GOLGOのひとりごと

【制度を上手に活用】記事一覧

2018.12.10
NEW 再就職手当
2018.11.30
失業時の給付が手厚くなる条件
2018.11.05
ストレスチェックの 助成金
2018.10.29
雇用保険の基本手当日額
2018.10.22
在宅勤務中の労災
2018.10.15
高額な医療費がかかった時にもらえる給付
2018.09.24
雇用保険の再就職手当
2018.09.17
労災保険のメリット制
2018.07.09
建設業の労災保険
2018.07.02
健康保険の給付
2018.06.04
ユースエール認定制度
2018.04.02
健康保険の被扶養者
2018.01.09
労災保険はどこまで使えるか?
2017.12.25
高額療養費と限度額認定
2017.10.29
確定拠出年金
2017.07.23
育児休業給付
2017.07.16
退職後の健康保険給付
2017.05.21
退職後の傷病手当金
2017.05.14
保険証が届く前に病院にかかるとき
2017.01.24
1か月単位の変形労働時間制
2016.12.27
フレックスタイム制をわかりやすく
2016.11.23
高額の医療費が掛かった時に受けられる制度
2016.11.16
健康保険は会社を辞めた後も続けられる?
2016.11.09
労災給付の種類
2016.10.11
育児のために短い時間働きたい場合。
2016.09.27
労災の最初の3日は補償されない?
2016.07.26
役員の雇用保険
2016.07.05
どんどん手厚くなる育児休業給付!
2016.06.28
高年齢雇用継続給付を活用しましょう。
2016.03.15
1ヶ月単位の変形労働時間制
2016.03.08
介護休業
2016.03.02
育児休業
2016.01.05
労災の休業補償
2015.05.21
退職後の社会保険手続き
2014.09.24
フレックスタイム制の注意点
2014.05.25
休憩時間中のケガと労災保険
2014.05.20
仕事中の交通事故
2014.04.28
在宅勤務者の労働時間
2014.04.24
在宅勤務について
2013.03.01
高額療養費制度の話
2013.02.28
出産・育児にかかる給付金
2013.01.20
国民年金の免除
2013.01.19
国民年金保険料を滞納した場合の障害年金の話
2013.01.17
失業保険と年金の話
2013.01.14
国民年金の被保険者の種類
2013.01.09
再就職手当の話
2012.12.25
社会保険の被保険者について

再就職手当

2018.12.10

「再就職手当」とは雇用保険の失業等給付の就職促進給付の1つです。

失業中の方により早く再就職してもらえるように作られた制度で、失業手当の所定給付日数を残した状態で再就職した場合でも、ある一定の条件を満たしていれば、残りの失業手当の一部が再就職手当として支給されます。

また、再職手当にはいくつかの条件があります。

 

例えとして

 

・ 待機期間(7日間)を終了している。

・ 受給資格が決定した後に再就職が決定した。

・ 所定給付日数が残り1/3以上ある。

・ 再就職先で雇用保険に加入し、1年以上の雇用が見込める。

・ 自己都合退職などで給付制限がある場合には、待機満了後の1ヶ月については、ハローワークまたは許可・届け出のある職業紹介業者の紹介による就職であること。(給付制限期間を1ヶ月経過していれば、ハローワーク等以外の紹介による就職でも大丈夫)

・  再就職の日前の3年間において再就職手当をもらっていないこと

 

などがあり、この他、すべての条件を満たしていれば再就職手当を受給できる可能性が高いようです。

※もちろん再就職手当を受け取るのは会社ではなく再就職された方です。

 

再就職手当が受給できる可能性がでれば、再就職者はいくつかの書類を提出することになるのですが、その中に再就職手当支給申請書と再就職手当調査書があり、その2つは、事業者も記入し捺印する欄があります。

再就職者を雇用した会社はその書類の記入や雇用保険への加入をしてください。

失業時の給付が手厚くなる条件

2018.11.30

雇用保険の被保険者が退職した時、次の職を見つけるまでのつなぎとして「基本手当」、いわゆる失業保険が給付されます。

この基本手当は、失業者の状況によって給付の日数に差がつけられています。別の言い方をすると、手厚い保護が必要な人に対して多くの給付を、そうでない人に少ない給付をするように設計されています。

 

中でも、辞めた理由が「本人の責任とはいえず保護が必要な」人のことを「特定受給資格者」として手厚い保護をすることになっています。

 

特定受給資格者の種類は以下の通りです。なお、以下の退職理由でない者に対して事実と違う理由を書いて特定受給資格者とする行為は違法であり、会社がその違法行為に関与した場合は手当の返還やペナルティーの罰金の適用もあり得ます。

 

「倒産」等により離職した者

(1) 倒産(破産、民事再生、会社更生等の各倒産手続の申立て又は手形取引の停止等) に伴い離職した者

(2) 事業所において大量雇用変動の場合 (1か月に30人以上の離職を予定) の届出が されたため離職した者(※)及び当該事業主に雇用される被保険者の3分の1を超える者が 離職したため離職した者

 (3) 事業所の廃止 (事業活動停止後再開の見込みのない場合を含む。)に伴い離職した者

(4) 事業所の移転により、 通勤することが困難となったため離職した者

「解雇」等により離職した者

(1) 解雇 (自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く。)により離職した者

(2) 労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したことにより離職した者

(3) 賃金(退職手当を除く。)の額の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかったことにより離職した者

(4) 賃金が、 当該労働者に支払われていた賃金に比べて85%未満に低下した (又は低下することとなった) ため離職した者 (当該労働者が低下の事実について予見し得なかった場合に限る。)

(5) 離職の直前6か月間のうちに[1]いずれか連続する3か月で45時間、[2]いずれか1か月で100時間、又は[3]いずれか連続する2か月以上の期間の時間外労働を平均して1か月で80時間を超える時間外労働が行われたため離職した者。事業主が危険若しくは健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業所において当該危険若しくは健康障害を防止するために必要な措置を講じなかったため離職した者

(6) 事業主が法令に違反し、妊娠中若しくは出産後の労働者又は子の養育若しくは家族の介護を行う労働者を就業させ、若しくはそれらの者の雇用の継続等を図るための制度の利用を不当に制限したこと又は妊娠したこと、出産したこと若しくはそれらの制度の利用の申出をし、若しくは利用をしたこと等を理由として不利益な取扱いをしたため離職した者

(7) 事業主が労働者の職種転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行って いないため離職した者

(8) 期間の定めのある労働契約の更新により3年以上 引き続き雇用されるに至った場合において当該労働契約が更新されないことと なったことにより離職した者

(9) 期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された場合において当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した者(上記(8)に該当する場合を除く。)

(10) 上司、 同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者、事業主が職場におけるセクシュアルハラスメントの事実を把握していながら、雇用管理上の必要な措置を講じなかったことにより離職した者及び事業主が職場における妊娠、出産、育児休業、介護休業等に関する言動により労働者の就業環境が害されている事実を把握していながら、雇用管理上の必要な措置を講じなかったことにより離職した者

(11) 事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者 (従来から恒常的に設けられている 「早期退職優遇制度」 等に応募して離職した場合は、 これに該当しない。)

(12) 事業所において使用者の責めに帰すべき事由により行われた休業が引き続き3か月以上となったことにより離職した者

(13) 事業所の業務が法令に違反したため離職した者

ストレスチェックの 助成金

2018.11.05

政府が社員へのストレスチェックを義務化したことに合わせて、一定規模以下の企業のストレスチェック実施に関する助成金が創設されています。

 

1、助成金の概要

派遣労働者を含めて従業員数 50 人未満の事業場が、ストレスチェックを実施し、また、産業医からストレスチェック後の面接指導等の活動の提供を受けた場合に、費用の助成を受けられるもの

 

2、助成金を受けるための要件

 

□ 1 労働保険の適用事業場であること。

□ 2 常時使用する従業員が派遣労働者を含めて50人未満があること。

□ 3 ストレスチェックの実施者が決まっていること。

□ 4 事業者が産業医資格を持った医師と契約し、ストレスチェックに係る医師による活動の全部又は一部を行わせること。

□ 5 ストレスチェックの実施及び面接指導等を行う者は、自社の使用者・労働者以外の者であること。

 

3、必要な活動

(1) ストレスチェック 年1回のストレスチェック

(2) ストレスチェックに係る医師による活動

ストレスチェックに係る医師による活動について、実施回数分(上限3回)の費用が助成されます。

 

【ストレスチェックに係る医師による活動とは】

 産業医の資格を持った医師が

  ・ストレスチェック実施後に面接指導を実施すること

  ・面接指導の結果について、事業主に意見陳述をすること

 4、助成額

 次の費用が助成されます。

 ストレスチェックの実施→1従業員につき500円

ストレスチェックにかかる医師による活動→1事業場あたり1回の活動につき 21,500 円(上限3回)

※500 円と 21,500 円はそれぞれの上限額ですので、実費額が上限額を下回る 場合は実費額が支給されます。

雇用保険の基本手当日額

2018.10.29

雇用保険の被保険者が退職した場合、一定の条件を満たせば基本手当(いわゆる失業保険)を受給することができます。この基本手当ですが、辞める直前6ヶ月の給与を平均した額を基に決定するのですが、世間の給与水準を見ながら毎年8月に改定されるルールになっています。

 

今回も、平成 29 年 8 月 1 日から賃金日額・基本手当日額が変更となりました。

 

具体的には、賃金日額について年齢ごとに「上限額と下限額」を設定しており、「毎月勤労統計」の平均定期給与額の 増減により、毎年8月1日にその額を変更します。今回は、平成 28 年度の平均定期給与額が前年比で約 0.4%増加したことから、上限額・下限額ともに引き上げになります。

 

これに伴い、基本手当日額の算定基準が変わり、支給額が増額になる場合があります。対象になる方には、平成 29 年8月2日以降の認定日にお返しする受給資格者証に新「基本手当日額」を印字して、お知らせします。

 

◆年齢区分に応じた賃金日額・基本手当日額の上限額

 

賃金日額の上限額(円)

29 歳以下 12,740→13,420

30~44 歳 14,150→14,910

45~59 歳 15,550→16,410

60~64 歳 14,860→15,650

 

基本手当日額の上限額(円)

29 歳以下 6,370→6,710(+340)

30~44 歳 7,075→7,455(+380)

45~59 歳 7,775→8,205(+430)

60~64 歳 6,687→7,042(+355)

