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MGコラム

子供の壁と行入のチカラ

2023.08.25

6月のMG for Studentsに参加した中から3人の子供たちが8月の平日コースに参加してくれた。

前回はほとんど初心者ばかりだったこともあり、4期の決算すら全員終えることができず残念な結果だった。

私が感じた子供の壁
・丁寧にやることの意味が分からない
・集中することの意味が分からない
・本気を出すことの意味が分からない
・方程式がわからない

言葉では伝わらないことがある。
本人もやる気がないわけではない。
早く決算を終わらせて次のゲームがやりたいと思っている。
だが、決算をやり遂げるために大切な何かが不足している。

前回の反省を踏まえ、まず意思だけでできることを伝える。
文字を太く書くこと。
個別に指摘して、ここはもっとしっかり消そう、ここはもっと濃く書こうと伝える。
丁寧も真剣もアタマではなくカラダやココロの持ち方だ。それはなかなか言葉では伝わらない。
やってみせたり、例を挙げたり、細かい動作の癖を指摘したり。
真剣さを伝えるには、こちらが真剣に伝えることが必要だ。
目を見て、信じて、真剣に伝える。
ココロを伝えるにはそれしかない。

ところが、方程式がわからない。
これは意思の力では乗り越えられない問題だ。スキルの問題。
できる子はできるが、できない子はどうしたらいいのか?

4期の決算の時、経常利益が▲100円、特別損失が30円、ここから税引前当期利益を出したいのだが、どうしてもできない。
ワルツで言えば30+X=▲100 この方程式を解きたいがマイナスの値が入ると多くの人はイメージ(直観)では処理できなくなる。
X=▲70とかX=130といった間違いを繰り返す。
方程式を書いて、=をまたぐと符号が逆になることを伝えるも、学校で習ってないからわからないと。
そうきたか。仕方がない。

別の紙を出して、講師席の隣に座らせる。
数式の例を変えてみる。
30+?=50
この問題を解いてみて。
答えは20と言ってくれた。
じゃあ、その20はどういう計算をして出したの? 数式を書いてみて。
50-30=20
よし、それと同じことをさっきの問題でやってみよう。
30+?=▲100
▲100-30=▲130
できた!
この紙はあげるから、わからなくなったら見てやって。
彼がわかることを積み重ねて新たなスキルを身に付けた瞬間だった。

5期の決算。
彼は自信を得たが、まだ丁寧にやる、真剣にやることの意味はわかっていない感じがした。
相変わらず文字に力強さが足りない。姿勢もグダっとしている。
どうしたら彼に足りないことを伝えられるだろうか?
ホワイトボードに「決算のコツ」を書いてみた。
・丁寧にやる
・真剣にやる
・姿勢を正してやる
・本気でやる
・でも結果が全て
「真っすぐに座ってやるといいよ~。ただし結果が合えばどんなやり方してもいいんだけどねー」
しばらくして、彼の態度が変わった。
背中が真っすぐになり、ブツブツ言いながら決算をしている。
どうやらなりふり構わず数字を声に出して計算しているようだ。
これこそが彼にとっての真剣であり、丁寧なのだろう。
もしかしたら実際に姿勢を正してやってみたことで、その意味が体感できたのかもしれない。
言葉では伝わらなかったことが、この時伝わった気がした。
理入<行入
これまではこういうことを習ってこなかったのだろう。

彼の感想文には「MGをもっとやりたい」と力強い文字で書かれていた。
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