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MG(マネジメントゲーム)セミナー

MGコラム

初MG(最初の一回で止めるつもりだった)

2012.09.12

MGをやろうと思ったきっかけは別のページに載せておりますので、今回は私が初めてMGに参加した時の話を書こうと思います。

2009年6月6日が私の初MGでした。

名古屋の税理士さんが開催されていた1日コースのMGで、1日で3期の経営を行うというものでした。

私の参加動機は、会社の経営と会計を学ぶことです。

どうすれば会社が潰れないのか? どうすれば潰れるのか?

経営者の気持ちを理解できるようになりたいと思って申し込みました。

参加者は私を含め10名ほどでした。

初参加の人は私だけか、もしくはもうひとりくらいだったかもしれません。

参加費は当時8千円くらいで、開業したての私には貴重な大金でした。

ですから、できればこの一回だけ参加して、ノウハウを学び、最小限の投資に抑えようというのが本音でした。

ところが、そのセコい考えを見透かすかのように講師の先生曰く、「MGは一回だけではほとんど効果はありません。最低でも5~6回はやらないと経営のコツは分からないでしょう」

ちょっとガックリきたのを覚えています。

さて、午前中は第1期です。でも、第1期はゲームはやらせてもらえません。みんなで先生の言うとおりに材料を買い、製品を作り、市場で販売します。そしてみんなが同じようにやったその結果を記帳し、マトリクス会計という表を使って決算を行うのです。

早くゲームをやってみたくてウズウズしているのですが、どうやらこれをやらないことにはゲームをやることができないようです。

初めて見るゲーム盤と初めて見るマトリクス会計表、簿記も経理も何も知らなかった私には全ての情報が初めて尽くしでした。固定資産とか営業外費用とか、会計用語も何を指しているのやら。

先生の話はひと言も聞き漏らすまいと(払った会費のモトを取ろうと)必死で聞いておりましたが、実際にやってみると何をどこに書けばいいのかさっぱり分かりません。それでもなんとか隣の人を見ながら第1期は終えることができました。

お昼ごはんを食べて、午後はいよいよ第2期のゲームです。ところがその前に改めてルール説明がありました。意志決定には2種類あって、自分の番でしかできないことと、いつでもできることがあるとか、材料の価格は市場によって違うとか、機械の性能と生産能力・・・理解できたのはこのへんまでで、広告とか研究とか教育のあたりになると「いっぺんやってみないと分からん・・・」といった感じです。

ところがゲームが始まると俄然楽しくなりました。

学生の頃から麻雀やパソコンゲームで鍛えた「ゲーム脳」で、周りの人のやり方を観察しながら自分の意志決定をしてゆきます。見よう見まねでしたが、そこそこ売ることができて、強い人たちの卓に入ることができました。

第2期の決算はさらに難しくて、しかも1期と違ってみんな書く内容が違うのでマネができません。それでもなんとかかんとか終わらせることができました。

この後第3期があるのですが、その前に会計の講義がありました。

第2期が終わってみて、結果赤字だったのですが、一体来期どうすれば黒字になるか?

それを考えるためにまず、四畳半の図みたいなのを書いて会社の売上と原価、固定費と利益の関係を習います。

その次に目標とする利益額を先に決め、それを元に経営計画を逆算で立ててゆきます。

この結果、私は1個26円で33個売らなくては目標の利益を出せないことが分かりました。

さあ、第3期。周りの人を見ながらゲーム開始です。

第3期は借金ができるので、色々と投資ができます。

私は隣の人のマネをして大型機械を買ってしまいました。

お陰で一気に資金が無くなってしまい、材料を買えなくなってしまいました。

仕方がないので在庫を売ってはお金を作り、自転車操業です。

それでもなんとかがんばって毎回26円で売り続けました。

結局色々なミスが重なって、期末に給料が払えなくなり、消費者金融から短期借入れを200円もしてしまいました。(最終的に14個しか売れませんでしたので、借金の金利も含めると当然大赤字です!)

ゲームは夢中であっという間に終わりましたが、その後は決算が待っていました。

決算そのものも分からないのですが、それ以前に記帳のミスが大量にあり、途中で完全にパニックになってしまいました。

正直、途中でもう諦めようかと何度も思いました。

でも、他の人は普通にできているようなので、もっと焦りました。

結局、他の人が全員終わった後も私ひとりが冷や汗をかきながら何度もやり直しして、終わった時には陽がとっぷりと暮れていました。

他の人も帰るわけにもいかず、ゲーム盤の片づけをすっかり終えて待ってくれていましたので、とても申し訳ないと思いましたが、できなかった自分にも腹が立って、あまり会話もできず、トボトボと家に帰りました。

帰りの電車の中で、今後どうするか悩みました。

この分じゃ、経営を分かるまでには相当時間が掛かるだろう。お金もたくさん掛かってしまう。社労士業も始めたばかりでまだ赤字の月もあるというのに・・・。それにこんな調子で次回も申し込んだら嫌がられるんじゃないだろうか? この後も慣れることができなかったらどうしよう?

結局思ったのは「このままじゃ終われない」ということでした。

倒産した会社の社長さんの顔が目に浮かびました。このくらいのこともできないで、経営者の相談相手になろうなんて甘い・・・。

もしもこの次参加したら講師の先生や他の参加者には嫌がられるかもしれない。けれど、お金を払って参加するのだから断られることはないだろう。まずは何とか自力で決算がやれるところまでがんばってみよう!(インストラクターをしている今だから分かることですが、こんな心配は全然必要なかったのです。インストラクターは、受講者がやる気さえあれば、いくらでも喜んで教えたいものですから。)

その後、私は3ヶ月連続でMGに通うことになりました。(続く)

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