GOLGOのひとりごと

「お金2.0」を読んでみた

2018.02.08

お金2.0
佐藤航陽
https://www.amazon.co.jp/%E3%81%8A%E9%87%912-0-%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%81%AE%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%A8%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%96%B9-NewsPicks-Book-%E4%BD%90%E8%97%A4/dp/4344032152

書評というか、ただの感想文です。
この作者の名前には記憶があった。以前に「未来に先回りする思考法」という本を読んでいたので。これもSNSか何かで流れていて、たまたま興味を持ったのがきっかけで読んでみた。
私は書籍というのはそれが良書であれば価格とは比較にならないくらいの投資効果があると思っているため、たいしたきっかけがなくても、ちょっと面白そうだと思っただけでポチっとやってしまう。なので、おそらく積ん読だけで50冊以上は溜まってると思う(それを愚かな消費とは思わない。書籍など全部を読む必要は元々ない。有効成分だけ吸収すれば目的は達成なので。あと、購入費だけでなく読む時間もコストなので、買った本を全部読んだらそれこそ時間の無駄遣いだ)。

前著の方だが、これは先見性をいかにして身に付けるかといった話。2年くらい前に出た本だが、私が普段、疑問に思っていることの答えが結構書かれていた記憶がある。つまり、面白かったということ。(私から見て)さして有名な著者ではないし、著作もこれだけなので、意外な当たりを引いた気分だった。

で、今回は「お金」がテーマ。
読む前の時点での私のお金に対する思いを箇条書きにするとこんな感じだった。
・ここ数年、世界の様々な国で金融緩和があって、お金の総量がメチャクチャ増えている
・モノづくりより金融業の方が儲かってる世界って健全なのかな?
・フィンテックとかビットコインとか最近話題になってるけど、怖くて手を出せないな~。でも儲かるのかな?
・世の中の変化のスピードがどんどん上がっていて、AIをはじめ色々なテクノロジーが進化してきそうだけど、これから先どうなるんだろう?

はい、読んでみた感想は・・・前著の時の切れ味は鈍ってなかった!
読む前に抱いていたモヤモヤ感が、スッキリと整理配置された感じ。
どんな感じかというと、これまで3次元のものを2次元で見ようとしていて、こっちから見るとこう見えるのにあっちから見ると違って見える・・・これは何だろう?と思っていた気がするが、それを3次元で見れば、一目瞭然だ。

お金というものはそもそも経済というシステムの一部で、経済というのは今ある資本主義とか貨幣経済以外にも取りうる形が色々とあって、それらは全て仕組みによって勝手に回っている。決して誰かがそうなるように仕向けているわけじゃなく、参加者が好きなように行動した結果、ある一定のパターンが生まれたりする。経済の参加者も誰かが集めてきたわけじゃなく、勝手に集まってくる仕組み。

経済を回す小道具としては今あるようなお金以外にもいろんなものが使える。
お金は価値を保存したり、計量したり、交換したりする手段だが、それらの機能は違うものでも代替できる。ビットコインはその中のひとつ。
一方、価値の方も今お金で売り買いされている「有用性」という価値以外にもいろいろ存在する。
価値とは人間の欲求を満たすものなので、モノやサービス以外にも色々ある。
代表的なのが承認欲求。
承認欲求を満たすSNS上での「いいね!」やコメントなどはそれ自体を価値や心の報酬として参加者を行動させる動機となる。つまりSNSも経済システムのひとつであり、そこでは通貨の代わりに承認欲求を満たす価値がやり取りされている。
仕事の「ヤリガイ」とかも価値だ。間違いなく人間の欲求と対になる。それをうまく生み出せているのが「いい会社」なんて言われるが、会社も経済システムだ。

お金でモノやサービスを買うというのが今までの経済だったが、実際にはそのどちらも代替性を持っていて、お金じゃない手段で買うこともできるし、モノやサービスではない価値を買うこともできるようになる。交換は交換だが、交換の主体と対象は様々に変化しうる(軸の固定を外せば次元がひとつ上がる)。

これがお金の正体であり、経済の正体だ。
これまでマンキューとかクルーグマンとか、有名な経済学の本をかじったことはあったが、こんなにズバリと経済の本質を言い当てているのはこの本が初めてだ。
マンキューもクルーグマンも有名な大学の先生だが、著者の佐藤航陽は大学中退だ。母子家庭で貧乏だったので、大学を辞めて起業して、ビッグデータの解析とかをやってるうちに経済の本質が見えちゃったらしい。そう考えると大学はもう終わってるな・・・。

この本には優れた経済システムの特徴がいくつか書かれている。
・報酬
・リアルタイムな変化
・不確実性
・ヒエラルキー(偏り)
・コミュニケーション
・寿命が有限
・共同幻想

世の中の様々な経済システムにこれらの要素を当てはめていくと、見事に合致する。
ちなみにマネジメントゲームも経済システムとしてはとても良くできていることが分かった。
逆に社会主義とか官僚主義とかは停滞を招いて経済システムとしては破綻を招きやすいことも良く分かる。

最後に結論。
この本を読んでどう思ったか?
明日から何を変えればいいのか?
お金も経済もこれからは多様性(選択肢)が一気に増える(分散化)。
たとえば野球しか選択肢が無い時代に野球が苦手な人はかわいそうな人になってしまうが、1000種類のスポーツの選択肢がある時代なら、もしかしたらカーリングで一番になれるかもしれない。
未来の人々は、「昔は国営通貨しかなくて、誰もがそれを取り合って競争していたんですねえ・・・大変な割に報われない世の中だったのですねえ」などと思うかもしれない。
もちろん、経済がなくなるわけではない。おそらく価値のやり取りは今よりも更に加速することだろう。そうなった時に問われるのはやはり価値だ。既存の枠組みにとらわれない新しい価値の在り方にいかに柔軟に対応していくか?
・新しいテクノロジーはとりあえず使ってみる
・面白いと思う事はとりあえずやってみる
・ムダだと分かることには時間を使わない(大学とか)

未来に向けて背中を押してくれる本だと思う。

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