GOLGOのひとりごと

競業避止と職業選択の自由の話・1

2012.09.19

退職した従業員が前職と同じ商圏・業種でビジネスをした時や
ライバル会社の役員になった時、企業はダメージを受ける可能性があります。
 
このような場合、会社は退職者の競業行為を禁止できるのでしょうか。
退職者の競業について企業が制限するときは、以下がポイントとなります。

【1.ノウハウや人脈は誰のものか】
在職中に得たノウハウや人脈は、誰に帰属するのでしょうか。
一般的には、以下のような場合、競業行為を制限されやすくなります。
 •企業の中核をになう重要なプロジェクトに関わり、その業務に見合う報酬を得ていた場合
 •会社役員であった場合(その責任の範囲において、機密保持義務があるとされます)
 
一方、一般の社員については、たとえ競業避止に関する特約があったとしても、
競業避止を義務化することは難しいといえます。
 
ただし、①顧客を大量に奪う②社員を多く引き抜く、などの「背任行為」は、
特約による賠償責任のほかにも、「不法行為」による損害賠償責任を負う可能性があります。

【2.競業避止についての特約の意味は何か】
競業避止の特約があったとしても、また就業規則にその旨を記載していたとしても、
憲法上の「職業選択の自由」と相反することになります。
 
このような時は、以下を基準として「特約に合理性はあるか」を考えなくてはいけません。
 •競業避止の①期間②地域③職種の範囲
 •「経営者がどのくらい得をするか」と「労働者がどのくらい損をするか」のバランス
 •「独占の恐れ」と「独占によって一般消費者がどのくらい得をするか」のバランス
 
一般的には、競業避止の規定や特約は、のちに損害賠償をするためというよりは、
「背任的競業をしないように釘を刺す」目的で設ける場合が多いといえます。
 
競業避止義務違反者に対する退職金の不支給などは、
この効果が高いために規定されやすくなります。
 
企業は、以下についてきちんと考え、競業避止規定を定めておくと安心だと思います。
 •機密事項の特定
 •競業行為の定義
 •違反者へのペナルティ
 
ただし、あまりにも「管理的な」取り決めは労使トラブルになりやすいので
第三者の意見も聞きながら慎重に考えましょう。

以上、競業避止と職業選択の自由についてでした。

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