在宅勤務中の労災

2018.10.22

在宅勤務をしている社員が怪我をしたら、労災の適用になるのでしょうか。

例えば、仕事のファイルを取りに行く時に転んで怪我をした場合、労災の対象として認められるかがきになるところです。

 

回答

在宅勤務中であっても労働者である以上、労災保険の補償対象となります。

ただし、私的行為との境界線が見えにくいので、オンオフがわかりやすい管理をした方が良いでしょう。

 

解説

労災保険法の適用に関しては、 「業務が原因である災害については、 業務上の災害として保険給付の対象となる」 とされる一方で、 「自宅における私的行為が原因であるものは、業務上の災害とはならない」とガイドラインで定められています。 私的な行為をしている場合は労災対象外になってしまうので、仕事中の事故であることを証明できるように準備が必要ということになります。

 

例えば、時間的に「仕事時間」と「指摘時間」を区別するよう管理すること。これは日報やタイムシートなどで作業時間の報告管理をするようにする必要があります。

また、場所的な管理も場合によっては必要かもしれません。「自宅以外の作業を禁止する」というルールがあれば、自宅作業の業務遂行性を証明しやすくなります。

 

予想される労災

在宅勤務をしていて起こりうる労災は次のようなものがあります。

 

・文房具で手を切る

・転倒する

・郵便物を出しに行く時に交通事故にあう

・座りっぱなしで腰痛になる

・パソコンの画面を見続けることによる目の疲労

 

このうち、腰痛や目の疲労については業務との因果関係を証明するのが簡単でありません。

高額な医療費がかかった時にもらえる給付

2018.10.15

高額な医療費を支払ったときは高額療養費で払い戻しが受けられます。

健康保険に加入している人は、高額な医療費に対する払い戻しを受けることができます。

この制度を高額療養費制度と言います。

 

仕組み

高額療養費とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。70歳未満の方で、医療費が高額になることが事前にわかっている場合には、「限度額適用認定証」を提示する方法が便利です。

 

 

自己負担限度額とは

自己負担限度額は、年齢および所得状況等により設定されています。

つまり、同じ医療費がかかったとしても所得によって負担感が違うため、所得が高い人は、自己負担限度額も高く、所得が低いまたは高齢の人は自己負担限度額も低く設定してあるというわけです。

 

 

70歳未満の方の区分

平成27年1月診療分から

①区分ア
(標準報酬月額83万円以上の方)(報酬月額81万円以上の方)           → 252,600円+(総医療費-842,000円)×1%                 

 

②区分イ
(標準報酬月額53万円~79万円の方)(報酬月額51万5千円以上~81万円未満の方)→ 167,400円+(総医療費-558,000円)×1%               

 

③区分ウ

(標準報酬月額28万円~50万円の方)(報酬月額27万円以上~51万5千円未満の方→80,100円+(総医療費-267,000円)×1%               

 

④区分エ

(標準報酬月額26万円以下の方)(報酬月額27万円未満の方)→          57,600円              44,400円

 

⑤区分オ(低所得者)

(被保険者が市区町村民税の非課税者等)     35,400円              

 

注)「区分ア」または「区分イ」に該当する場合、市区町村民税が非課税であっても、標準報酬月額での「区分ア」または「区分イ」の該当となります。

注)高額療養費に何度も該当した場合、多数該当の特例として限度額が下がります。

 

 

払い戻しについて

払い戻しは、医療機関等から提出される診療報酬明細書(レセプト)の審査を経て行いますので、診療月から3ヵ月以上かかります。払い戻しまで時間を要するため、医療費の支払いに充てる資金として、高額療養費支給見込額の8割相当額を無利子で貸付する「高額医療費貸付制度」もあります。

雇用保険の再就職手当

2018.09.24

雇用保険に一定期間以上加入していた者がハローワークで失業の認定を受けた時、その人は基本手当、いわゆる「失業保険」を受給する権利があります。

 

この基本手当は、辞める前の給与を基準に単価が決まり、90日ぶん(離職状況によっては日数が異なる)支給されますが、その権利を使い切る前に再就職した場合に、ご褒美として一時金が支給されます。その一時金を「再就職手当」と言います。

 

 

再就職手当は、基本手当の受給資格がある方が安定した職業に就いた場合(雇用保険の被保険者となる場合や、事業主となって、雇用保険の被保険者を雇用する場合など)に基本手当の支給残日数(就職日の前日までの失業の認定を受けた後の残りの日数)が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給されます。支給額は、所定給付日数の支給残日数×給付率×基本手当日額((注意3) 一定の上限あり)となります。

 

給付率については以下のとおりとなります。

・基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上の方は、所定給付日数の支給残日数×70%(注意1)×基本手当日額((注意3)一定の上限あり)。

 

・基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上の方は、所定給付日数の支給残日数×60%(注意2)×基本手当日額((注意3)一定の上限あり)。

 

タイミングによっては「ハローワークなどを経由した再就職」出ないと対象にならないことがあります。

労災保険のメリット制

2018.09.17

自動車保険では、事故により等級が変化することがあります。安全運転でゴールド免許の優良ドライバーは事故を起こす可能性が少ないので、保険料を安く抑えるご褒美があるということです。

 

一方、労災保険においては、事業の種類ごとに災害率等に応じて保険料率が定められていますが、実際には事業の種類が同一であっても①作業工程、②機械設備あるいは③作業環境の良否、④事業主の災害防止努力の如何等により事業ごとの災害率に差があるため、事業主負担の公平性の観点から、さらに、事業主の災害防止努力をより一層促進する観点から、当該事業の災害の多い少ないなどの状況に応じ、労災保険率又は労災保険料を上げたり下げたりする制度があります。これを「労災保険のメリット制」と言います。

 

継続事業のメリット制

 

メリット制が適用される会社とは

連続する三保険年度中の各保険年度において、次の(1)~(3)の要件のいずれかを満たしている事業であって、当該連続する三保険年度中の最後の保険年度に属する3月31日(以下「基準となる3月31日」という。)現在において、労災保険に係る保険関係が成立した後3年以上経過している事業についてメリット制の適用がある。

 

(1).  常時100人以上の労働者を使用する事業

(2).  常時20人以上100人未満の労働者を使用する事業であって、その使用労働者数に、事業の種類ごとに定められている労災保険率から非業務災害率(通災及び二次健診給付に係る率:0.9厘)を減じた率を乗じて得た数が0.4以上であるもの

(3).  一括有期事業における建設の事業及び立木の伐採の事業であって、確定保険料の額が100万円以上であるもの

 

メリット収支率

労災保険率を上げ下げする基準は、基準となる3月31日において当該連続する三保険年度の間における当該事業の一般保険料の額から非業務災害率に応ずる部分の額を減じた額に調整率を乗じて得た額と、業務災害に係る保険給付及び特別支給金の額との割合により算出される収支率(メリット収支率)によります。

 

メリット収支率

 (当該連続する三保険年度間における業務災害に対して支払われた保険給付及び特別支給金の額)÷(当該連続する三保険年度間における保険料額(非業務災害分を除く)

つまり、払った保険料と、労災事故によりかかった費用を比べるわけです。

 

効果

収支率の結果により、保険料率が4割の範囲で上下します。

建設業の労災保険

2018.07.09

建設業の労災保険料を決める時には、一般の事業と異なる取り扱いをします。

 

ルール1:継続一括と単独労災

 

労災保険における単独有期事業と一括有期事業の違い

 

建設業の労災は、現場ごとにかかります。マンションAの工事現場と河川B

の土木工事現場は別々に保険料を計算して納付します。

 

一括有期事業とは、有期事業のうち労災保険料の概算見込額が160万円(または確定保険料100万円)未満で、かつ、請負金額1億9千万円未満のものをいいます。この場合、下記の要件を満たせば、それらの工事を取りまとめて一つの保険関係で処理することができます。つまり、小規模の工事現場を継続的に複数行う場合、労災保険料は年度ごとにまとめて申告することができます。

 

一方、単独有期事業とは、一括有期事業に該当しない有期事業をいい、工事ごとに工事現場の所在地を管轄する労働基準監督署において保険関係を成立させ、工事終了の都度、保険料の精算を行います。

 

 

ルール2:建設工事の労災保険料の計算方法

 

建設業における労災保険料の計算方法は、一般事業とは異なり、下記の計算式で算出することになっています。

 

労働保険料=請負金額×労務費率×労災保険率(注1)

 

労務比率とは、「請負金額の何%が人件費か」という比率です。労災保険料率は、危険度の高い現場ほど高く設定されています。

健康保険の給付

2018.07.02

健康保険というと一般的には病院にかかった際に健康保険証を持っていくと3割負担で受けられるだけものといったイメージが強く、病院に縁がない方ですと高い保険料を払っているのがもったいないと感じていらっしゃるかと思います。

 

健康保険は「保険」というだけに、いざという時に役立つ給付もたくさんあります。今回はその中から傷病手当金をご紹介します。

 

傷病手当金は生活保障のための給付金で、被保険者が業務外の病気やケガでお休みをして、賃金が支給されなかった場合に支給されるものです。

 

会社を休んだ日が連続して3日間あったうえで、4日目以降、休んだ日に対して支給されます。

 

1日当たりの支給額の計算方法は下記の通りです。

 

支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×(2/3)

*支給開始日の以前の健康保険加入期間が12ヵ月に満たない場合は別途算出方法あり。

 

支給期間は支給開始日から1年6カ月の範囲です。

 

つまり、簡単に言ってしまうと月給30万円の人が病気により長期休暇をしてお給料をもらえない場合は月々20万円の傷病手当金が最長で1年6カ月間も給付されることになります。(支給要件に該当した場合)

 

民間の生命保険等でも給与額を保障してくれる商品も出ているようですが、そのような保険に加入していなくても健康保険給付で生活保障があるのはとても助かりますね。

 

尚、傷病手当金は原則として申請を行わないと給付されません。該当した場合には忘れずに給付手続きを行いましょう。

 

注)被扶養者の方及び国民健康保険加入の場合、傷病手当金の給付はありません。

ユースエール認定制度

2018.06.04

ユースエール認定制度の認定基準が平成29年4月1日から変更になりました。

 

ユースエール認定制度とは若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度です。

 

「労働時間」、「離職率」、「有給休暇」の3つの基準が変更予定です。

 

