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GOLGOのひとりごと

福井MG 育児休業 好奇心

2024.03.24

福井MGに行くのは今回が初めてだった。

会場があわら温泉の旅館のせいか、ちょっと料金が高かったけれど、とてもいいMGだったと思う。

往きは敦賀から開通したばかりの北陸新幹線であわら温泉まで。まわりの風景の長閑さと新幹線の駅舎の立派さがすごいコントラストだ。

ゲームの方は今回は3期からタバコ屋であまりいいところもなく、一番下のG卓まで落ちて、そこで待っていたのは手強い小学生ふたり!

厳しい入札に苦労したが、最後はなんとか300を超えて終わることができた。

それはそうと、福井はマイツールがとても盛んだった。夜のOA大会が素晴らしい。

技がスゴイとか、メチャクチャ儲けてるとか、そういう派手な話ではなくて、まだ最近触りはじめたばかりだけれど、こんなことやってみたとか、こんなことがわかったとか、とても身近な実践報告が良かった。

誰でもできることの延長線上にスゴイ成果があることが分かると、よし自分もやってみよう!という気持ちになれる。マイツールの敷居を下げてくれる良い場であった。

そんな中、ある社長さんから悩みをお聞きした。

最近、権利主張ばかりする社員に対してどう接していいか悩んでいる。男性で育児休業を何カ月も取りたいと言われたが、まだ誰も取得したことがないし、本人は給付金が出るからと言っているが、会社の業務もある中、何を考えているのか・・・。

社長は会社のみんなと一緒に幸せになりたいと思ってMGやら色々なことを学んで会社に取り入れたいと思っているが、必ずしもそれに響いてくれる社員ばかりではない。

そんなお話の後で西先生の講義があった。

・I型人間、T型人間、V型人間
・マトリックス開発秘話

大まかに分けるとこのふたつのお話。

I型人間とは自分の専門しか分からない人で、こういう人が経営を理解するのは難しい。
T型人間とは、浅くて広い視野と狭くて深い専門領域を持っている人間のこと。I型人間よりもバランスが良く経営診断に向いている。
V型人間とは、T型人間に加えて強い好奇心が合わさっている人。

マトリックス開発秘話は、MGの開発当時、ある人に「ゲームが1時間なら決算も1時間で終わるようにすべきだ」と言われたことがきっかけで、MX会計表を開発することになったというお話。
西先生はこのことを「ムチャクチャだが面白い!」と思ったそうだ。

MX会計表を作られたのは間違いなく西順一郎先生なのだが、おひとりの力ではなく、様々なきっかけや運命の導きがあってそれが生まれたと考えておられるようだ。
そうした偶然が、あのムチャクチャな一言だった。

何が言いたいか?(これは西先生の口癖だ。so what)

好奇心を大切にしなさい、ということ(そのように私は理解した)。
あとから好奇心について調べてみたところ、「よくわからないものに出会ったとき生まれる心情には、恐怖心と好奇心がある」と書いてあった。
つまりV型人間とは、未知のものに対して恐れずに探求する心を持つ人のことなのだ。まるで黒船に乗り込もうとした吉田松陰のように。
そしてマトリックス開発秘話で西先生が感じられた「ムチャクチャだが面白い!」というのは、この意見は論理的ではないが、その考えの先にはきっと何かがある、耳を傾けるに値する、という直感だったのではないだろうか。

ソニーにおいて西先生がMGを開発する際に、誰かにMX会計表を作るように指示されたわけではない。MX会計表は無くてもMGを世に出すことはできた。にも関わらず西先生は、あの一言がきっかけでMX会計表の研究というより高い目標に向かう決意をされた。
「ゲームが1時間なら決算も1時間」という大して論理的とは言えない意見に対し、そんなことはおかしいと切り捨てることもできたにも関わらず、それを面白いととらえて探求する好奇心がMX会計表を生み出した。
好奇心とはそのようなものだ。

福井MGの帰り道、私に悩みを打ち明けてくれた社長さんのことが思い出された。
権利主張する社員というのは、社長さんにとって「よくわからないもの」だったのかもしれない。
だとしたら、それに対して恐怖心ではなく、好奇心で考えてみてはどうだろう?
そんな風に考えた私は後日、あの話の続きをzoomでしてみませんか?と社長さんを誘ってみた。

zoomで気持を聞いてみると、さすが聡明な方で、今ではご自身の中では社員の要求を受け入れる覚悟を決めておられるとのことだった。ただし、他の社員たちがそれに反発して関係が悪くなるのではないかと心配しておられた。
あの時は本当に悩んでおられて、私も迂闊に「こうすればいい」とは言いにくかったのだが、私の想いを伝える前にそう言われたので、やはりMGで真剣に学んでいる方は素直で謙虚なのだなと感心した。

経営者というものは厄介な役割で、次から次へと新しい時代の新しいルールや環境に適応しなくてはならない。それは社員もそうなのだが、最初に矢面に立たされるのは大体経営者だ。

前例のない事柄に対して、「社長、どうしますか?」と問われると、誰でも一瞬驚愕して答えに困ってしまうものだと思う。(そういう時に相談に乗るのが私たち士業の役割だが、士業は法律そのものは知っていても人の心が全て見通せるわけではない)

このような時に、社員ひとりひとりの気持ちに好奇心を持って対話してみることが大切だと思う。これは社長対社員だけでなく、社員同士でも同じで、多様化の時代を生きる私たちは自分以外の人の生き方について好奇心を持たなければ分かり合えるはずがない。

「育休なんてズル休みだ」
「どうせ分かってもらえない人たちなら、嫌われたっていいから権利は全部主張してやる」
好奇心を持たないと人はこんなことしか思わない。

一度試しに「男が育休? それはムチャクチャだが面白い!」と思ってみたらどうだろう?
取り返しのつかないことではないのだから、やってみて考えるというのがMG流かもしれない。

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