOLGOのひとりごと

小さな会社の強味を生かす方法をMGでやってみた

2018.12.01

スワロースポーツMGに参加してきました。そこで経験したゲームの中での気付きを書こうと思います。

3期終了時点で自己資本198、次繰チップ赤3枚黄色1枚、キャッシュ16円だった会社が、5期終了時点で自己資本457のS++で2位の成績となりました。

元々、赤チップ戦略をやっていたのですが、4期の市場に逆風が吹きました。
シニアのサイコロで1が出てしまったのです。
大阪市場で大量売りをしようと思っていたのですが、大阪市場の最高プライスが21円では利益を稼ぐことは至難の業です。逆に言えば、ここが赤チップ戦略の辛いところであり、知恵を絞らなければならない点でもあります。
同じ卓(C卓)の面々を見渡してみるとそれなりに期数を積んでいて強そうなメンバーです。相手の在庫切れを狙って上の市場で売らせてもらうのも難しそうな気配。青チップの次繰も4枚の人が1人、3枚の人が2人、1枚の人が2人で自分だけゼロの状態。

ここで私はいくつかの戦略オプションを考えました。
1.大阪市場で21円でたくさん売る。
Mが6円のため、Fを300円としても50個売ってやっとトントン。かなり厳しい。
2.青チップを1枚特急して、名古屋市場で売る。
Mが12~13円、Fが340円のため、損益分岐点は28個。でも、青3枚組に乗って来られたら厳しくなる。青1枚組が特急してくる可能性もある。
3.青チップを3枚特急して、30円以上の市場に参入する。
Mが15円、Fが420円で損益分岐点は28個。期首キャッシュが足りないため、無理がある。仮にキャッシュがなんとかなっても共倒れになりそう。

どれもイマイチ実現可能性が低そうです。赤チップ3枚の次繰をしたことを後悔しましたが、そんなことを言っても始まりません。青チップの次繰をするという当たり前のやり方ではなく、敢えて赤でやってみることを自分に課しているのですから当然ですが。

そこで、あらゆる選択肢を検討してみた結果、試してみる価値のありそうな戦い方がひとつ見つかりました。
まず、赤チップ3枚は次繰盤から下ろさず5期に持ち越します。これはこれで、広告成功や広告失敗を引いた時のリスクを考えないではないのですが、そのリスクは受容することに決定。
コンピューターを買うのをやめて、中型機械と教育チップで製造能力3の販売能力3。そして最後にセールスマンの引き取り手を募集したところ、すぐに希望者がいて話がまとまりました。1人体制で配転しながら製造販売を行う予定です。
もちろん倉庫は使わず、予想F150円の会社ができました。これなら28円で10個くらい売ればトントンになります。問題はどうやって28円で売るかなのですが、これには秘策がありました。

これまでのMGで自分が大きな会社を経営している時に、市場に小さな会社が混ざっていると実にやりにくいということを以前に経験していたのです。なぜやりにくいかと言うと、自分が5個とか7個売れる体制の時に2個とか3個の売り方をされると、仮に自分が入札に勝てたとしても行を無駄に使ってしまい、トータルで利益が減ってしまうからです。だから正直、そういう会社の入札にはあまり乗りたくありません。逆に、そういう会社が縁故採用を引いたりして販売能力が5個になったりすると、あっという間に強豪の餌食になることがあります。
つまり、青チップにたくさん投資していたり、大型機械を持っていたりする企業は、弱小の会社の入札に乗ることがあまりオイシイ話ではなくなってしまうということなのです(これも一種の定性分析ですね)。
そこでこの力関係を利用することにしました。
販売能力3を使って、名古屋と福岡と札幌に1個ずつ入札し、毎回別々に入札を行うのです。そうすると、乗ってきた競合企業は仮に競り勝ったとしてもたった1個の売りのために1行を使うことになってしまいます。
通常の戦略では行あたりMQを最大化するというのがセオリーなのですが、逆にFを最小化して、大手企業の合間を縫ってMQを稼ぎ、来期への次繰に投資するというのが今回の戦略でした。