◎労働時間

変更前(旧基準)⇒直近事業年度の①正社員の所定外労働時間月平均が20時間以下又は➁正社員のうち、週平均の労働時間が60時間以上の者の割合が5%以下

 

変更後(新基準)⇒直近事業年度の①正社員の所定外労働時間月平均が20時間以下かつ➁月平均の法定時間外労働60時間以上の正社員ゼロ

 

◎離職率

変更前(旧基準)⇒直近3事業年度の正社員の新規学卒等採用者の離職率が20%以下

 

変更後(新基準)⇒直近3事業年度の正社員の新規学卒等採用者の離職率が20%以下

ただし、採用者が3人又は4人の場合は、離職者数が1人以下

 

◎有給休暇

変更前(旧基準)⇒直近の事業年度の正社員の有給休暇の①平均取得率が70%以上又は②平均取得日数が10日以上

 

変更後(新基準)⇒直近の事業年度の正社員の有給休暇の①平均取得率が70%以上又は②平均取得日数が10日以上(有給休暇に準ずる休暇として職業安定局長が定めるものを含み、その日数は労働者1人当たり5日が上限)

 

今回の変更では労働時間の基準において特に厳しくなっておりますが、その背景には大手広告代理店の社員が過労自した件の影響もあるようです。

健康保険の被扶養者

2018.04.02

健康保険における被扶養者といえば、妻子や父母などが想像されますが、それ以外にも扶養になれる対象者はいます。

以下、健康保険被扶養者の要件について整理します。

 

 

被扶養者

 

  1. 被保険者の直系尊属(父母、祖父母など)
  2. 配偶者(戸籍上の婚姻届がなくとも、事実上婚姻関係と同様の人を含む)
  3. 子、孫、弟妹、兄姉で、主として被保険者に生計を維持されている人

※「主として被保険者に生計を維持されている」とは、被保険者の収入により、その人の暮らしが成り立っていることをいい、 かならずしも、被保険者といっしょに生活をしていなくてもかまいません。

  1. 被保険者と同一の世帯で主として被保険者の収入により生計を維持されている次の人 ※「同一の世帯」とは、同居して家計を共にしている状態をいいます。

①      被保険者の三親等以内の親族(1.に該当する人を除く)

②      被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届出はしていないが事実上婚姻関係と同様の人の父母および子

③      ②の配偶者が亡くなった後における父母および子

 

※ただし、後期高齢者医療制度の被保険者等である人は、除きます。

 

生計維持とは

「主として被保険者に生計を維持されている」、「主として被保険者の収入により生計を維持されている」状態とは、以下の基準により判断をします。

 

【認定対象者が被保険者と同一世帯に属している場合】

認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は被扶養者となります。

 

なお、上記に該当しない場合であっても、認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入を上回らない場合には、その世帯の生計の状況を果たしていると認められるときは、被扶養者となる場合があります。

 

【認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合】

認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合には、被扶養者となります。

労災保険はどこまで使えるか?

2018.01.09

休憩時間、外で過ごす従業員もたくさんいると思います。そんな時に怪我をしてしまったら労災保険の適用されるのでしょうか。

休憩中の外出時について

休憩時間については労働基準法第34条第3項により、労働者が自由に行動することが許されており、その間の個々の行為自体は労働者の私的行為といえます。

そのため、休憩時間中に外出して怪我をしたとしても業務との因果関係が認められず、労災保険給付は受けられないと考えられます。

退勤後について

では、退勤後についてはどうでしょうか。退勤後はそれが通勤中とみなされるかがポイントです。

終業後直ちに住居へ向かう場合は問題ありませんが、逸脱・中断の場合、労災保険(通勤災害)の対象とならない可能性があります。

また、通勤と関連のない私的行為については、誰もが行うような「ささいな行為」を除き、一般には「逸脱・中断」とみなされ、逸脱・中断の時点から通勤として取り扱わないことになります。

ささいな行為とは、経路の近くにある公衆便所を利用する、経路上の店でタバコ、新聞等を購入する等をいい、スーパーで日用品を購入する行為は、「ささいな行為」とはいえず、通勤行為の中断と判断され、中断後は一切通勤災害とは認められません。

ただし、労災保険法第7条第3項ただし書きにおいて、(通勤の経路の)「逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りではない」と規定されており、日用品の購入その他これに準ずる行為はこれに該当することとされていますので、その後通常の通勤経路に戻った場合には、通勤として取り扱われます。

従業員が事業所の外で怪我をし、労災が適用されるかの判断に迷った場合は、労働基準監督署や社労士に相談するようにしましょう。

高額療養費と限度額認定

2017.12.25

病院に長期入院した場合、治療が長引く場合に医療費の自己負担が高額になることがあります。その場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分の払い戻しが受けられる制度が健康保険上にあります。

自己負担額について

自己負担限度額は、年齢および所得状況により以下のように設定されています。ここでは70歳未満の限度額について紹介します。

1、所得区分(標準報酬月額83万以上)

自己負担額:252600円+(総医療費-842000円)×1%

2、所得区分(標準報酬月額53万~79万円)

自己負担額:167400円+(総医療費-558000円)×1%

3、所得区分(標準報酬月額28万~50万)

自己負担額:80100円+(総医療費-267000円)×1%

4、所得区分(標準報酬月額26万以下)

自己負担額:57600円

5、所得区分(低所得者)、被保険者が市区町村民税の非課税者等

自己負担額:35400円

例えば、標準報酬月額36万円の方で医療費が60万円かかった場合

自己負担額:80100円+(600000円-267000円)×1%=83430円となります。

限度額認定について

70歳未満の方で、あらかじめ長期入院により医療費が高額になることが分かっている場合、一医療機関での窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることができます。

ただし、この制度を利用するには、事前に「健康保険限度額適用認定申請書」を提出し、「健康保険限度額適用認定証」の交付を受けたうえで窓口にて提示する必要があります。

高額療養費と限度額認定は、医療費の自己負担を一定に抑えてくれる同じ趣旨の制度です。ただ、限度額認定が窓口での支払いを自己負担限度額に抑えられるのに対し、高額療養費は、自己負担限度額の超過分を後から取り戻す申請をしなければならないため、一時的にでも費用負担が大きいです。

また、高額療養費の審査には3ヵ月以上かかるので払い戻しまでに時間もかかります。従業員から長期入院することを事前に聞いている場合は、「限度額認定」が受けられるよう便宜を図ってあげられると良いでしょう。

確定拠出年金

2017.10.29

「確定拠出年金」が話題となっています。多くの金融機関でも商品として取り扱いを始めているようです。これは平成29年の1月から法改正が行われ、確定拠出年金に加入できる対象者の範囲が広がるからなのですが、そもそも中小企業では確定拠出年金制度そのものに馴染みがなく、そのメリットが理解されていません。

公的年金との比較

確定拠出年金とは、強制加入である国民年金・厚生年金と比較するとわかりやすいでしょう。国民年金・厚生年金は世代間の助け合いの仕組みで、「今のお年寄りなどの年金に充てるため、現役世代が大きな貯金箱に共同でお金を入れている」構造になっています。つまり、誰がいくらお金を入れたかは記録されているものの、個人ごとにお金が積み立てられているわけではありません。その大きな貯金箱に入った莫大な資金は、政府機関が運用方針を決めて運用していますので、個別の被保険者はそのお金をどのように運用するかを決めることができません。

一方確定拠出年金は、「掛けている本人が掛け金額及び運用方法を決めることができる年金」です。掛け金は個人ごとに明確に区分して積み立てられ、本人の運用方法を選択できます。つまり、各個人ごとに貯金箱を持つ構造になっているわけです。本人の運用次第で将来の年金給付が増えたり減ったりします。

現行の法律では、老後などのための資産形成は「公的年金は強制加入させ、その上で、企業または個人の任意で確定拠出型年金などを上乗せして掛ける」という構造になっています。

確定拠出年金のメリット

確定拠出年金(特に個人型)の大きなメリットは「税制面の優遇措置」でしょう。掛け金として拠出した金額が「全額」所得控除となり、課税所得が減額されます。民間の生命保険などの保険料は一部しか損金扱いにならないことを考えると税制面でのメリットは小さくありません。また、運用に対する利益に対しても非課税となり、給付を受ける際にも、年金として受ける場合は公的年金等控除が適用され、一時金として受ける場合は、退職所得として税制上の優遇措置が取られています。

確定拠出年金のデメリット

逆にデメリットは、「原則として60歳までお金を引き出すことができない」ことでしょう。流動性が低くなるため、本当に余剰なお金がある場合に確定拠出年金を検討したほうが良いかもしれません。

育児休業給付

2017.07.23

育児休業給付は、文字通り育児休業を取った人に対する給付です。この給付は雇用保険の仕組みから行われますので、当然に一定の要件を満たした雇用保険の被保険者に対して支給されます。雇用保険加入をしていない役員やパートアルバイトは対象外となります。

前提

被保険者が1歳又は1歳2か月(注意1)(支給対象期間の延長に該当する場合は1歳6か月)未満の子を養育するために育児休業を取得した場合に、休業開始前の2年間に賃金支払基礎日数11日以上ある完全月(過去に基本手当の受給資格決定を受けたことがある方については、その後のものに限ります。)が12か月以上あれば、受給資格の確認を受けることができます。

つまり、実質的な雇用保険の加入期間が1年あれば、育児休業給付の対象となりえます。

月ごとの支給条件

育児休業給付金は、育児休業期間中の各1か月ごとに、休業開始前の1か月当たりの賃金の8割以上の賃金が支払われていないことを条件とします。つまり、ちゃんと休んでいる実績をもとに支給されるということです。

支給額

育児休業給付金の支給額は、支給対象期間(1か月)当たり、原則として休業開始時賃金日額×支給日数の67%(育児休業の開始から6か月経過後は50%)相当額となっています。

申請は原則として2か月に1度、所轄のハローワークに対して行います。

育児休業給付金は所定の用紙に①会社から給与が出ていないこと②休んでいることを会社が証明し、本人名義で申請します。ただし実態としては本人から委任を受けて会社がハローワーク申請をすることが多いでしょう。

退職後の健康保険給付

2017.07.16

健康保険の保険給付は、原則として被保険者に対してのみ行われますが、退職などにより被保険者でなくなった(資格喪失)後においても、一定の条件のもとに保険給付が行われます。

