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GOLGOのひとりごと

有給休暇は本当に社員の希望した日に与えなくてはならないのか?

2012.12.28
労働基準法第39条使用者は、その雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、または分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。

 

確かに法律上は、このように会社側に義務づけられています。
極端な話、これに違反すると「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」が課せられる可能性もあります。社長が半年もの間、刑務所に入れられるとしたら・・・大変ですよね。

これだけ情報ネットワークが発達した時代にあって、有休を拒否するというのはさすがに通りません。労働者も自分たちに権利があるというのはよく知っています。

では、実際にはどのあたりまでが許されて、どういうことをしたらヤバイことになるのでしょうか?

まず、社員側には、有給休暇の時季指定権という権利が認められています。これは社員がいつでも好きな日を有休として指定できるという権利です。

ただ、この権利も無制限に認めてしまうと今度は会社側が回らなくなってしまいます。なので、会社側にも時季変更権という権利があるのです。

つまり、原則として社員の側が有休の時季を指定できるが、それが業務上どうしても困るという場合には、会社側はその時季を変更することができます。

だったら、有休取得を来年に変更するというのも許されるのでしょうか?
この点に関しては、過去に裁判になったことがありました。
その結論は「会社はできるだけ社員の希望日に有休を取らせてあげるような配慮してあげてください」という、なんとも曖昧なものでした。
さて、ここの表現がポイントです。
「会社は○○しなければならない!」ではないのです。

結局この、「時季指定権」も「時季変更権」も、どちらかを厳格に認めれば認めるほど、もう一方の権利が侵害される性質のものなので、その辺はお互いに譲り合って仲良くやってくださいね、という趣旨なのです。

では、実際によその会社ではどのように対処しているのでしょうか?
私の知る範囲では、中小企業でまともに全部有休を消化させている会社なんか聞いたことがありません。
ただし、社員がどうしても休みたいと言ってきた時や、体調を崩した場合などは、有休の使用を認めている会社がほとんどです。

法律を文面通りに守っていれば従業員に納得してもらえるとは限りません。
「うちの会社は分からず屋だ」
と思われたら、社員もやる気を失います。
でも、
「うちの会社は確かにケチだが、それでも本当に必要な時にはなんとか休ませてくれる会社だ」
と思っていてもらえれば、なんとかなっていくものです。
いわゆる腐れ縁という奴です。

だから、どのくらいの時季まで有休取得日の変更が許されるかについては、社員の気持ちを考えるしかないと思います。
少なくとも来年とか、半年後とかでは社員も会社の誠意を疑います。
せいぜい翌週とか、どんなにがんばっても翌月が限度ではないでしょうか?

当事務所では、法律の解釈だけでなく、経営者目線でどのような考え方を身に着けるべきかという視点まで掘り下げてアドバイスさせて頂いております。

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