ここで懸念されるのは、来期への投資がどのくらいできるか?ということです。投資をしたくても、その分のキャッシュが無ければできません。そこで、CFMGで培ったキャシュフロー計算書の知識が生きてきます。
営業CF=G+F5-WW-SS
投資CFは機械の売り買いをしないのでゼロ
財務CF=第2ルールの新規借入100円-返済22円=78円
来期への投資とはSSのことなので、仮に5枚の青チップを買い足すとしたらSS=100円。このうちの78円はすでに財務CFで賄われているため、営業活動で稼ぎ出さなければならないキャッシュは22円で済みます。F5が26円なので、WWが増えなければG=0でも十分に賄えることが分かります。在庫は元々10個持ってスタートなので、在庫の補充を後回しにすればもっとキャッシュに余裕が出ることが分かります。

もう一点、行数のことにも触れておきます。
今回、4期は40行でしたので、中間決算や期首処理を考慮するとカードを引く順番が回ってくる回数は約37回。そのうちリスクカードが8回あるとして、残りは29回。10個28円で売れればキャッシュは回る計算のため、目標Qを10と考えます。製造能力3のため、材料を買う回数は期首在庫も考慮すると2回、完成投入は3回。次繰チップは6枚買うと考えると、ここまでで意思決定11回。残り18回の意思決定で10個売ればいい。

実際のゲームがどうなったか?
資金繰表とMX会計表をご覧ください。

結局、蓋を開けてみると青チップ1枚組の2人が入札に乗ってきたり、返品を引いたりしたため、販売個数は9個、PQは272円でした。到達行は31でGも-14と1個分足りない感じでしたが、資金ショートもせず、目標としていた次繰も達成できました。

5期は9枚の次繰チップを持ってE卓へ行き、大型機械を買い足して、人を2人雇って9個製造9個販売の体制で444円のGを稼ぎ、自己資本457で2位に入ることができました。

実際にミニマムな会社を経営してみると、普段軽視している数々の要素に気付きます。
・教育チップの効果の絶大さ!(たった20円のFで会社の規模を1.5倍にしてくれるありがたさ)
・巨大会社も零細企業も与えられた行数は同じであること(1日は24時間しかないのは皆同じ)
・巨大会社も零細企業も第2ルールの100円長借は同じ(零細企業にとってこの100円のキャッシュは大きい!)
・Fが軽い分だけ研究開発にタップリと時間を掛けられる(その気になればあと2枚次繰を増やす余裕があった)
・零細企業はリスクも小さい(初っ端にセールスマン退職を引くも、ワーカーに配転中であったため被害なし。倉庫なしでは怖い火災も、在庫を溜めない経営ではそれほど怖くない。リスクで怖いのは教育失敗と得意先倒産だけ)

MGではコストリーダーシップ戦略(規模の経済)がセオリーと見られがちですが、今回は弱小企業にもちゃんと強味があることを再認識しました。
これまで赤チップ戦略には何度もトライしているものの、サイコロで1が出てしまうと手も足も出なくなってしまうことがほとんどでしたが、初めてその状況を打破することができたのは嬉しかったです。
そしてよく考えてみると、リアルで自分がしていることとそっくりなような・・・。
・零細企業ならではの強味を常に意識する。
・規模の経営ではなく、量より質の経営をする。そのためには経営者自らが自己投資に時間をしっかり掛ける。
・恐竜を滅ぼすような環境変化にも零細企業は耐えて生き延びる。リスクと真剣に向き合う。
・ミニマム規模でも一人前に貰える助成金や消費税の免税など、使える諸制度をずる賢く活用する。
・零細企業だからこそ、人間関係は最重要。社員に見放されたら零細企業は終わり!

年内に経験期数400期に到達する予定ですが、MGは今だに新しい発見があります!

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