1、継続給付

資格を喪失する日の前日までに継続して1年以上被保険者であった人は、資格を喪失した際に現に受けていた「傷病手当金」及び「出産手当金」を引き続き受けることができます。つまり、被保険者でいる時にもらっていた給付は、同じ事情で働けないならば辞めた後ももらえるということです。

傷病手当金は同一傷病について支給開始から1年6か月間、出産手当金は出産前後合わせて原則98日間の範囲内で、支給を受けることができることになっていますが、この期間から被保険者である間にすでに支給を受けた残りの期間について受けることができます。

具体的には、在籍中に私傷病にかかり休職し、傷病手当金を受給していたが、休職期間満了により退職となった場合などがこれに該当します。

2、資格を喪失した後に保険給付を受ける事由が生じた場合

A 死亡に関する給付

次の場合は、埋葬料か埋葬費が支給されます。

・1の継続給付を受けている人が死亡したとき

・継続給付に該当する人が継続給付を受けなくなってから3か月以内に死亡したとき

・被保険者が資格を喪失して3か月以内に死亡したとき

B 出産に関する給付

資格を喪失する日の前日までに継続して1年以上被保険者であった人が資格喪失の日後、6か月以内に出産をしたときは、被保険者として受けられる出産育児一時金が支給されます。

退職後の傷病手当金

2017.05.21

協会けんぽまたは組合健保などの被保険者である会社員が病気やケガで働けなくなった場合に支給されるのが「傷病手当金」です。業務上の怪我や病気が労災保険でカバーされることに対し、傷病手当金は私傷病による休業についての所得保障を目的にしています。

要件:

傷病手当金の要件は以下の通りです。

①病気やケガで仕事をすることができないこと(医師の証明が必要)

②病気、ケガの療養のために、4日以上欠勤していること。

③欠勤して4日目以降の給料を受けていないこと。

この要件を満たした場合、①、②、③を証明する書面などを添付して保険者に傷病手当金を申請することで受給できます。傷病手当金は同一の傷病について最大で1年半の間支給されます。

傷病手当金を申請するタイミング:

傷病手当金を申請する時、申請は数か月分を一度に申請しても大丈夫でが、毎月の所得保障であることを考えると1ヶ月毎に申請するとよいでしょう。

資格喪失後の継続給付:

傷病手当金を受給している途中に退職することになった場合であっても、場合によっては引き続き傷病手当を受け取ることは可能です。これを傷病手当金の継続給付といいます。

資格喪失の日の前日(退職日等)まで被保険者期間が継続して1年以上あり、被保険者資格喪失日の前日に、現に傷病手当金を受けているか、受けられる状態(傷病手当金受給要件を満たしている)であれば、資格喪失後も引き続き支給を受けることができます。ただし、一旦仕事に就くことができる状態になった場合、その後更に仕事に就くことができない状態になっても、傷病手当金は支給されません。

退職後の申請は、「給与をもらっていないこと」を証明する必要がありませんから、会社を通さず直接保険者に申請書を提出することになります。

保険証が届く前に病院にかかるとき

2017.05.14

病気やケガで医者にかかるときには、窓口で健康保険証を提示する必要があります。

しかし、国民健康保険や健康保険などの公的医療保険には加入していても、さまざまな事情から保険証が手元にない場合があります。この場合はどのようにすればよいでしょうか。

保険証がない場合:

保険証がない場合とは以下のような場合があります。

1、単に保険証を忘れた、失くした

2、旅先で保険証を持たずに診療を受けた

3、就職したばかりで保険証がまだ交付・発行されていない(保険証が届かない)、

これらの場合であっても、被保険者であれば保険を使って医療を受けることができます。ただし、原則としてはいったん全額を自費で支払う必要があります。その上で、後ほど払い戻しを受けることになります。

手続きの流れ:

流れとしては以下のようになります。

1、医療機関の窓口に申し出る

まずは、医療機関で受診する際に、窓口に健康保険の手続き中などの事情のため、健康保険証がないことを伝えてください

2、いったん医療費を全額支払う

そして、医療機関の窓口で医療費の全額を支払います。自己負担割合が3割の人の場合、残りの7割の部分も一緒に払います。

3、療養費の支給申請手続きを行う

健康保険証が届いたら、協会けんぽ等へ「療養費支給申請書」を提出すると、全額自己負担した医療費のうち、保険者負担分が本人の口座に払い戻されます。

保険証の発行には多少時間がかかりますので、転職時期などは特に注意をしてください。

1か月単位の変形労働時間制

2017.01.24

労働基準法では「1日8時間、1週40時間」を法定限度としてうたっています(一部週44時間が法定労働時間の場合もあります)。

週40時間を8時間で割ると「5」、つまり週40時間制は基本的に週休二日(週5日勤務)を想定していることがわかります。

 

ところが現実には完全週休二日でない働き方を認めたほうが都合の良い場面がたくさんあります。例えば「上旬は忙しいから週休1日、中旬は暇なので週休二日かつ1時間勤務時間を短縮する」などの柔軟性があったほうが労使双方のニーズに合うこともあるでしょう。

 

このように原則的な法定労働時間とは違う勤務体制をとることが法律で認められており、「変形労働時間制」と呼ばれます。

 

1ヶ月の単位で勤務日や勤務時間を柔軟にしたい場合は「1ヶ月単位で」変形労働時間制を採用するとよいでしょう。

 

変形労働時間制では、労使協定や就業規則で変形労働時間制についてうたっておいて、対象となる月の開始前までに

 

・休日

・日ごとの労働時間

・対象者

 

などを決めて運用します。

要は「特定の日や週で原則ルール(法定労働時間)を超えていても、1ヶ月単位で見ると週の平均労働時間が法定労働時間を下回っていればOK」ということです。

 

うまくいけば暇な時期に社員を拘束せずに済みますし、忙しい時期に残業となる時間を抑制できます。

 

 

柔軟な働き方を考えたい場合は変形労働時間制の導入を検討してはいかがでしょうか。

フレックスタイム制をわかりやすく

2016.12.27

フレックスタイム制(労働基準法第 32 条の3)は、1日の労働時間の長さを固定的に定めず、1箇月以内の一定の期間の総労働時間を定めておき、労働者はその総労働時間の範囲で各労働日の労働時間を自分で決めて、効率的に働くことができる制度です。

 

フレックスタイム制については、バケツもしくはプールで例えるとわかりやすいです。

 

原則として、1日は8時間、1週は40時間以内でなければならないと労働基準法で決まっています。容積8リットルのバケツの擦り切りいっぱいまで水(=労働時間)を注ぐことができるとイメージしてください。同様に1習慣は40リットルのドラム缶いっぱいまで入れることができます。

 

バケツやドラム缶から溢れた分については「残業」となるため、割増した追加の賃金=残業代を払わなければなりません。

 

フレックスタイム制とは、いわばこの「バケツの大きさ」を自由に決めてよいとする制度です。使うバケツの容量が6リットルだろうが10リットルだろうが構わないので、各自が自由なバケツを選んで水(=労働時間)をプールに入れていき、1ヶ月全体であるプールいっぱいまで水を入れるような仕組みです。忙しいときには10時間働いてもいいし、ヒマなときな3時間で帰ってもいい。でも1ヶ月の総労働時間は○時間になるように各自調整してください、ということですね。

 

このフレックスタイム制、一件自由度が高く利用しやすいように思いますが、実際にはうまく機能しているケースはそれほど多くないでしょう。国民性や経営者側の意識の特徴もあり、規則的な働き方を好むケースの方がまだ多いように思います。

高額の医療費が掛かった時に受けられる制度

2016.11.23

重い病気などで病院等に長期入院したり、治療が長引く場合には、医療費の自己負担額が高額となります。そのため家計の負担を軽減できるように、健康保険の精度には一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分が払い戻される高額療養費制度があります。

 

自己負担限度額とは

自己負担限度額は、所得区分によって段階的に以下のように設定されています。所得区分の他、年齢によっても自己負担限度額が細かく設定されています。

 

①所得区分ア

(標準報酬月額83万円以上の方) 

 252,600円+(総医療費-842,000円)×1%

②所得区分イ

(標準報酬月額53万~79万円の方)          

 167,400円+(総医療費-558,000円)×1%

③所得区分ウ

(標準報酬月額28万~50万円の方)          

80,100円+(総医療費-267,000円)×1%

④所得区分エ

(標準報酬月額26万円以下の方) 

 57,600円

⑤所得区分オ(低所得者)

(被保険者が市区町村民税の非課税者等)   

 35,400円

 

自己負担額に算入するものとしないもの

保険外併用療養費の差額部分(高度医療にかかる差額金など)や入院時食事療養費、入院時生活療養費の自己負担額は対象になりません。

 

多数該当

同一世帯で1年間(診療月を含めた直近12か月)に3回以上高額療養費の支給を受けている場合は、4回目からは自己負担限度額が低くなります。

 

健康保険限度額適用認定証

あらかじめ長期入院などにより医療費がたくさんかかることが分かっている場合、高額療養費を「現物給付化」し、一医療機関ごとの窓口での支払を自己負担限度額までにとどめることができます。この制度を利用するには、事前に全国健康保険協会の各都道府県支部に「健康保険限度額適用認定申請書」を提出し、「健康保険限度額適用認定証」の交付を受け、医療機関の窓口に認定証と被保険者証を提出する必要があります。

健康保険は会社を辞めた後も続けられる?

