山梨の大学生が主催したMGに参加したことがある。

その卓には、大型機械を持ち、青チップを積み上げた社長がいた。
実際に何十人もの社員を抱えている経営者だ。

彼の隣には、MG歴の浅い大学生が座っていた。
私はその二人と同卓で4期を迎えた。

学生は安売りを続ける。
２、３枚の青チップでプライスを下げて他人の親で売ろうとするが、社長には敵わない。

私は大阪市場に退避することにした。

中間休み。
私は大型機械に買い替えるため、現金を持っていそうな社長に中型機械を買わないかと持ちかけた。

「面白いね」

社長はそう言って、二台目の機械を受け取った。

9個製造でバンバン売りまくる作戦なのだろう。鬼に金棒を渡してしまったかと一瞬思った。 

後半が始まり、景気変動が起きた。
逆回りになり、社長の前の番が学生になった。

サイコロは4の２市場閉鎖。絶対強者の社長が売りたい30円以上の市場は福岡だけだった。

学生の製造力は3、販売力も3。
そしてなぜか、学生は福岡市場が好きだった。

売るときも3。
買うときも3。

学生に意図はないが、二台体制の社長の前には、いつも3個入った福岡市場が回ってくる。

重たいFと、
6−3＝3
という現実。

福岡市場から3個だけ買っていく学生を見て、
社長は小さくつぶやいた。

「……3個しか買えないのか？」

5期では卓が分かれたため、 その後の詳しい経緯は分からない。
ただ、決算のグラフを見ると、なぜか絶対強者だったはずの社長が倒産していた。