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GOLGOのひとりごと

日々の所定時間を変形させると有休手当の計算でつまづく可能性大

2019.05.09

フレックスタイム制や変形労働時間制を採用する場合、日々の所定労働時間を変形させることが可能です。 

(例)
月火水木金土日
89599休休


有休 

時給制の労働者に対し、このような変形を行った場合、水曜日の有休に対する給与(有休手当)は5時間分となります。 

 

変形労働時間制は一カ月単位であっても一年単位であっても、必ず予め所定労働時間を変形させることが要件とされておりますので、そのルールを守っている限りは有休手当をいくら払えば良いか分からないといった問題は生じないはずです。 

 

ところが、フレックスタイム制ではそうはいきません。 

始業と終業の時間を労働者の判断に委ねるのがフレックスタイム制なので、ある日に有休を取得したとしても、その日の所定労働時間が何時間かは会社側には分からないことになります。

(例)
月火水木金土日
89?99休休

有休

 

このような場合に、もしこの労働者が時給制だったら、有給手当をいくら払えばいいか?という問題が生じます。

 

(対応方法その1)平均賃金を使用する

平均賃金とは・・・・事由の発生した日以前3か月間に、その労働者に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で除した金額(日額)

・予め就業規則や雇用契約書において有休手当を平均賃金で支払うという決め事をしておく必要があります。

・計算が複雑で手間がかかります。

 

(対応方法その2)標準となる1日の労働時間を使用する

フレックスタイム制を採用する場合には、労使協定の締結が必要です。その労使協定の中で「標準となる1日の労働時間」を定めることとなっております。

・労使協定で定め、周知する必要があります。

・計算に手間が掛かりません。

 

後者の方が圧倒的に便利です。

なお、変形労働時間制を採用しているかのように見せかけて、実際には予め日々の所定時間を決めず、実際に働いた時間に合わせてさもそれが元々の予定であったかのように偽るケースが見受けられますが、これは違法です。通称「結果フレックス」と呼んでおりますが、このようなケースでは、そもそもの変形労働時間制の要件を満たしておりませんので、所定時間の変形そのものが無効となってしまいます。

そうなると、元々の原則どおりの所定労働時間(例えば1日8時間、1週40時間)が適用となり、ここからはみ出した労働時間はすべて時間外労働となります。

そして、このような場合に特に、有給手当の計算ができなくなるのです。
ある日に有休を取得したとして、その日の所定労働時間は元々定められておらず、実際に働いた時間に合わせて所定労働時間を決めるわけですから、有休で休んでいる日の所定労働時間は決めようがないのです。

そして、フレックスタイム制ではないため、標準となる一日の労働時間も決められていないはずです。苦し紛れに平均賃金を使用するくらいしか手がありませんが、有休の都度、平均賃金を算定するのはきっと手間が掛かることでしょう。

今後、有休取得が当たり前になる時代がやってくると思われますが、こうした矛盾点も同時に炙り出されてくることになりそうです。

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