2016.11.16

会社を退職したとき、健康保険については、1.任意継続健康保険、2.国民健康保険、3.ご家族の健康保険(被扶養者)のいずれかに加入する手続きをする必要があります。任意継続とは、もともと加入していた健康保険制度に退職後も加入することを指します。

 

任意継続健康保険の要件

任意継続をするためには以下の要件があります。

(1)資格喪失日の前日までに「継続して2ヶ月以上の被保険者期間」があること。

(2)資格喪失日から「20日以内」に申請すること。(20日目が営業日でない場合は翌営業日まで)

特に期限については十分に注意が必要です。

 

保険料

任意継続の保険料は、退職時の標準報酬月額に基づいて決定され、保険料は原則2年間変わりません。また、扶養家族がいたとしても扶養家族の方の保険料はかかりません。

国民健康保険の保険料(税)は、前年の所得、世帯人数などに応じて決定されますので、前年の所得が多い、世帯人数が多いなどの場合には任意継続を選択したほうが保険料を抑えることができる可能性があります。

なお、任意継続の保険料は全額を自分が負担します(在職時には半額会社負担)が、標準報酬月額に上限が定められています(平成27年度は28万円となります)。例えば標準報酬が98万円の方が退職した場合でも、任意継続の保険料は28万円を基準に決められます。

 

給付の効果

在職中の保険証と同じように使用することができます。なお、傷病手当金および出産手当金は、任意継続の加入とは関係なく、在職中からの継続給付の要件を満たす場合に限り対象となります。

労災給付の種類

2016.11.09

労災は、労働者の業務上の負傷、疾病、身体障害、または死亡に対して災害補償を行うことによって、労働者の保護をはかることを目的とした制度であり、通勤途上の災害もこの中に含まれます。保険加入者は事業主、保険給付を受けるのは労働者またはその遺族であり、労働者の保険料負担はありません。

 

療養の給付

労災が原因でケガや病気をし、病院で治療を受ける場合、治療費は原則として全額支給されます。この給付を「療養の給付」といいます。療養の給付を受けようとするときは、「療養補償給付たる療養の給付請求書」「様式第5号」を、指定病院の窓口に提出します。

 

ただし、療養の給付(現物給付)を行う医療機関として指定されている病院(労災指定病院といいます)以外で治療を受けた場合などは、いったん全額自己負担をしておいて、あとでかかった費用を請求します。これを療養の費用の請求といいます。

 

療養の費用の給付の種類

療養の費用の給付には以下の種類があります。

通常の病院の場合⇒様式7号(第16号の5)

柔道整復師から手当を受けた場合には様式7号(第16号の5)(3)を、はり師及びきゅう師、あん摩マッサージ指圧師から手当を受けた場合には様式第7号(第16号の5)(4)を、訪問看護事業者から訪問看護を受けた場合には様式第7号(第16号の5)(5)を提出します。

 

請求に係る時効

療養の給付は現物支給ですから問題ありませんが、療養費用の請求は、費用の支出から2年ですので、注意しておいてください。

育児のために短い時間働きたい場合。

2016.10.11

3歳未満の子どもを育てる従業員は、育児介護休業法により所定労働時間を短縮する制度(原則として1日6時間)を利用できます。所定労働時間とは、就業規則等で定められた勤務時間のことです。

 

対象者:

3歳未満の子どもを育てる男女従業員

※期間を定めて雇用されている従業員も利用できます。※配偶者が専業主婦(夫)であっても利用できます。

 

ただし、日雇いの従業員や、そもそも1日の所定労働時間が6時間以下の従業員は対象になりません。また、勤続年数1年未満の従業員など一定の従業員については、労使協定などで対象外となることがあります。

 

短縮時間や利用できる期間:

短時間勤務の時間については、会社は必ず1日の所定労働時間を5時間45分~6時間 とする制度を作らなければならないとされています。それより長くても短くても(たとえば所定労働時間を5時間、7時間と定めること)法的な基準を満たしたことになりません。ただし、所定労働時間を6時間とする措置に加えて、5時間あるいは7時間とする選択肢を設け、労働者に選択させるのであれば問題ありません。

 

利用できる期間は子どもが3歳になるまでの間で従業員の申し出る期間となります。

 

社会保険適用:

社会保険の適用については、常用的使用関係にあり、労働時間と労働日数が、それぞれ一般社員の4分の3以上であるときは、原則として被保険者となります。逆に言うと、原則として一般の社員の4分の3未満であれば社会保険は加入しません。

ただし、短時間勤務者が正社員の場合は、上記とは別に、下記の事項を満たしている場合に社会保険の被保険者となる可能性があります。

ア.労働契約、就業規則、給与規程等に、短時間正社員に係る規定がある

イ.期間の定めのない労働契約が締結されている

ウ.給与規程等における時間当たりの基本給・賞与・退職金等の算定方法等が同一事業所に

雇用されるフルタイム正社員と同等で、かつ就労実態も諸規程に則している

労災の最初の3日は補償されない?

2016.09.27

業務上の事由または通勤により怪我をして仕事が出来なくなった場合、休業の第4日目以降は労災保険から休業に対する補償(概ね給与の8割)があります。

別の言い方をすると、休業初日から3日間は労災保険から休業補償されないことになります。この3日間に関するケアについて、業務(仕事中の)災害と通勤(途中の)災害とで、取り扱いが違います。

 

◆業務災害の場合

 

休業初日から3日目については、労働基準法により「会社が」平均賃金の60%の補償をしなければなりません。

 

そもそも、労働基準法では労災で仕事が出来ないために賃金を受けない場合、会社が休業補償をしなければならないのですが、休業4日目からは、労災保険がその補償を行うので、3日目までは会社が支払い、4日目以降は会社からの休業補償は労災保険からされる、という関係になっています。

 

 

◆通勤災害の場合

 

通勤災害は労災ではないので、労働基準法上、事業主には休業に対する補償責任がありません。よって、業務災害と異なり休業初日から3日目までの休業に対する補償を事業主がする必要はありません。

 

ちなみに、この3日分の休業補償について所得税法上は非課税となっています(一方で、会社の都合で休ませた場合に市はらう「休業手当」については課税対象となります)。また、労働保険の年度更新をするときには賃金とはみなされません。

 

 

休業補償を支給する場合の給与計算については専門家に相談しましょう。

役員の雇用保険

2016.07.26

会社の役員は原則として「雇われている人」ではないので雇用保険に入れません。ただし、代表でない取締役であって、同時に会社の部長職や工場長などを兼務している場合は例外的に雇用保険加入ができる場合があります。

 

つまり、役員という肩書になっているが実態は「雇われている」と言える場合は、引き続き雇用保険上の保護を受けることができるということです。

 

手続き方法

そのためには、ハローワークに「兼務役員雇用実態証明書」を作成し届け出る必要があります。この際以下の書類を添付する必要があります。

 

1、取締役会議事録など、役員報酬額がわかるもの

2、過去3カ月分程度の賃金台帳、出勤簿(労働者としての実態があるかを確認するもの)

3、商業登記簿謄本など

 

実際に役員が雇用保険に入ることができるか否かの判断は、主に報酬額のバランスによります。

雇用保険加入のためには原則として「役員報酬」よりも「賃金」の方が多く支払われている必要があります。

 

ちなみに、雇用保険加入は「労働者としての賃金部分のみ」になります。

例えば、役員報酬20万円、賃金として50万円を支払っている場合、雇用保険料は50万円の部分に対してのみかかり、基本手当(いわゆる失業保険)などの各種給付も加入部分のみをもとに計算されます。言い換えると、役員に雇用保険をかけたい場合は、役員報酬よりも賃金を多く支払う必要があります。名目上役員にしているが実際には全額給与として支払っている場合は雇用保険加入ができます。

どんどん手厚くなる育児休業給付!

2016.07.05

子育て中のママに対しては、雇用保険制度から「育児休業給付金」を受けることができます。

この給付は、雇用保険の「雇用継続給付」の一種で、文字通り「子育てをしやすい環境を整えて雇用を継続してもらうこと」を目的としています。

 

基本的な条件:

1、受給の資格

①育児休業開始前の2年間に賃金支払基礎日数11日以上ある月(過去に基本手当の受給資格決定を受けたことがある方については、その後のものに限ります。)が12か月以上あれば、受給資格の確認を受けることができます。わかりやすく言うと、普通に1年出勤した雇用保険加入者が対象となります(1年未満の雇用期間しかなくても、前職の雇用保険加入期間を合算できることがあります)。

 

②実際に育児休業を取得しており、給与が8割以上支払われていないことが必要です。つまり、育児休業を取っていたとしても会社から給与が保障されている場合は給付を受けられないことがあります。

 

③就業している日数が各支給単位期間(1か月ごとの期間)ごとに10日(10日を超える場合にあっては、就業している時間が80時間)以下であることが必要です。(休業終了日が含まれる支給単位期間は、就業している日数が10日(10日を超える場合にあっては、就業している時間が80時間)以下であるとともに、休業日が1日以上あること。)

つまり、月に11日以上働いている場合等は、「もはや育児休業をしていないとみなされる」ということです。

 

2、支給額

育児休業給付金の支給額は、支給対象期間(1か月)当たり、原則として休業開始時賃金日額×支給日数の67%(育児休業の開始から6か月経過後は50%)相当額となっています。

 

3、支給期間

原則として子が1歳になるまで支給されます。保育園に入園できないなどの事情によって延長されることがあります。

高年齢雇用継続給付を活用しましょう。

2016.06.28

高年齢雇用継続給付とは・・・

高年齢雇用継続給付は、60歳になって給与が下がった社員に対して、下がった分のいくらかを補填する雇用保険の給付のひとつです。その名前の通り、高年齢者が引き続き働きやすい状況を整えるためにあります。

 

具体的には、60歳時点に比べて、75%未満に低下した状態で働き続ける場合に支給されます。

 

この給付は「高年齢雇用継続基本給付金(60歳を超えて引き続き同じ会社に勤めるが給与が低下したケースの給付)」と「高年齢再就職給付金(60歳で退職して、その後別の会社に再就職したが給与が低下したケースの給付」とに分かれます。

 

 

基本的なルール:

1、対象者

①雇用保険の加入期間が5年以上の人が対象です。

②60歳以上65歳未満の間に支給されます。

 

2、支給額

高年齢雇用継続給付の支給額は、60歳以上65歳未満の各月の賃金が60歳時点の賃金の61%以下に低下した場合は、各月の賃金の15%相当額となり、60歳時点の賃金の61%超75%未満に低下した場合は、その低下率に応じて、各月の賃金の15%相当額未満の額となります。(各月の賃金が一定額を超える場合は支給されません。(この額は毎年8月1日に変更されます。))

例えば、高年齢雇用継続基本給付金について、60歳時点の賃金が月額30万円であった場合、60歳以後の各月の賃金が18万円に低下したときには、60%に低下したことになりますので、1か月当たりの賃金18万円の15%に相当する額の2万7千円が支給されます。

 

3、支給期間

高年齢雇用継続基本給付金の支給対象期間は、被保険者が60歳に達した月から65歳に達する月までです。ただし、60歳時点において、雇用保険に加入していた期間が5年に満たない場合は、雇用保険に加入していた期間が5年となるに至った月から、この給付金の支給対象期間となります。また、高年齢再就職給付金については、60歳以後の就職した日の属する月(就職日が月の途中の場合、その翌月)から、1年又は2年を経過する日の属する月までです。(ただし65歳に達する月が限度)

中の「60歳」は「55歳」、「65歳」は「60歳」となります。

 

4、手続き

高年齢雇用継続給付の支給を受けるためには、原則として2か月に一度、支給申請書を提出します。

1ヶ月単位の変形労働時間制

2016.03.15

1ヶ月単位の変形労働時間制とは1ヶ月を平均して1週間の労働時間が週40時間以下になっていれば、 労働時間が1日8時間、週40時間を超えても、時間外労働の扱いをしなくて済むという制度です。この制度は1ヶ月の中で繁閑に差がある場合に導入することが適しています。

 

 

○ 労使協定などに定めること

労使協定または就業規則その他これに準ずるものにより、この制度に関する規定を設ける必要があります。

この際、各日および各週の労働時間を具体的に定めておく必要があります。つまり、勤務カレンダーなどで勤務日やその日ごとの勤務時間を毎月決めなければならなりません。会社が業務の都合によって自由に労働時間を変更することはできません。

 

 

○ 時間外労働となる場合

1日または1週の法定労働時間を超えて労働させることができますが、以下の場合には時間外労働となります。

 

①    労使協定などにより8時間を超える時間を定めた日はその時間を、それ以外の日は8時間を超えて労働した時間。

 

②    労使協定などにより40時間を超える時間を定めた週はその時間を、それ以外の週は40時間を超えて労働した時間。(①で時間外労働となる時間を除く)

 

③    変形期間については、以下の式により計算される変形期間における法定労働時間の総枠を超えて労働した時間。(①または②で時間外労働となる時間を除く)

       →40(時間)×変形期間の暦日数/7

介護休業

2016.03.08

家族を介護する必要がある場合、介護のための休業を取ることができます。この「介護休業制度」について解説します。

 

介護休業制度とは

労働者は、申し出ることにより、要介護状態にある対象家族1人につき、常時介護を必要とする状態ごとに1回の介護休業をすることができます(一定の範囲の期間雇用者も対象となります)。期間は通算して(のべ)93日までです。 2回目の介護休業ができるのは、要介護状態から回復した対象家族が、再び要介護状態に至った場合です。3回目以降も同様です。

 

介護休業の対象者

要介護状態にある対象家族を介護する男女労働者です。日々雇用される者は対象になりません。

 

対象家族と介護の状態の定義

※要介護状態:負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態のこと。

※対象家族:配偶者、父母、子、配偶者の父母並びに労働者が同居しかつ扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫。

 

しかし、法改正により、休業の取得によって

(1)  同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であり、

(2)  介護休業開始予定日から93日を経過する日(93日経過日)を超えて引き続き雇用

されることが見込まれる(93日経過日から1年を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかである者を除く)

 

上記2つを満たす一定の範囲の期間雇用者(いわゆる契約社員)も介護休業がとれるようになりました。

 

介護休業にかかる給付

介護休業を取得する雇用保険被保険者について、一定の要件を満たすことで「介護休業給付」が受け取れることがあります。

育児休業

2016.03.02

■育児休業制度

労働者は、会社に申し出ることにより、子が1歳になるまでの間、育児休業をすることができます。育児休業は法律で権利を認められたものであるため、企業側は「ウチの会社には育児休業制度はない」ということができません。

 

育児休業の対象者

育児休業の対象者は、原則として1歳に満たない子を養育する男女の労働者です。日々雇用される方は対象になりません(男性も育児休業をとることができます)。今までは正規の社員が主な対象者でしたが、法改正により、休業の取得によって雇用の継続が見込まれる一定の範囲の期間雇用者も、育児休業がとれるようになりました。

 

※1.一定の範囲の期間雇用者とは、申出時点において、次の(1)、(2)すべてに該当する労働者です。

(1)  同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること。

(2)  子が1歳に達する日(誕生日の前日)を超えて引き続き雇用されることが見込まれること(子が1歳に達する日から1年を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかである者を除く)

 

 育児休業は原則として子が1歳になるまでですが、次の事情がある場合は1歳6か月まで育児休業ができます。 

(1)  保育所に入所を希望しているが、入所できない場合

(2)  子を養育する配偶者で、1歳以降も子を養育する予定であったものが、死亡、負傷、疾病等の事情により養育が困難となった場合。

 

 

 育児休業中の給与

育児休業中は働いていないため、給与を支払う必要はありません。休業期間中については雇用保険から一定の要件のもと給付金が支給されます。

 

■申請時期など

○1歳までの育児休業については、休業開始予定日から希望通り休業するには、その1か月前までに申し出ます。その際、対象の子の氏名、生年月日、労働者との続柄、休業開始予定日及び休業終了予定日を明らかにします。

○ 1歳~1歳6か月までの育児休業については、休業開始予定日(1歳の誕生日)から希望通り休業するには、その2週間前までに申し出ます。

労災の休業補償

2016.01.05

従業員が仕事中の事故などで怪我をして会社を休む場合、労災保険から休業補償が支給されます。労災保険の休業補償を「休業補償給付」といいます。

 

休業補償給付の支給要件

休業補償給付の支給要件は以下の通りです。

 

①業務上の事由による負傷または疾病によって、療養していること

仕事と関係ない負傷や病気によって休んでも対象となりません。

 

②その療養のために労働することができないこと

労働することができない、つまり「労務不能」の証明は医師にしてもらいます。休業補償給付の医師証明欄に一定期間労働することができなかったと証明してもらう必要があります。

 

③賃金を受けていないこと

休業補償給付は、賃金が出ない日のみに支給されます。例え労災事故が原因で休んでいても給与が出ている場合は休業補償給付は出ません。ただし、一部のみ賃金を受けた場合は、減額して支給されることがあります。

 

④通算して3日間の待期期間を満たしていること

休業補償給付は休み始めて3日間は支給されません。待機期間中に休業状態を確認するという趣旨です。

 

上記を満たした場合、賃金を受けていない日の4日目から支給されます。支給額は休業1日につき、給付基礎日額(平均賃金)の100分の60です。また同時に労災の「特別支給金」という制度から給付基礎日額(平均賃金)の100分の20が支給されるため、合計として100分の80の休業補償が受けられます。

 

休業補償給付は任意の期間で支給申請をすることができますが、通常は給与締め日に合わせて請求することが多いでしょう。つまり、給与締め日が来て、その期間の賃金の支払いが確定してから請求した方が合理的であるためです。

退職後の社会保険手続き

2015.05.21

退職後すぐに再就職先が決まっていない場合、会社で加入していた社会保険(健康保険と厚生年金保険)、雇用保険で必要な手続きは以下の通りです。

 

健康保険について:

①国民健康保険に加入する

②加入していた健康保険の任意継続被保険者となる。(一定の要件を満たせば、退職後も継続して健康保険に加入する事ができます。)

③家族又は親族の健康保険の被扶養者になる

 

厚生年金保険について:

①国民年金の第1号被保険者となる

②国民年金の第3号被保険者となる(扶養してくれる配偶者が、厚生年金や共済年金に加入している場合に、なることができます。)

 

また、退職後に国民年金の保険料を支払うのが困難な場合は、一定の要件を満たせば、支払いを免除してくれる制度を利用する事ができます。

 

雇用保険について:

①離職票を持って求職の申し込みをする

 

退職後に次の仕事を探す場合、失業期間中の生活保障として雇用保険から「基本手当」(いわゆる失業保険)を受給することができます。その為には、ハローワークに離職票を持って行き求職の申し込みをする必要があります。

ただし、基本手当を受給する為には一定の要件を満たさなければなりませんのでご注意ください。

 

従業員が退職した場合、その後の手続きについて、どんな事をやっておかなければならないのか、自分で調べるのは大変です。退職後の労使トラブルに繋げないためにも、会社側で必要な手続きを案内してあげられることが望ましいでしょう。

フレックスタイム制の注意点

2014.09.24

フレックスタイム制とは、清算期間(通常1ヶ月)において、一定の労働時間数を労働することを条件として、始業・終業の時刻を労働者の判断に任せる「柔軟さ」を特徴とした制度です。

フレックスタイム制は、通常「コアタイム(絶対に勤務しなければならない時間帯)」と「フレックスタイム(裁量により勤務できる時間帯)」とに分けて定められますが、必ずしもコアタイムを設定する必要はありません。ただ、現実的に深夜にわたるフレックスタイム設定は割増賃金支払いの面からみても運用が複雑になるため、多くは昼間の時間帯をコアタイムとし、出社時刻あるいは退社時刻の融通をきかせ、効率化を図る目的で運用されることが多いようです。

 

メリット:

この制度のメリットは、労働者の家庭環境や生活リズムに対して柔軟に労働時間を設定できる点でしょう。子育てや介護中の労働者、居住地が勤務地から離れている労働者などが、効率よく労働時間を設定できること、個人ごとの繁閑に合わせて早く帰ったり、遅く出社したりできることが利点として考えられます。

また、企業側からしても、上手に運用すれば硬直した労働時間により発生する「暇な時期のムダな時間」「忙しい時期の残業による割増賃金の支払い」などを回避できます。

 

デメリット:

一方で、フレックスタイム制のデメリットは、時間管理が煩雑になり管理者側が大変になること、また勤務がいいかげんになる従業員が出る可能性があることでしょう。

誰が何時に出てくるかわからなければ来客や電話応対にも支障を来しかねませんし、出社時間をいちいち確認する作業にも手数がかかります。

仮に出社予定時刻を労働者に確認をしたとして、その出社予定時刻に遅れたからといって、それがコアタイムに間に合っていれば遅刻として取り扱うことができません。どのように規律を守っていくかが課題になってきます。

 

フレックスタイム制を導入する際には

 

・導入により業務上のオペレーションにどのような負担が生じるか

・導入によりどのようなムダが省ける可能性があるか

・社内の規律が守れなくなるリスクにどう対応するか

 

をあらかじめ考える必要があるでしょう。

休憩時間中のケガと労災保険

2014.05.25

仕事中のけがであれば、労災保険が適用されますが、休憩中の場合は原則として労災保険適用外であり、健康保険が適用されます。

 

けがの原因にもよりますが、原因が「会社の施設の欠陥」等である場合は、例外的に労災適用が可能となることがあります。

労災の認定をするのは労働基準監督署ですので、

社員が会社内で休憩中にけがをした場合であっても、「休憩中の事故だから労災はムリだろう」と勝手に判断せず、労災保険の適用の手続きを行いましょう。

 

ちなみに休憩時間は、「労働時間の途中にとらせる」「一斉付与」「自由利用」という三つの原則があります。一定の業種などで例外は認められていますが、休憩時間にすぐに仕事に取り掛かれるよう待機させることは手待ち時間、つまり「労働時間」と解釈されてしまいます。

手待ち時間には賃金の支払い義務が生じる可能性があります。

 

待機させておく「手待時間」が多い業種の場合は許可申請をしましょう。

手待時間は労働時間となりますが、逆に拘束時間の大部分が手待時間の業種は、疲労や精神の緊張も少ないとされますし、労働基準監督署の許可を受けることを条件とし、労基方の労働時間、休憩、休日を適用除外にすることが可能になります。

手待時間自体は利益もないですが、会社から手待時間の給料を支払いはしたくない場合は、適用除外申請を活用しましょう。

仕事中の交通事故

2014.05.20

自動車を使用して仕事をしていた過程での事故は、労災保険(業務災害)が適用になりますが、同時に車両にかかっている「自動車保険」も使えるため、本人がどちらの保険から給付を受けるかを「選択」することになります。補償対象が同一であるため、どちらも重複してもらうことはできません。

 

では、どんなときにどちらの保険を選択するのがよいでしょうか。

 

1、まずは自動車保険(自賠責保険)から:

交通事故については「自賠責保険優先」という考え方があります。これは行政通達であり、法的な拘束力はないものですが、一般的には当該行政通達に倣って自賠責保険を使うことを第一に考えるケースが多いと言えます。

自賠責保険はすべての車両に加入が義務付けられており、補償内容は以下の通りです。

 

治療費、文書料、休業損害、慰謝料について、合計120万円まで補償

後遺障害・死亡について 75万円~4000万円まで補償

 

被災者が無過失かつ治療費や休業補償の合計が120万円以内に収まる比較的軽微な事故では、自動車保険(自賠責保険)の適用を選択することが多いでしょう。

 

 

2、労災保険と自動車保険の比較

 

労災保険を選択する場合、以下のようなメリットがあります。

①被災者に過失があっても負担が発生しない

交通事故では過失割合が問題となりますが、労災保険では過失割合に関係なく治療費が全額保障され、休業補償についても過失相殺されません。過失割合について当事者間でトラブルがある場合、労災申請をしたほうが迅速に給付がなされます。

 

②治療費の限度金額がない

自賠責保険と異なり、労災保険には治療費の限度額がない点で有利です。

 

②公的保険のため治療費自体が安くなる

自動車保険を利用すると病院では自由診察の扱いとなります。公的保険である労災保険の診療報酬と比べて、自由診療部分は文字通り自由に治療費が設定できるため高くなります。

つまり、同じ治療を受けているにも関わらず治療費自体が2倍にも跳ね上がることもあります。

 

 

過失割合でトラブルになっている場合や、相手方が自賠責保険のみにしか加入していない場合などは、労災保険のメリットを選択したほうがよいでしょう。

在宅勤務者の労働時間

2014.04.28

在宅勤務者の労働時間は把握が困難です。そのため、会社の所定労働時間を勤務したものとみなす「みなし労働時間制」を活用しましょう。みなし労働時間制は、就業規則に明記することで適用することが出来ます。

 

事業場外のみなし労働制の対象となるのは、「事業場外で業務に従事し、かつ、使用者の具体的な指示監督が及ばず、労働時間を算定することが困難な業務」です。在宅勤務者の業務がすべて「労働時間を算定することが困難な業務」とされるわけではないので、注意が必要です。

 

みなし労働制の対象となるかの判断基準は、以下の通りです。

①業務が、起居寝食等の私生活を営む自宅で行われていること。

②業務に用いる情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態に置くとされていないこと。単に回線がつながれていて、情報通信機器から離れることが自由ならば、常時通信可能な状態には当たりません。

③業務が、随時使用者の具体的な指示に基づいて行われていないこと。目的や期限等の基本的事項の指示は具体的な指示には含まれません。

 

また、みなし労働制によってみなすことが出来るのは、労働時間だけです。在宅勤務者に対しても原則として週1回以上の休日を与えなくてはなりませんし、1日の労働時間が6時間を超える場合には45分、8時間を超える場合には1時間の休憩を付与する必要があります。さらに、深夜業を行った場合には割増賃金を支払わなくてはなりません。

 

みなし労働時間を導入したとしても、労働時間の把握は必要です。特に残業の取り扱いに関しては、トラブルになりやすいので事前に対策を行いましょう。

みなし労働制を導入する以上、在宅勤務者に残業はないものとし、業務上の必要が出た場合に限り報告させ、承認したもののみ残業として取り扱います。在宅勤務についてのルールブックを作成・配布し、個別に雇用契約を結びましょう。

在宅勤務について

2014.04.24

在宅勤務は多様な働き方の選択肢を拡大するものとして注目されています。在宅勤務が企業や労働者にとって、どのようなメリットとデメリットがあるか紹介します。

 

【メリット】

・ワークライフバランスの実現

・優秀な人材の確保がしやすい

・必要な人材の退職を防ぎ、新たな社員を教育する手間が解消される

・通勤負荷の解消による効率性・生産性の向上

 

【デメリット】

・会社の情報漏えいのリスクが高まる

・労働時間の把握が困難

・業務上の指示をタイムリーに出せない

・業務評価が難しい

・自宅での私的行為での事故は労働保険の適用外だが、同じ場所なので区分があいまい

 

労働者が1つの事業場に勤務している場合は、災害等で事業所が機能しなくなったり、流行性疾患で外出が制限されたりした場合、業務が停止してしまします。事業存続性の確保の観点からすると在宅勤務は有効です。

しかし、上記で上げたようなデメリットも存在するので、導入の際はデメリットへの対策が重要となります。

 

具体的なデメリット対策は、次の通りです。

①対象業務、対象者の範囲を限定する

在宅勤務に向いているのは、以下の職種や仕事です。

・外部の顧客対応が少ない自己完結性の高い仕事

・対面によるコミュニケーションが少ない仕事

・成果の評価を客観的に行いやすい仕事

・自己の裁量で仕事を進められる立場の社員

 

②情報漏えい対策

会社所有のパソコンを業務専用とする方が安全です。また、最新のウィルスソフトを装備し、ソフトウェアのダウンロードは承認制としましょう。

 

③労災保険の適用を意識したルールを作る

・始業就業時刻を記載し業務日報の提出を義務づける

・自宅以外の場所では業務を行わない

高額療養費制度の話

2013.03.01

入院などで医療費が高額になった場合、健康保険制度から給付が受けられるのをご存知ですか。

 

【高額療養費制度とは】
重い病気などで病院等に長期入院したり、治療が長引く場合には、医療費の自己負担額が高額となります。そのため家計の負担を軽減できるように、一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分が払い戻される高額療養費制度があります。

【自己負担限度額】
自己負担限度額の計算方法は以下の通りです。

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<一般の被保険者の場合>
80,100 円+(総医療費-267,000 円)×1%

例)総医療費が100万円、自己負担額30万円の場合

80,100円+(100万円-267,000円)×1%=87,430円
30万円-87,430=212,570円が高額療養費として支給

-----------------------------------------------------------
<上位所得者の場合:標準報酬月額が53万円以上の者>
150,000 円+(総医療費-500,000 円)×1%

例)総医療費が100万円、自己負担額30万円の場合

150,000 円+(100万円-500,000 円)×1%=155,000円
30万円-155,000=145,000円が高額療養費として支給

-----------------------------------------------------------

【自己負担額に算入できるもの】
保険適用される診療に対し、患者が支払った自己負担額が対象です。

【自己負担額に算入できないもの】
・ 差額ベッド代
・ 病衣代
・ 食費
・ 先進医療にかかる費用など

【いつ申請するか】
高額療養費の計算単位は暦月ですので、一ヶ月ごとに自己負担額を計算し、前述の基準額を超えるようであればその月ごとに申請することができます。また、この高額療養費の請求時効は2年ですので、過去のものを数ヶ月分まとめて申請することも可能です。

一方、長期入院などであらかじめ医療費自己負担が高額になることがわかっている場合、「健康保険限度額適用認定申請書」という書類を事前に出すことで、高額療養費基準額以上の窓口負担がないようにすることもできます。

出産・育児にかかる給付金

2013.02.28

社員の方がご出産される場合、国からどのような給付金が出るかご存知ですか。

 

【健康保険】※協会けんぽの場合

① 出産育児一時金
この給付はいわゆる分娩費用として、出産時に一括で支給されます。金額は42万円で、産婦人科の窓口で本人が手続きをします。この出産育児一時金は、妊娠85日以上の出産に適用され、死産の場合等でも支給されます。また、当該出産した方が社会保険に加入している場合も、配偶者の扶養に入っている場合も支給されます。

② 出産手当金
この給付は、出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産の予定日)以前42日目(多胎妊娠の場合は98日目)から、出産の日の翌日以後56日目までの期間のうち「休んでいて且つ給与支払いがない場合」に支給されます。

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金額は、出産した方の
標準報酬月額÷30日×2/3 × 休業日数
という計算式により計算されます。
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たとえば、標準報酬月額20万円で98日休んだ場合は以下が支給されます。

20万円÷30≒6,670円
6,670円×2÷3×98=435,773円


【雇用保険】
出産した方が過去2年間に12ヶ月以上雇用保険に加入していた場合、雇用保険から「育児休業基本給付金」が支給されます。これは、「原則として子が1歳になるまでの期間」で、且つ「休業しており、給与支払いがない場合」に支給され、その金額は以下の計算式にて求められます。

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産前休暇前6ヶ月の平均給与月額×1/2×休業日数
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たとえば、休業前の平均給与月額が20万円、子が1歳まで全て休業した場合
20万円×1/2×約10ヶ月=約100万円
が支給されます。実際の申請は2ヶ月に1回、管轄のハローワークに行います。

これらの給付の恩恵があることを考えると、安易に寿退社をするともったいないということがわかります。

それから、もうひとつ大きなメリットとしてあるのが、育児休業期間中の社会保険料免除制度です。
これは、会社負担・本人負担ともに免除されるので、会社にとっても大きなメリットですね。
手続をしないと免除してもらえませんので、ご注意ください。


もちろん、当事務所ではこういったことは必ず提案させて頂いておりますので、ご安心ください。

国民年金の免除

2013.01.20

国民年金には、保険料を支払うのが困難な人のために、届出や申請をして保険料が免除される制度があります。その制度を「免除制度」と言いますが、どのような制度なのでしょうか?


【国民年金の免除制度】
この制度は、自営業者・無職・フリーターなどの第一号被保険者にのみ適用されます。免除制度は、加入期間として計算されるだけでなく、保険料の一部を払ったことにしてくれる制度で、保険料の免除には①法定免除②申請免除があります。

① 法定免除
届出により、保険料が全額免除されます。対象者は以下の通りです。

  • 生活保護法の生活扶助を受けている人
  • 障害年金(1,2級)をもらっている人

② 申請免除
申請して認められることにより、保険料の全額または一部を免除されます。対象者は以下の通りです。

  • 生活保護法の生活扶助以外の扶助を受けている人
  • 障害者または寡婦(未亡人)で所得が125万円以下の人
  • 経済的な事情で保険料の支払いが困難な人


【収入は世帯全体でみる】
経済的な事情の場合は所得制限があります。所得制限は本人だけでなく、配偶者や世帯主も見て判断し、このうち誰か一人でも所得が多い場合は免除は受けられません。ただし、失業した場合は特例があり、本人の所得を除外して、配偶者・世帯主の所得だけで判断されます

また、震災や火災などによって財産のおおむね2分の1以上の損害を受けた場合も、同様の特例があります。(損害保険を受けた分は除く)

その他にも、学生納付特例や若年者納付猶予制度などさまざまケースで免除が受けられます。これらの申請は、住民登録をしている市区町村の国民年金窓口で行うことができます。また、手続きは郵送でも出来ます。

国民年金保険料を滞納した場合の障害年金の話

2013.01.19

国民年金の保険料を滞納すると、万が一の事故等により後遺障害が残った場合、障害年金がもらえないことがあります。それはどのようなことなのでしょうか?

国民年金の障害年金(障害基礎年金)を受給するには、次の要件のどちらかを満たさなければなりません。なお、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている人は除きます。

  1. 初診日の前々月までの被保険者期間のうち、保険料給付済期間と保険料免除期間を合わせて3分の2以上であること。
  2. 初診日の前々月までの1年間に保険料の滞納がないこと。(平成28年3月31日までの特例)

この納付要件では、「初診日の前日」の時点の給付状況を判断します。例えば、交通事故に遭った場合、事故に遭った日の前日時点の納付状況を見るので、事故に遭った日にあわてて納付しても間に合いません。

 

障害基礎年金の要件に該当すれば、毎年以下が給付されます。

【1級】 786,500円×1.25+子の加算額
【2級】 786,500円+子の加算額

<子の加算額>
第1子・第2子:各226,300円
第3子以降:各75,400円

※平成24年度

免除制度を利用せずに何もせずに滞納することは、最も損な方法です。

 

【免除制度について】
年金を払うことが難しければ免除制度に該当しないか確認してみましょう。免除制度を利用すれば、滞納とは異なって、万が一の無年金を防ぐことができるのです。

 

このように、国民年金は、年をとった時だけでなく障害者になったときや死亡したときにも給付されます。ただし、要件がありますので、きちんと確認をしましょう。

失業保険と年金の話

2013.01.17

65歳未満で退職した人は、失業保険老齢年金の両方を受け取ることができるのでしょうか?

 

失業保険は、退職日以前の2年間に被保険者期間が12ヶ月以上ある人が、ハローワークに離職票を提出し「求職の申し込み」をして受け取る保険です。なお、解雇・倒産などは1年間に被保険者期間が6カ月以上ある人が対象となります。


【失業保険の受取り額計算例】
月額36万円受給日数150日の場合

[賃金日額]   (最後の6ヶ月の月額給与の合計)÷180 = 12,000円(最低限度、最高限度あり)
[基本手当日額] 賃金日額×45%=5,400円(給付日額1日あたり)

※給料に応じて、賃金日額の45~80%となります。また、給料が高いほど基本手当額は低くなります。

[合計額] 5,400円×150日=810,000円
[1ヶ月あたり] 5,400円× 30日=162,000円

基本手当日額は、給付日数1日あたりの金額です。給付日数を掛けた額の失業保険がもらえます。また、日数は退職日の年齢と勤続年数によって決まります。

【失業保険の申し込みで老齢厚生年金の支給が止まる】
60歳~64歳で老齢年金(特別支給の老齢年金)を受け取っている人は、失業保険(基本手当)を受け取ることはできません。失業保険と老齢年金、どちらかを選択することとなります。

具体的には、離職票をハローワークに持参して失業保険の申し込みをすると、翌日から特別支給の老齢厚生年金の支払が停止され、その後失業保険の受給が終了した月まで停止されます。支給停止されるのは、基本手当をもらっている期間だけで傷病手当などもらっても支給停止されません。

厚生年金基金に加入している人は、支給が停止されるかどうかは厚生年金基金それぞれの規約によります。

 

【失業保険を受け取らなかった月は、老齢年金を受給できる】
離職票を提出して年金の支給が停止された場合でも、失業保険を1日ももらわなかった月は年金を受け取ることができます。この分は、3カ月後に支給されます。

また、離職票を提出して申し込みをしても、すぐには失業保険をもらえない期間があります。この期間は、いったん年金の支給が停止されますが、他の失業保険をもらわなかった日とトータルして、後で精算されて支給されます。

国民年金の被保険者の種類

2013.01.14

日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人は、国籍に関係なく全員国民年金に加入することになっています。(強制加入)国民年金の被保険者には、どのような種類があるのでしょうか?

【年金の仕組み】
加入者は第1号~第3号の3つに種別され、それぞれ保険料やもらう年金の種類が異なります。
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<第1号被保険者>
対象者は、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人で、第2号・第3号被保険者に該当しないすべての人です。

  • 自営業者、その配偶者
  • 学生農林漁業者
  • 国会議員
  • フリーター
  • 無職の人

保険料は、直接社会保険庁に納めます。なお、手続きは各市区町村で行います。貰える年金は、国民年金のみです。
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<第2号被保険者>
対象者は、厚生年金または共済年金に加入している人です。

  • サラリーマン、OL
  • 公務員
  • 私立学校の教職員

保険料は、毎月給与から天引きされる厚生年金保険料に含まれています。貰える年金は国民年金+厚生年金(共済年金)です。
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<第3号被保険者>
対象者は、被保険者に扶養されている配偶者で、20歳以上60歳未満の人です。

  • サラリーマンの妻(専業主婦)もしくは夫(専業主夫)

保険料は「タダ」です。配偶者の保険料に上乗せされているわけではなく、配偶者が加入している厚生年金や共済組合が負担するので、自分で保険料を納める必要がありません。貰える年金は、第3号被保険者であった期間分です。

[第3号被保険者の要件]
第3被保険者とは「第2号被保険者に扶養されている配偶者」で被扶養配偶者といいます。被扶養配偶者と認められるには第二被保険者(配偶者)の収入で生活をし、年収が130万円未満であるという条件があります。

なお、ここで言う配偶者には、事実婚(内縁)も含まれます。事実婚が認められるには、住民票などの事実婚関係を証明する書類が必要となります。
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再就職手当の話

2013.01.09

雇用保険の「再就職手当」とは、どのようなものでしょうか?

【概要】
再就職手当は、失業保険(具体的には「基本手当」をもらっている(あるいはもらう資格のある))失業者が安定した職に再就職したときに、基本手当の残額の一部が「支度金」的に支払われるものです。

【前提】
再就職手当をもらうためには、基本手当をもらえる資格のある人(「受給資格者」といいます)である必要があります。離職後ハローワークで失業認定を受け、受給資格者証の発行を受けていなければなりません。また、基本手当の支給残日数が少なくとも全体の1/3以上残っていることが必要です。※その他、支給要件があります。

【いくらもらえるか】
再就職手当は次の計算式により計算されます。

A. 2/3以上を残して早期に再就職した場合
基本手当日額 × 支給残日数 × 60%

B. 1/3以上を残して早期に再就職した場合
基本手当日額 × 支給残日数 × 50%

例)基本手当日額 5,000円、支給残日数 90日の場合
5,000円 × 90 ×60% =270,000円

失業保険基本手当をもらい切る前に再就職が決まることは雇用情勢上も喜ばしいことであるため、この手当により早めの再就職を促しています。

【その他注意点】
自己都合退職により給付制限期間(3ヶ月の基本手当が出ない期間)がある場合、失業認定の待機期間の7日経過日後1ヶ月については、「ハローワークなどの紹介による」再就職である必要があります。言い換えると、当初1ヶ月は「知人の紹介などにより勝手に再就職せず、ハローワークを利用して決めないといけない」ということです。

社会保険の被保険者について

2012.12.25

社会保険の被保険者とは、どのような働き方をする従業員を指すのでしょうか。
なお、社会保険とは【健康保険(介護保険)・厚生年金保険】のことです。

社会保険の被保険者となるには、以下の要件があります。

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【原則】

  • 適用事業所に使用される者は、適用除外の者を除き、法律上当然に被保険者となる

この場合、法人の理事・監事・取締役・代表社員・無限責任社員など、法人の代表者または業務執行者であっても、法人から労働の対償として報酬を受けている者は、その法人に使用される者として被保険者の資格を取得します。
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【適用除外】

以下の従業員は適用除外となります。

  • 正社員と比べて、労働時間か労働日数が3/4未満の
    いわゆるパートさん・アルバイトさんが社会保険適用除外となるには、上記の条件を満たす必要があります。
  • 臨時に使用される
    ・日雇いの者
    ・2ヶ月以内の期間を定めて使用される者
  • 季節的に使用される
    ただし継続して4ヶ月を超えて使用されるべき場合には、初めから被保険者となります。
  • 臨時的事業の事業所に使用される
    ただし、継続して6ヶ月を超えて使用されるべき場合には、初めから被保険者となります。
  • 国民健康保険組合など、他の保険制度に該当している

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社会保険の調査がある場合、主に「加入すべき人がきちんと被保険者になっているか」を確認されます。その際、上記の適用除外項目に該当していないにもかかわらず加入していない場合、加入するよう指導されることになります。

多くは、以下のケースが問題になります。

  • 勤務時間の長いパートアルバイトで社会保険に加入していない
  • 正社員で「入社から〇ヶ月経ってから社会保険に入れる」というルールで
    社内処理をしている

自社の条件を改めて確認してみましょう。